家計が厳しいなりに、楽しい老後を目指す!
マネー関係の記事を読んで、私には明るい老後はないと諦めの気持ちになってしまうことはありませんか? 平均値や一般的なイメージとは違う暮らしぶりの人には、マネー記事の内容はハードルが高く感じられてしまうこともあるでしょう。他にもたとえば「40代50代だと収入も高くなっているので」「40代50代の家計を圧迫しているのは教育費」といった言葉だけでも、収入が上がらなかった人や、子供がいないけれど家計が厳しい人はちょっと傷ついたりしちゃいますよね。この記事は、そういう方々に向けて、リッチとはいかなくても楽しい老後を過ごせるように心がけておくとよいことを書きました。まずは、お金以外のことから。
健康に気を付ける
楽しい老後に必要なものはお金だけではありません。まずは健康。お金があっても、健康を害してしまえば外出を楽しむのは難しくなってしまいます。食事に気を付けることと体力作りはしておきたいですね。ほどほどの体重を保つことは生活習慣病の予防になるだけでなく、膝への負担なども減らします。スキージャンプのレジェンド、葛西紀明さんの著書『40歳を過ぎて最高の成果を出せる「疲れない体」と「折れない心」のつくり方』によると、40代以降は下半身を鍛えることが大事なのだそうです。私たち一般人なら、一駅分歩く習慣をつけるだけでも筋力アップに効果があり、週に1回20分程度のストレッチとスクワットでもよいそうですので、体のメンテナンスはお金をかけなくてもできそうです。
予防しきれない病気には医療保険で備えますが、医療の進歩で入院日数が短く済むケースが多いので、通常の入院費用の備えは少なめにし、がん治療などの先進医療への備えをしておくことをお勧めします。
見た目を若々しく保つ
ショーウィンドウに映った自分が思いがけず老けていてがっかりしたことはありませんか? 老いを実感すると気持ちが落ち込みます。明るい気持ちを保つために、外見に気を付けたいものです。これは男女問わずです。再就職先を探すにしても、同年代で同能力の応募者の中から選ばれるのは、印象のよい人でしょう。ファイナンシャルプランナーにこういう内容のアドバイスをされると変な感じがするかもしれませんが、私(ガイド)のもう一つの仕事であるアナウンサーの経験からいくつかポイントをご紹介します。
姿勢をよくする、口角を上げる、まぶたをしっかり開ける。目を見開くのではなく、目のりんかくを意識するというイメージです。意識するだけで、目がくっきり開いて元気に見えます。髪は清潔感を大切に。フリーアナウンサーの近藤サトさんが白髪を染めずにテレビに出ていました。
白髪は年齢を高く見せてしまうものですが、きれいなまとめ髪と和服でとても素敵でした。経済的に厳しくて美容院に頻繁に行けなくても、きれいに梳かす、広がらないようにまとめるだけでも十分効果がありそうです(近藤さんはお金もかけていると思いますが…)。ほかにも、体にあったサイズの服を着る、ネットに入れて洗濯して傷みを防ぐ、服にアイロンをかけるなど、少しの心がけで印象はずいぶんアップします。
街で印象のよい年配の人をみかけたら、自分はあの人のどこを素敵だと感じたのかを分析してみるといいですね。
長く働ける仕事にアンテナを張る
年をとっても働き続けなければならないかもしれません。給与がよい、勤務時間等の融通が利く、それまで培ってきた技能を活かせるといった理想的な仕事は、知人からの紹介で決まることが多々あります。どんな仕事をしたいのか、自分は何が出来るのかを周囲に話して、良い情報があったら教えてもらえるようにしておいたり(その仕事いいな紹介して!は安易に言うと信頼を失いますので注意)、人材を探している人がいたらどんな人材を求めているのか聞いたりしておきましょう。その時は条件が合わなくても、のちのち「そういえばあの人に仕事をお願いできるかな」と思い出してもらえることもあります。友達をひとりくらいは作っておく
若い時は一人が気楽でも、年を取っていろいろな不安が出てくると、ふと寂しさに襲われることがあるそうです。配偶者に先立たれると女性は自由時間を得てますます元気になるなどとよく聞きますが、長い自由時間を楽しく過ごせるのは友達あってこそだと思いませんか? 友達を作るとともに、一人の時間を寂しくなく過ごせる強さも培っておきたいですね。趣味や生きがいを見つけておく
楽しみがあると生活に張り合いが出ます。顔がいきいきして若々しくなり、健康と美容にもよさそうです。習い事をする費用はなくても、図書館で本を借りて知識をつけることはできますよね。地元を散策するときに、草花や地域の歴史の知識があると楽しみ方が変わってきます。取り組んだことをブログで発表もできます。ブログやSNSはいいと思います。節約生活にストレスを感じることがあっても、節約の仕方を紹介するブログなどをやっていると、ちょっとしたピンチもネタになるので楽しく乗り切れたりするものです。
また人に喜ばれる仕事をするのも生きがいになります。高齢者施設でのボランティアをしている方は、介護の仕方が学べると同時に介護のされ方(どんな風に要望を伝えたらよいか、施設とはどんなところか等)を知ることが出来たのもよかったと言っていました。
平均データよりも、いまの家計を把握することが大事
最後にお金の話です。ゆとりある老後の生活費35万円という平均データを気にして落ち込むより、今の生活費をきちんと把握することのほうが重要です。あなたの老後の生活費は、家族の増減がなければ、今の金額から大きくかけ離れることはないでしょう。仕事をリタイアして収入が減った後でもその生活費がまかなえるのかということと、介護の備えが必要です。家計の見直しはぜひFPに相談してください。自治体などの無料相談会を利用したり、FP協会のサイトに「FPに相談しよう」という項目がありますのでそこからFPを探すこともできます。FPにはそれぞれ得意分野がありますので、プロフィールを見て、家計管理を得意とする人に相談しましょう。
収入や貯蓄の少なさや、うまくない家計管理状況を人に見せるのはためらいがあるかもしれませんが、FPはそれを診断するのが仕事。お医者さんの前で服をはだけるのと同じですので、恥ずかしがらなくて大丈夫です!
生活費はどのくらい?
老後のためにiDeCoを活用
老後のためのお金は、節約して預金口座に貯めていくだけではおそらく間に合わないでしょう。運用して増やすことをお勧めします。最近よくきく「iDeCo(イデコ)」(個人型確定拠出年金)は自分で年金をつくるための制度です。投資信託で運用し、貯まったお金を60歳以降に年金や一時金で受け取ります(50代で加入した人は受け取り開始年齢が数年遅れます)。60歳になるまでお金を引き出せないので、老後まで着実に貯められるというメリットがあります。自由に引き出せない点をデメリットだという見方もありますが、貯めるという観点からはメリットです。毎月の掛金は5000円から1000円単位で、自分の家計に応じて決めることが出来ます。年間の掛金額は所得控除を受けられ、所得税が安くなります。収入が少ない方の場合、安くなる税額はあまり大きくはないのですが、1万円でも数千円でも大事にしたいのであれば活用する価値がありますよ。
iDeCoの利用は、iDeCoを取り扱っている証券会社や銀行に申し込みます。各社それぞれ、利用できる投資信託や手数料が異なりますので、比較して1社を選びます。