お金の悩みを解決!マネープランクリニック/教育費が準備できるか不安な子育て世代

46歳貯金300万。ボーナス減少で児童手当も貯められず(2ページ目)

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、子どもが3人いる46歳の主婦の方。単身赴任している夫のボーナスカットで、家計がさらにきびしくなったとのこと。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

あるじゃん 編集部

執筆者:あるじゃん 編集部

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アドバイス1:まずは家計支出を把握し、赤字解消を目指す

心配されているとおり、家計状況や今後のライフプランを考えると、このままでは将来、資金的にかなりきびしい状況に陥ると予想されます。とくに問題視すべきは、住宅ローンの支払いです。2015年ローン開始で35年返済。完済はご主人79歳のとき。返済額の月7万円は、平均額か、あるいは平均以下かもしれません。しかし、それも現役で働いていればの話です。年金生活となってこの金額は十分に大きな負担となります。しかも、それが80歳近くまで継続されるのです。

また、教育資金についても、大学費用として少なくとも1人400万円は見ておく必要があります。学資保険で準備はされていますが、お子さん3人全員が進学となれば、900万円近く不足していることになります。これだけで、今日から家計の見直しに着手すべきということが理解できるはずです。

では、何から手をつければいいか。まずは家計の正確な把握です。毎月、2万円ほどの赤字で、おそらく食費やレジャー費はいただいたデータよりもかかっているとのこと。このあたりをきっちりと把握するために、家計簿をつけることから始めてください。3カ月もつければ、毎月何に支出しているのかが見えてきます。

次に、支出しているモノから、優先順位の低いモノを削る作業となります。最初の目標は赤字を出さない収支トントンの家計に戻すこと。いきなり貯蓄は難しいでしょう。家計管理は継続しなくてはなりません。徐々に、貯蓄できる家計に転換できるように目指してください。

ボーナスから支払っていたクルマのコストや固定資産税、団体信用生命保険料の合計が21万4000円。支給額カットで年間10万円となれば、当面は不足額を貯蓄から捻出せざるを得ません。しかし、今後はボーナス依存そのものにリスクがありますから、毎月の貯蓄で備えるよう意識しましょう。
 

アドバイス2:一番下の子の小学校入学を機に妻はフルタイム勤務を目指す

ただし、家計の見直しにも限界があります。そうなると収入アップしかありません。カギとなるのは、奥様の働き方です。一番下のお子さんが小学校に入学すると、教育費が今より下がるはずですが、そのタイミングで奥様もフルタイム勤務を目指してほしいと思います。目標とする収入は、手取りで月額15万円以上。これで、年間100万円の貯蓄も見えてきます。50歳から働くとして、60歳までの10年間で計1000万円。教育資金も何とかメドが立ちます。

それと、奥様は正社員勤務が望ましいですが、きびしければ契約社員、派遣社員でもいいと思います。ただし、厚生年金の加入を勤務の条件としてください。公的年金が増えるという点で将来に大きなプラスとなります。

また、奥様がフルタイム勤務となれば、家族の協力は欠かせません。家事や育児を自分だけで背負うと、「たまこ」さん自身がパンクしてしまいます。ご主人とよく話し合い、分担できることはしてください。単身赴任が続き、それが難しいなら、お子さんにも必要に応じて自立を促すことが必要となります。そして、「たまこ」さんも、疲れやストレスを貯めないよう、どこかでガス抜きをしてください。そのための支出は立派な必要経費です。
 

アドバイス3:夫婦ともできるだけ長く働くことが不可欠

老後対策については、定年までに必要な資金を貯める余裕は、ほぼありません。したがって、夫婦ともできるだけ長く働くことが不可欠となります。老後資金を事前に用意するのではなく、働きながら老後を過ごすということです。そのためには、健康であることが前提ですから、日頃から健康管理にも気を配ってください。

あと、保険が気になります。ご主人に死亡保障がないのはやはり不安。団信に加入されていますし、学資保険も死亡保障の代わりにはなっていますが、それでも不足気味です。保険期間10年の定期保険で、死亡保障1000万円なら保険料は月4000円台前半。2000万円なら8000円台前半。また、共済でもいいでしょう。ともあれ、支出増となりますが、何とかやりくりして保障は確保したいところです。

最後に保有されている株式について。20万円が130万円になったとのこと。これはかなりのパフォーマンスですが、当然、今後下落するリスクもあります。早めに利益確定をしてください。ただし、手元に現金が入っても、これがいつの間にかなくなっては意味がありません。安易には手を付けないよう気をつけましょう。
 

相談者「たまこ」さんから寄せられた感想

これを機会に家計や人生設計を見直します。子どもたちにも、もっとお手伝いをしてもらって、自立をしてもらおうと思います。主人にも……。取材していただいて、ありがとうございました。

教えてくれたのは……
深野 康彦さん
 
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マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。近著に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など

取材・文/清水京武

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