コンパクトハイブリッドの定番「アクア」
2017年6月にマイナーチェンジを受けたトヨタ・アクア。コンパクトハイブリッドの定番モデルとして確固たる地位を確保している。ここ数年は、登録車販売ランキングのトップ3~5の常連で、月によっては1位を獲得し、「e-POWER」を擁して2017年のコンパクトカー・ナンバー1になった日産のノートを追っている。なお、2017年6月のマイナーチェンジでは、エクステリアのリフレッシュに加えて、従来「X-URBAN」と呼ばれていたモデルをクロスオーバースタイルが強調された新グレード「Crossover(クロスオーバー)」に改めている。
さらに、エンジンの改良やハイブリッドシステムの制御を見直しにより、JC08モード走行燃費は最高で38.0km/Lになっている。なお、改良前は37.0km/Lだった。
さて、2011年12月に発売を開始したアクアは、登場から6年以上が経過している。登場から2年となる2013年11月の一部改良で、ボディ補強などが施され、やや頼りないという指摘もあった走りが改善されている。
最新アクア2017の走りはどうか?
さらに、2017年6月のマイナーチェンジでも、ボディ剛性を強化しながらタイヤサイズを175/65R15から185/60R15に大きくし、ハンドリングや乗り心地の面でもさらに進化を遂げたとしている。さて、試乗した「クロスオーバー」は、16インチタイヤを装着し、車高アップに伴い専用チューニングを施したとしているが、乗り心地は想像するよりも良好で、しかも操縦安全性に変なクセはない。
ただし、路面の状況によっては微細な揺れを感じるシーンがあった。ダンパーの能力不足、あるいは16インチタイヤは少しオーバースペックなのかもしれない。
それでも謳い文句どおり、ボディの剛性感に一段の向上が見られるのはうれしいところ。走りに関しては、6年以上前に登場したアクアから別物に近いといえるほど進化している。
高速巡航よりも市街地での走りが好印象
燃費重視のアクアだけに、街中のちょい乗りという使用シーンが多いはず。頻繁に高速道路を使う場合、動力性能や静粛性に関してはやや物足りなさを覚えるかもしれない。エンジンの負荷が高まると、車内への侵入音がかなり高まり、大きな凹凸を乗り越えると素直に衝撃が伝わってくる。高速道路では、流れに乗るような速度ではなく、法定速度をきっちり守って走った方が燃費も良く車内も静かで平穏なクルージングができそう。もちろん、街中であればハイブリッドらしい高い静粛性を享受できる。
小さめのボディサイズには長短あり
今さら指摘することではないかもしれないが、後席は頭上、足元空間ともに狭めだ。大人4人がフル乗車、もしくはチャイルドシートを付けて小さな子どもを乗せ降ろしさせるという使い方ではその狭さが気になるかもしれない。逆にいえば、小さめのボディサイズで取り回しがよく、駐車場所も選ばない。さらに、「クロスオーバー」なら最低地上高が30mm高くなっているからちょっとした段差なら下まわりをこすらずにすむし、全高も45mm高くなっているが1550mm以下の機械式立体駐車場にももちろん入庫できる。
登場から6年以上経っていることからも次期型が気になるところだが、完熟といえる仕上がりになっているのは間違いないだろう。
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