紫外線治療とは(紫外線療法とは)

紫外線治療・紫外線療法

白斑やアトピー治療などにも効果的な紫外線治療。紫外線療法とも言い、皮膚科で保険適応で受けられるものも多いです

ある特定の波長の紫外線を選んで皮膚に当てることで、皮膚の免疫の機能を変化させることができます。湿疹、アトピー性皮膚炎、乾癬、白斑、円形脱毛症など多くの皮膚の病気は皮膚の免疫機能が異常になり炎症を起こすことが原因ですので、それを抑えることで治療効果を発揮します。

紫外線治療はナローバンドUVB・エキシマレ―ザーの2種類

紫外線治療は、「ナローバンドUVB」と「エキシマレーザー」の2つに大きく分けられます。

■ナローバンドUVB
ナローバンド

半身全体に紫外線を当てるナローバンドUVBの装置。保険適応で、広い範囲のアトピー性皮膚炎、乾癬、白斑に使われる

ナローバンドUVBは赤い日やけの原因になるUVBという波長の紫外線から、治療効果の高い311nmの波長を選んで照射する治療法です。多数の器械があり、全身をすっぽり覆うような箱型で全身に照射できるものから、半身のもの、上半身や下半身だけの部分型と、大きさと紫外線を当てる範囲が様々です。

■エキシマレーザー
エキシマレーザー

エキシマレーザーは限られた範囲の皮膚症状に紫外線を強く当てる装置。アトピー性皮膚炎の手の症状、体の一部にできた乾癬や白斑によく使われる。こちらも保険適応

エキシマレーザーは5cm四方程度の紫外線を当てる透明な窓がついた小型の機械です。限られた範囲の皮膚症状を治療するのに効果を発揮します。

紫外線治療が保険適応になる病気……乾癬・アトピーなど

ナローバンドUVBとエキシマレーザーのいずれも保険適応で治療を受けることができます。ただし、保険適応の対象となる病気には制限があります。乾癬、掌蹠膿疱症、白斑、アトピー性皮膚炎、皮膚のリンパ腫が対象です。円形脱毛症や手湿疹にも紫外線治療が有効であると報告されていますが、これらの場合は保険適応外での治療になります。

紫外線治療を受ける場合の費用の目安

紫外線治療で保険適応での一回あたりの費用は3400円です。3割負担の場合、患者さんの負担は1130円程度、1割負担ですと340円です。初診料や再診料はこれに追加され、処方があるかないかによっても料金は変動します。

紫外線治療は一回あたりの治療効果は小さく、継続することで効果を発揮します。症状によりますが、最低でも週1回、2ヶ月は治療を継続するようにしましょう。週2~3回治療を受けると最も効果は高くなりますが、この頻度でクリニックを受診するのは難しいとおっしゃる患者さんが多いです。

紫外線治療の副作用……日やけ・皮膚がんリスク等は?

紫外線を当てますので、軽い日やけが起こる場合があります。紫外線を当てた後に強く赤くなったりヒリヒリしたりしない程度の強さで紫外線を当てるようにします。紫外線治療を重ねると、その部分は日焼けして黒っぽくなります。

「紫外線を当て続けて、皮膚がんなどのリスクがあがったりしませんか?」と、患者さんから聞かれることも珍しくありません。紫外線は古くからある治療法で、治療による効果と副作用のデータは多く蓄積されていますが、少なくとも大人の患者さんに紫外線治療をする場合には、治療を続けることで皮膚がんリスクが増加することはないと考えられています。

子ども・小児の白斑などへの紫外線治療の効果・リスク

お子さんに紫外線療法を行う場合は、リスクとメリットを考えて行うようにします。明らかに皮膚がんが増加するわけではないですが、若いうちから紫外線治療を繰り返した場合に将来的なリスクがゼロという保証はできないためです。たとえば白斑という皮膚の色が白く抜けてしまう病気はお子さんにも多いので、紫外線治療を考慮することがあります。白斑は紫外線治療をすれば確実に治るというものではありませんが、顔や首など皮膚が薄いところでは紫外線治療に反応性がいいことが知られていますので、改善する見込みがあれば積極的に治療を行ってよいと考えます。

紫外線治療が効果的な病気・実際の治療効果

紫外線治療は乾癬、掌蹠膿疱症、白斑、アトピー性皮膚炎、皮膚のリンパ腫に保険適応があり、そのほかにも、円形脱毛症や手湿疹、痒疹にも効果があります。病気ごとに治療効果に差はありますが、いずれにしても副作用がほとんどない有効な治療法と言えます。

