船酔いを避けるために

ダイナミックな水中シーンを楽しめることで人気の「ボートダイビング」。その天敵ともいえるのが「船酔い」です。せっかくの楽しいダイビングも、酔って気分が悪くなってしまっては台無し。そこで、ボートダイビングでの船酔いを避けるための10のコツを紹介します。

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気持ちよくボートダイビングを楽しむために、船酔い対策をしっかりとしておきましょう!


船酔いはなぜ起こる?

船酔いに限らず、乗り物酔いは体のバランス調節がストレスを受けることが原因となって起こります。特に船は、前後、左右、上下と複雑な揺れ方をするため、その不安定なバランス状態を立て直そうと、揺れに向かって逆らう運動が頻繁になります。

体のバランス調節は視覚と内耳、深部知覚系(関節や圧感受器)などの情報が、脳の中枢に伝えられることで行なわれるため、目で見た情報と、平衡感覚などの耳で感じる情報、筋肉や関節が感じる情報が脳の中で混乱してしまうと大きなストレスが生じ、頭重感や唾液の分泌などを引き起こすこととなるのです。さらに自律神経の副交感神経を刺激することで、吐き気が催されるといわれています。

船酔いを防ぐ10のコツ

1.ボートの揺れが少ない場所に座る
当たり前ですが船酔いを避けるには、ボートの揺れの少ないところに座ることが大切。ボートを「先端」、「中央」、「後部」の3つに分けた場合、「揺れが少ない」という点からいけば、揺れの最も少ない「中央」から「後部」にかけてがおすすめです。船の重心は真ん中よりやや後ろにあり、その重心を支点にして上下に揺れるので、揺れの少ない支点付近に座るのがベストといえます。

2.排気ガスの当たらない場所に座る
ただし後ろ過ぎると、船の排気ガスなどの不快な臭いで気持ち悪くなることもあるので注意。揺れが少なく、なおかつ風通しのいい、中央の後ろ寄りを狙うといいでしょう。

3.遠くの目標物(動かないもの)を見る
むやみにキョロキョロと視線を動かすと、視覚の混乱につながり、ますます気持ち悪くなってしまいます。逆に目の前の1カ所をじーっと見つめているのもNG。水平線や島など、遠くにあって動かないものをボーッと眺め、リラックスするのがベストです。

4.器材のセッティングなどは出航前に
器材や水中カメラなどのセッティングは船が動く前にしておきましょう。というのも、揺れる船の上でのセッティングは、船酔いする大きな原因となるからです。港に止まっている間はほとんど揺れないので、早めにセッティングを済ませてしまうことがおすすめです。

5.寝不足や二日酔い、過労を避ける
ダイビングを楽しむうえで、体調を万全に整えておくのは当たり前の話。睡眠不足や風邪気味、過労は三半規管に悪影響を及ぼし、船酔いの大きな原因にもなります。ダイビング前日の仲間との宴会で盛り上がりすぎて、二日酔いや睡眠不足の状態でダイビングに参加している人も見かけますが、これでは船酔いしても仕方がありません。まずは体調をきちんと整えることが、船酔いを避ける第一歩といえます。

6.空腹や満腹を避ける
ダイビング前日の夕食は、早めの時間に、翌日に胃がもたれない程度に済ませるのがベスト。また、当日の朝ご飯もおなかいっぱいに食べてしまうと悪影響です。かといって、まったく食べずに空腹だと余計に気持ち悪くなるので、ボートの出航時間を考えて、軽めに食べておくのがおすすめです。もちろん、脂っこいものなど胃もたれするものは食べないように。

7.仲間と一緒に会話を楽しむ
船が動いたら、心身ともにリラックスさせるのが一番。「自分は船に弱いから」と思い込むと船酔いを助長するので、「船には酔わないぞ!」という強い気持ちを持ちましょう。テンションを上げるために、バディやスタッフと話をしたり、歌を歌うのもあり(ほかの人の迷惑にならない範囲内で)。船の揺れを感じなくなるくらい没頭できるものがあれば、酔う間もなくボートでの移動時間は過ぎるはずです。

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ボート上ではバディや仲間と一緒に会話を楽しむのがおすすめ。リラックスして楽しく過ごすことが、船酔いを防ぐ大きなポイントです。


8.ウエットスーツの上半身は脱いでおく

体が圧迫されると船酔いにつながる恐れがあるので、体に密着するウエットスーツは腰まで下ろしておくことがおすすめ。また、ボートのへりにもたれかかっていると、そこから船の振動が体に伝わってくるので良くありません。ボートのへりから離れて座るようにしましょう。

9.酔い止め薬を服用する
酔い止めは大量に服用すれば効く、というわけではなく、用法用量を守って正しく使用することが大切。船酔いの症状が出てからでは胃が受け付けなくなるので、前もって服用しておきましょう。ただし、種類によってはダイビング中に極端な鎮静効果が現れて、判断を鈍らせたり、窒素酔いを助長させたりと、悪影響がみられるものもあります。安全にダイビングを楽しむためにも、服用する前に必ず、ダイビングに詳しい医師に相談することをおすすめします。

10.停泊したら早めにエントリー
ポイントに到着し、ボートが停泊すると、波による左右の揺れが大きくなります。そこにいる時間が長ければ長いほど酔いやすくなるので、早めにボートからエントリーすることがおすすめ。事前にスタッフに船酔いしやすいことを伝えておき、早めにエントリーさせてもらうといいでしょう。

ボートダイビングの際の船酔いを避けるには、「慣れ」も大きな要素ですが、それ以上に大切なのが、「事前の予防」と「気の持ちよう」。船酔いにしくい人をよく観察してみると、上記で挙げたような船酔いしにくい行動をとっていることがわかります。これらを実践することで、かなり船酔いの可能性を減らすことができるはずです。

また、「病は気から」という言葉もあるように、船酔いしやすいと自分で思っていると、本当に酔ってしまいがち。「自分は酔わない」と自己暗示をかけることで酔いを克服している人も多いようです。あまり深刻に悩まず、リラックスして楽しむことが、船酔いしにくくなる重要なポイントといえるでしょう。

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