国民健康保険が払えないときの注意点とは

平成30年3月までは、国民健康保険料は市区町村がそれぞれ設定していましたが、4月より国民健康保険の保険者が市区町村と都道府県の両方になります。給付を行うのが市区町村の小さな財布から都道府県の大きな財布になるのです。移管後の4月以降は、医療費や住民所得などをもとに計算した標準保険料などを都道府県が市区町村に提示するので、市区町村がそれを参考に実際の国民健康保険料を決め、徴収業務を行う形です。

国保料

国保料は、家族の人数によっても異なります。


厚生労働省の調査によれば、国の財政支援が倍増するため、国保の都道府県移管、全国の市区町村の54%で国民健康保険料が減る見込みとのことです。ただし、都道府県移管により43%の自治体の国民健康保険料が上がる見込みとのことです。新聞報道等では、例えば東京都では平成28年度に比べて26%上昇するなど、ほぼ全市区町村で増える見込みとのことです。

国民健康保険料ってどう計算する?

国民健康保険の算定基準は、負担能力の高い人の負担が大きくなる「応能分」と、所得や資産の多寡にかかわらず被保険者が均等に負担する「応益分」に分けられます。「応能分」と「応益分」はおよそ50%ずつの割合で保険料を計算します。

「応能分」には、住民の所得に応じて負担額を決める「所得割」と固定資産税等の額に基づく「資産割」があります。応益分には、全世帯が同額に負担する「平等割」と世帯内の国保加入者の数に応じて負担する「均等割」があります。

例えば、
  • 川崎市在住
  • 自営業
  • 夫42歳:事業所得400万円
  • 妻38歳:給与所得30万円
  • 小学生2人
家族の平成29年度分の国民健康保険料を計算してみましょう。

1.医療保険料
  • 所得割:{(400万-33万×3)+(30万-33万)}×6.92%=20万8,262円
  • 均等割:4人×3万1,880円=12万7,520円
→医療保険料:20万8,262円+12万7,520円=年額33万5,782円

2.介護納付金分保険料
  • 所得割:1人×(400万-33万)×2.28%=8万3,676円
  • 均等割:1人×1万3861=1万3,861円
→介護納付金分保険料:8万3,676円+1万3,861円=年額9万7,537円

3.後期高齢者支援金等保険料
  • 所得割:{(400万-33万×3)+(30万-33万)}×2.4%=7万2,240円
  • 均等割:4人×1万1,072円=4万4,288円
→後期高齢者支援金等保険料:7万2,240円+4万4,288円=年額11万6,528円

つまり、国民健康保険料は、医療保険料:33万5,782円+介護納付金分保険料:9万7,537円+後期高齢者支援金等保険料:11万6,528円=年額54万9,847円です。

*川崎市独自の軽減として小学生2人分(33万円×2)を所得割の総所得から控除しています。

応能分に「所得割」、応益分に「均等割」を選択して国民健康保険料を計算する自治体、後期高齢者支援金等分保険料が入る自治体、16歳未満の被扶養者分を総所得から控除する自治体も多いです。平成30年分以降は、各都道府県がどんな計算の仕方を市区町村に提示するのか気になる部分ですね。都道府県の提示の仕方によって、国民健康保険料がいくらになるか決まるのです。

国民健康保険料が高くて支払えない場合は?

今後は「以前よりも国民健康保険料が高くなった」という自治体も多数あるでしょう。保険料が払えない場合、どうすればいいのでしょう?国民健康保険では所得の基準により、国民健康保険料の軽減措置があり、世帯全員の前年度の所得を確認し、総所得が基準以下だと軽減措置を受け、均等割りの負担が軽くなります。

  • 総所得33万円以下→均等割7割軽減
  • 総所得(33万円+27万円×国保加入者数)以下→均等割5割軽減
  • 総所得(33万円+49万円×国保加入者数)以下→均等割2割軽減

国保料が高いからと、何もせずにただ未納になっていると、保険証を返却する必要があり、病院で診察を受けるとき、窓口自己負担分を一旦全額負担する「無保険」状態となってしまうのです。源泉徴収票や確定申告書控えなど所得を確認できるもの、会社を辞めた場合は離職票等を持って市区町村役場へ相談に行きましょう。

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