ホンダ・ヴェゼルのハイブリッドシステムとは?
ホンダ・ヴェゼルが2018年2月にマイナーチェンジを受けた。少し時間が経ってしまったが、気になる走行性能についてお届けしたい。マイナーチェンジ後の走りの注目は、「SPORT HYBRID i-DCD(Intelligent Dual-Clutch Drive)」が搭載されたハイブリッドモデルだ。
ハイブリッドシステムの加速フィールの見直しがメニューで、街中から走り出すと、アクセルの踏み加減に関わらずスムーズに加速、減速するのがよく分かる。
同ハイブリッドシステムは、1.5Lエンジンに、1モーターとデュアルクラッチトランスミッション、リチウムイオンバッテリーという組み合わせで、嵩張るリチウムイオンバッテリーは後席後方の荷室床下に搭載されている。
低負荷時には、EV走行(モーター走行)も可能だが、EV走行に強制的に切り替わるスイッチは用意されない。省燃費モードのECON、スポーツモードスイッチの2つのみ(ECONをオフにしたノーマルを含めると3モード)。
EV走行の領域は小さい
トヨタのハイブリッドシステム「THS2」のように、モーター走行の領域は広くなく、街中をゆったり走るだけでも比較的エンジンはかかりやすい。バッテリーの充電状態がよく、クリープもしくはわずかにアクセルを踏むようなシーンでEV走行が可能。逆にいえば、エンジンが主役のハイブリッドシステムといえるかもしれない。
そこから踏み込むと、今回の加速フィールの改善ぶりが実感できる。ある程度、強めに踏み込んでもギクシャクした感じはなく、滑るように加速していくのが美点。
また、純ガソリンエンジン車同様に、ハイブリッドに追加されたブレーキペダルのリンク機構により、エコドライブの度合いが分かるのは燃費には利きそうだが、気持ちの良い加速を引き出す際には、毎回アクセルペダルの先につっかえ棒(板)があるようで、少し慣れを要するかもしれない。
ほかにも、ボディに制振材を追加して、最適配置することで、走行時の静粛性をさらに高めたとしている。この点は、乗り心地も含めてヴェゼルがデビューした時よりも格段に洗練されているのは間違いない。
最大の美点はやはり後席と荷室の広さ
もちろん、ヴェゼルの美点である低床で、フラットフロアを活かした広い後席や荷室の広さはマイナーチェンジ後も不変だ。さらに、「ホンダ・センシング」の標準装備化、車線維持システム、アダプティブクルーズコントロールなどの装備もロングドライブ時を中心にドライバーをサポートしてくれる。
ヴェゼルのライバルは、日本車ではトヨタC-HRやマツダCX-3、日産ジュークやエクストレイルあたりが中心で、あるいはブランニューモデルの三菱エクリプス クロスと比べる人もいるかもしれない。
ライバルは多いが、サイズ的には、Bセグメント級SUVとしては大きめで、Cセグメント級としては小さめという位置にある。駐車場事情などから小さめのSUVを狙っている人にとっては、後席や荷室の広さは魅力に映るはずだ。