CX-5がマイナーチェンジで最新エンジンを搭載
マツダのミドルサイズSUVであるCX-5が2018年2月にマイナーチェンジを受け、3月8日から発売を開始した。目玉は、エンジンの刷新だ。まず、人気の2.2LクリーンディーゼルをCX-8と同じ最新のエンジンに載せ替えている。
2.2L(2188cc)の直列4気筒ディーゼルターボで、「SH-VPTS」というエンジン型式も同じだが、従来型の最高出力175ps/4500rpmから190ps/4500rpm、最大トルク420Nm/2000rpmから450Nm/2000rpmと、15ps/30Nmの増強が図られた。
ディーゼルエンジンの力強さがアップ
2018年2月にマイナーチェンジを受けたCX-5。価格帯は、2WDのみとなる2.0Lガソリンが249万4800円~268万9200円。2.5Lガソリンは272万1600円~321万3000円。2.2Lディーゼルエンジンは、280万8000円~352万6200円
試乗したCX-5の「XDプロアクティブ(2WD)」は、CX-8の同じグレードと比較すると約200kgも軽いこともあって、低速域からの力強さはもちろん、中間加速でもグイグイと車速を乗せていく力感あふれる走りを容易に引き出せるのだ。それでいながらJC08モード燃費は1.0L向上している。実燃費の差は分からないが、前モデルを買った人が新型に乗ると悔しがるかもしれない。
人気のディーゼルだけでなく、ガソリンエンジンも刷新された。2.0L、2.5Lのガソリンは、ピストンのエッジカット形状の変更、排気ポート形状の見直しなどにより、高負荷状態での実用燃費やトルクの改善を果たすなど、新しい技術を投入することで、実燃費向上が追求されている。
2.5Lガソリンに気筒休止を新たに搭載
中でも、2.5Lには、4気筒ではまだまだ珍しい(フォルクスワーゲン・ゴルフが4気筒で気筒休止を採用)気筒休止システムを採用した。こちらはエンジン負荷が低い状況で4気筒のうち2気筒を休止させることで、燃料の燃焼を抑制する技術だ。
試乗してみると、気筒休止に入った時の音や振動を感じ取ることはできない。しかし、開発当初は4気筒から2気筒にすると、音・振動がかなり高まり、とてもではないが商品化できないほどだったという。フライホイールを重くすれば振動を低くできるものの、逆にアクセルレスポンスは悪化してしまうというジレンマに陥ってしまう。
そこで、新たに振り子ダンパーを採用。気筒休止時の振動を振り子の力を使うことで打ち消している。
先述したように、4気筒から2気筒に切り替わる時に音・振動をドライバーが感じ取ることはないはず。私もプレス試乗会用に急遽作ったというスマホ用アプリで4気筒か2気筒かを確認しないと全く分からなかった。なお、気筒休止しやすいのは80~90km/h前後の巡行時だが、負荷が低ければ街中の低速域でも切り替わることがあった。なお、気筒休止の上限は120km/h以下とのこと。
この2.5Lガソリン車の試乗車は4WDで、2WDよりも60kg重いものの、街中から首都高速まで力不足は感じさせない。190ps/450Nmという2.2Lディーゼルと比べてみると、同じ2WDで2.5Lガソリンは190ps/252Nmというアウトプットになり、最大トルクの差は乗ってみても明確に感じられる。しかし、街中中心で毎回の走行距離が短いのなら、イニシャルコストも考えて積極的にガソリンを選ぶ手もありそうだ。
ほかにも、内装の質感向上や360°ビューモニターの設定、マツダコネクトの進化(自車位置精度の向上)などが盛り込まれているものの、実用燃費と動力性能の向上(主にディーゼルエンジン)のため、1年強で改良を施したのはマツダらしい。
個人的には、改良前モデルを購入した人の反応も気になるし、マイナーチェンジなどをマメに行い、最新モデルを常にディーラーに並べるという戦略がどう評価されるかも気になるところだ。
CX-5のスペック・価格
全長×全幅×全高(mm):4545×1840×1690車両重量(kg):1520~1680
エンジン:2Lガソリン/2.5Lガソリン/2.2Lディーゼル
駆動方式:2WD/4WD
価格:249万4800円~352万6200円