犬にアボカドを食べさせていい? 食べさせない方がいい?
犬にアボカドはOK? NG?
犬がアボカドを食べていいかは賛否両論
アボカドにはペルシンという毒素が含まれる
日本語での犬に関する書籍やインターネットの情報サイトでは「アボカドは犬にとって危険である」と書かれていることがほとんどです。しかし、海外の情報では「数件の中毒例はあるものの、犬がアボカドを食べて中毒が起きたとしても軽度」と書かれていることが多く、さらには「犬には有毒ではない」とまで言われているケースもあり、情報に差があります。
”アボカドの産地や品種によって、犬が食べられるアボカドと中毒を起こすアボカドがある”という情報もありますが、こちらも正確な情報はわかっていません。
アボカド自体には毒性を持つペルシンという成分が含まれており、主に皮や樹皮、種に含まれています。果肉にはペルシンが含まれていないという意見もありますが、アボカドに含まれる脂肪によって種から果肉に達する可能性もあります。
ペルシンは鳥類、ウサギ、ロバ、馬や反芻動物においては中度~重度の中毒症状が見られ、最悪の場合は命の危険もあるとされています。この情報にもとづいて、犬に対しての中毒症状も心配されていると推測されます。
アボカド入りのドッグフードや犬のおやつも販売されていますが、愛犬にアボカドを与える必要があるかを検討するようにしてください。確実なことがわかっていないので、アボカドオイルも犬には避けておいたほうが安心です。
犬のアボカド中毒で見られる症状や対処方法
アボカドを犬が食べてしまったら?
「犬のアボカド中毒に関しては情報が錯綜しているようです。アボカドに含まれるペルシンが殺菌作用のある毒性物質であることは昔からわかっていたのですが、1995年にタンパク質代謝阻害作用があることがわかり、その致死量などの研究が進められています。
トリではその感受性が高く、心筋組織の障害などにより24時間以内に死亡するといわれています。また、牛やヤギなどのミルクを採取する動物は、ペルシンを摂取すると24時間以内に乳房炎が起こることがわかっています。
これらのアレルギー反応に対して犬は比較的感受性が低く、胃腸障害程度の軽い症状で済む可能性が高いようです。ですが、1994年のナイロビ大学の報告では心筋障害や肝障害などの重篤な中毒症状を起こした犬が2匹いたという発表もあるので、犬にはアボカドを食べさせない方が安心だと考えられます。
中毒症状が出るかどうかわからないため、万が一食べてしまった際の対応も難しいですが、心配な場合はかかりつけの動物病院に相談し、催吐処置(強制的に吐かせる処置)をしてもらいましょう。
また、アボカドの種は大きく、飲み込んでしまうと消化管に詰まって食道閉塞や腸閉塞を起こす可能性があります。種を飲み込んでしまった場合は必ず動物病院に行くようにしてください。」
犬にアボカドを食べさせていい?食べさせない方がいい? まとめ
- 犬にアボカドを食べさせていいか、正確なことはわかっていない
- 重篤な中毒例もあるため、食べさせない方が安心
- 万が一アボカドを食べてしまったら動物病院に相談する
- アボカドの種は食道閉塞や腸閉塞を起こす可能性がある
【執筆協力】
丸田香緒里 獣医師
日本大学卒。動物病院勤務後、飼い主様にもっと近い存在になりたいと思い「人も動物も幸せな生活が送れるためのサポート」をモットーにAnimal Life Partner設立。ペット栄養管理士など様々な資格を取得し、病院での診療や往診の他、セミナー講師やカウンセリング、企業との製品開発など活動は多岐にわたる。
ホームページ:http://animallifepartner.com/
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