紫外線治療の弱点というかデメリットとして挙げられることは

  • 頻回に通院しなければならない
  • すべてのクリニックに紫外線装置があるわけではない
という2点です。最低でも週に1回は治療を受けなければ強い効果を実感することは難しいです。また、皮膚科にとっても紫外線の装置を買うには数百万の投資が必要ですし、病院・クリニック内でのスペースも取りますので、すべての皮膚科が装置を備えてできる治療ではありません。ウェブなどで調べて紫外線治療を行っている皮膚科を選びましょう。

以下では、それぞれの病気に紫外線治療がどのように使われて、どの程度の効果が見られるのかを解説していきます。

■乾癬への紫外線治療の効果
紫外線治療がよく使われ、効果がほぼ確実に出ることが実証されているのが乾癬です。乾癬は皮膚が赤くなり、ガサガサするのが特徴ですが、紫外線を当てるうちに赤みが減り、盛り上がりがなくなり、ガサガサも消えていきます。全身の広い範囲にガサガサした赤みがあれば広い範囲へのナローバンドUVBで、一部だけに出ている場合にはエキシマレーザーを使います。

最近発売になった内服薬である「オテズラ」と併用して紫外線治療を使うことができますので、総合病院でないクリニックでも乾癬の治療はかなり強いレベルでできるようになりました。

■掌蹠膿疱症への紫外線治療の効果
手のひらと足の裏にぷつぷつとした黄色い膿がたまり、皮がむけてガサガサになる掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)。ステロイドやビタミンDの塗り薬が効くものの治りが悪く、紫外線は効果的な方法です。範囲が狭いので、エキシマレーザーもしくは部分型のナローバンドUVBで治療します。

■白斑への紫外線治療の効果
白斑はメラニンを作る細胞が皮膚の一部でなくなり、白くくっきりと皮膚の色が抜けてしまう病気です。ステロイドやプロトピックという塗り薬をぬる治療をすることはあるものの通常は改善せず、紫外線治療が現時点で最も有効な治療法です。顔や首など皮膚が薄いところで紫外線が効きやすいです。紫外線を長く当てていくと、通常毛穴に一致してポツポツと茶色い色が出てきます。これは、毛穴の近くの皮膚にはメラノサイトというメラニンを作る細胞が完全に消えずに残っていることが多いからです。範囲の広さによってナローバンドUVBとエキシマレーザーを使い分けます。

■アトピー性皮膚炎への紫外線治療の効果

ステロイドやプロトピックをぬるのがメインの治療にはなりますが、赤みの範囲が広くかゆみが強い場合には紫外線治療を行うとかゆみがとれ、症状が改善します。範囲が広いので、通常ナローバンドUVBを使います。

■円形脱毛症への紫外線治療の効果
円形脱毛症に対しては、ステロイド注射、SADBEという薬品でかぶれさせる治療、ステロイドの塗り薬などがよく使われている治療法ですが、エキシマレーザーで強く紫外線を脱毛している局所にあてることで、脱毛の改善が見られる場合があります。毛穴の周りに炎症を起こす細胞が集まって毛髪が生えなくなるのが円形脱毛症の原因ですが、この炎症を起こす細胞の働きを抑える効果が紫外線治療では報告されています。

■手湿疹への紫外線治療の効果
小さい水ぶくれができて痒いタイプや、指や手のひらがごわごわして痒みが強いタイプの場合、塗り薬だけでは手洗いの度に取れてしまうこともあり、なかなか治りません。エキシマレーザーで強く紫外線を当てることで痒みが収まり、改善することがありますので、難治の手湿疹には紫外線治療を考慮する価値があります。週1などクリニックを頻回に受診する必要はありますが、副作用はほとんど気にすることなく効果的に治療ができます。

■痒疹への紫外線治療効果
虫刺されやアトピー性皮膚炎で皮膚が痒くなり、掻いているうちに腕や脚でボコボコと皮膚が盛り上がって痒みが収まらなくなる病気が痒疹です。痒疹という名前は一般にはあまり知られていませんが、治らず困っている人が多い病気です。こちらもナローバンドUVBやエキシマレーザーで改善して盛り上がりがなくなってくる場合があります。塗り薬や飲み薬で改善がない場合に考慮する価値があります。

まとめ

紫外線治療は、皮膚にいる炎症を起こす細胞の働きを抑えることで多くの皮膚の病気に効果を発揮します。アトピー性皮膚炎や手湿疹、痒疹のかゆみから乾癬や掌蹠膿疱症のガサガサや赤み、円形脱毛症や白斑まで幅広く治療として使え、大きな副作用がないのがナローバンドUVBやエキシマレーザーの使いやすい点です。また、多くの病気に保険適応があります。しっかりとした効果を実感するには週1~2回の頻度での受診が必要にはなりますが、これらの病気でお困りの場合は紫外線治療を行っている皮膚科、クリニックを調べて相談してみてください。
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