仏教の教えで救われる

仏教の教えで救われる


働く女性を見ていると、仕事に生活にと頑張りすぎで疲れてしまっている人が多い、と感じます。私も今は組織で働いているので、会社の中でのコミュニケーションの大変さもわかります。

私自身も悩むことが多い人間関係の悩みを軽くするヒントに、仏教の教えをお伝えします。


今回のお悩みは?…「上司の機嫌に振り回される毎日で疲れる……」


上司の機嫌に振り回される毎日で疲れます……。
昨年から部署異動し、企画部門の仕事をしています。社内では花形の部署と言われており、やりがいもありますが、新しいことを覚えなければいけないので落ち着かない毎日が続いています。

そんな中、上司(課長)の機嫌に振り回されるのが大きな悩みです。
課長は頭の回転が速くて賢く、仕事に対しても責任感を持って取り組むタイプで尊敬できます。しかし、とっつきにくい一面もあります。

課長に確認や質問をすると、実際には言われていませんが「そんなことも分からないのか!」と言われているようで、なんとなく自分を責めてしまいます。

課長がイライラしていると職場の雰囲気も悪くなります。同僚に話を聞くと、みんなも課長の機嫌に振り回されているようで、それぞれが大変そうです。上司の機嫌に振り回されない方法を教えてください。

(35歳女性・会社員・未婚)

物事は常に移り変わります。客観的な視点を持って

尼僧が答える仕事・人生の悩み

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会社員として働いていると、こうしたお悩みは多いようです。

せっかく花形の部署に異動されてがんばっているのに、大変ですね。

まず、上司に振り回されているのがあなた一人ではないというのが救いだと思います。職場のみんなが上司の被害を被っているわけですから、何かあれば同僚にも相談しやすいはずです。ストレスを溜めすぎないように、悩みを周囲とシェアしていきましょう。

もちろん、同僚に愚痴を吐き出しても翌日からまた同じ状況が続くわけですが、「つらいのは自分だけじゃない」という気づきを得ることはできます。

上司の機嫌が悪くてきつく当たられたりすると、自分が悪いんじゃないか思ってしまうかもしれません。また、日々振り回されてイライラしつつも、「上司に認められたい」という思いもあるでしょう。

でも、あなたは花形の部署に異動になった、つまり仕事ぶりがきちんと評価され、期待されているわけです。だから自分を責める必要はありませ
ん。あなたは十分がんばっているのですから。

がんばっているからこそ成果を出したい、期待に応えたいという焦りもあるのかもしれませんね。

たしかに上司の評価は気になるものですが、それにばかりとらわれていると視野が狭くなってしまうので注意しましょう。上司の反応ばかり気にしている自分に気づいたら、自分が今「とらわれている」ということを認めること。そして落ち着いて対処することが大事です。

友だちに会ったり趣味を楽しんだり、仕事以外の時間を意識的に作って気分転換するのも効果的です。なにげない時間の中にも、視点を広げるヒントが転がっているかもしれません。

「怨憎会苦(おんぞうえく)」は、生きていく中で誰もが持つ、この世の苦しみのひとつ

上司や同僚との関係に悩んだら…

上司や同僚との関係に悩んだら…

仏教には「怨憎会苦(おんぞうえく)」という言葉があります。「イヤな人とも出会わなければならない苦しみ」のことで、生きていく中で誰もが持つ、この世の苦しみのひとつでもあります。

嫌いな人や苦手な人を好きになることは難しいものですが、憎しみの感情を哀れみに変えていくことはできると思います。「かわいそうな人かもしれない」など、視点を少し転換してみると心がラクになるでしょう。その結果、人間関係が良い方向に行くということもあるかもしれません。

どうしてもつらいときやイライラしてしまったときは、お寺や神社、道端のお地蔵さまなどに手を合わせてみてはいかがでしょうか。神さまや仏さまに気持ちを預けてみるのです。大いなるものに手を合わせて自分を受け止めていただくことで、心に何か変化が表れるかもしれません。

上司を変えようと思っても、あなたが求めるようには変わらないでしょう。相手を変えようと思う前に、まずは自分の心の持ち方を変えていくことです。

天気だって毎日晴天なわけではありませんよね。人間も天気と同じように日々変わるもので、永遠に続くことはありません。上司の機嫌が悪いときは「また機嫌が悪くなってるな」と客観視すること。天気と同じようにコロコロ変わる上司に振り回されないことが大事です。

働いていれば誰にでもつらい時期はあるもの。でも、物事は絶えず変化していきます。

止まない雨はないように、また必ず晴れの時期がやってきます。今は大変かもしれませんが、状況を冷静に受け止め、無理をせずなるべく振り回されない心をもって目の前の仕事に邁進しましょう。
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