国民年金基金は自営・自由業者の年金を2階建てにできる!
「人生100年時代」を生き抜かなければならない30代~50代は、老後資金を少しでも増やしたい願望から「年金」という言葉に敏感に反応するようです。国民年金基金(以下、基金)も、何やら年金を増やせそうな響きがあって気になるけれど、どんなものかわかってない人がいるのでは?基金は、年金を増やせる国の年金制度の1つですが、誰でも入れるわけではありません。入れる人には条件があります。その条件を語る前に、日本の年金制度を簡単におさらいしておきましょう。
国民皆保険の国・日本では、20歳~60歳の人は国民年金に、会社員などの雇われている人は厚生年金にも加入します。これらは、強制加入です。会社などに雇われている人は、第2号被保険者、第2号に扶養されている配偶者は第3号被保険者、自営・自由業を代表とする、第2号でも第3号でもない人は第1号被保険者と区分されています。
厚生年金にも加入している第2号は、将来もらえる年金が1階部分の国民年金(老齢基礎年金)と2階部分の厚生年金(老齢厚生年金)の2階建てです。1階部分しか入っていない第1号とは、年金額に差が生じます。この差を解消するために創設されたのが基金なのです。ですから、入れるのは第1号のみで、入るかどうかは任意です。基金に加入することで、第2号と同じように年金を2階建てにできるということです。
ただし、国民年金の保険料を未納にしている人や免除(一部免除、学生納付は特例・納付猶予も含む)されている人は加入できません。1階部分の保険料を払っていないと、2階部分は作れないということですね。
国民年金基金は節税メリットがある!
では、基金はどうやって入ればいいのでしょう?基金には、地域型と職能型があり、どちらかを選びます。年金を増やしたいからと、両方に入ることはできません。地域型は47都道府県にあり、同一の都道府県に住んでいる第1号が加入できます。職能型は、25職種の基金があり、基金ごとに決められた事業・業務についている第1号が加入できます。加入は口数制で、年金額や給付の型は加入する人が選びます。給付の型は、終身A型(15年保証)と終身B型(保証期間なし)、確定年金(5つの型がある)を合計した7種類です。1口目は、終身A型かB型のどちらかを選び、これは途中で減額したり型の変更はできません。2口目以降は、7種類の中から選べます。
掛金は給付の型、加入口数、加入時の年齢・性別で決まります。国民年金のように、年齢・性別に関わらず保険料が均一というわけではありません。掛金は全額が所得控除の対象で、所得税・住民税を節税できるメリットがあります。ただし、掛金には上限があり、月6万8,000円です。個人型確定拠出年金(iDeCo)にも加入している人は、その掛金と合計して月6万8,000円です。長い老後に備えて、節税メリットを生かしながら年金を増やしたいですね。
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