子供のしつけ/ほめ方

褒める育児とは? 伸ばす褒め方と間違った褒め方の違い

褒める育児のメリット・デメリットとは? 子どもに誤った褒め方をすることで生じる問題点をお伝えすると同時に、子どもの自信に繋がり、意欲を引き出し伸ばす褒め方のポイントを説明します。伸ばす褒め方で、子供の健やかな成長を促していきましょう。

田宮 由美

執筆者:田宮 由美

子育てガイド

<目次>

「子どもを褒める育児」は間違っているの?問題点・ポイント5つとは

褒める育児のポイント

褒められてばかりいると、友達の成功を妬んだり、人が褒められているのを見ると劣等感を抱くこともあるかもしれません

子育てをしていると「子どもは褒めて育てましょう」と一度は聞いたことがあると思います。ですが最近、褒めることで生じる問題点も耳にするようになってきています。いったいどちらがよいのでしょうか? 誤った褒め方で生じる問題点と、子どもを伸ばす褒め方のポイントを説明します。

まず、褒めることで生じる問題点について考えます。
 

問題点1:「自分はエライ!」と思い込む

いつも褒められている子どもは、「自分はスゴイ!エライ!」と感じ、自分を特別な存在だと思い込んだり、勘違いすることがあるでしょう。
 

問題点2:友達の成功を喜べない

友達の良いところを認めたり、成功を一緒に喜べないこともあるでしょう。また周囲の友達が褒められているのを見ると、劣等感を抱いたり、その友達を妬む気持ちを持つこともあるかもしれません。
 

問題点3:大人の顔色を窺って物事を判断する

「もっと褒められたい」と、親の気に入ること、褒めてもらえるようなことをしようと思い、親の顔色を窺って行動することがあります。そして物事の判断を人に委ねることも増えることもあるでしょう。
 

問題点4:「いい子」の反動で「キレる」ことがある

親から褒められ、良い評価を得ている子は「いい子にしてなきゃ、親に褒めてもらえない」とその子本来の姿を抑えることがあります。

それが蓄積されると、いつか爆発し、いわゆる「キレる」という状態になることも起こります。
 

問題点5:「注意」が受け入れられなくなる

たまに先生や他の人に注意されると、それを素直に受け入れられないことがあります。

また大人になり社会に出ると、叱られたり、注意される場面では対処できず、中には心が折れてしまったり、パニックになる人もいるようです。
 

子どもの自信と意欲に繋がる褒め方のポイント5つ

褒めることで生じる問題点を聞くと「やっぱり褒めて育てるのはよくない」と感じるママもおられるかもしれませんが、それは褒め方が違っているだけなのです。

次に子どもの自信に繋がり、意欲を引き出し伸ばす褒め方のポイントをお伝えします。
 

ポイント1:具体的に褒める 

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「洗濯物、たたむの手伝ってくれて助かったわ」具体的に、そして心を込めて褒めましょう

とにかく、子どもを褒めようと「スゴイ!」「エライ!」を連発し褒めるのはよくありません。その言動を具体的に褒めましょう。

例えば子どもがママの顔を描いた絵を見せてきた時、
「スゴイ!」「上手!」ではなく、
「このママの顔が丸いところや、目が細いところがそっくりで、丁寧に描けているわね、ママ嬉しいわ」という感じで褒めてあげましょう。

それによって、子どもは自分が特別な存在と感じることはなく、褒められたところを更に伸ばしたいと、今後の励みや自信にも繋がるでしょう。
 

ポイント2:過去の本人と比べて褒める

子どもを兄弟やお友達など他人と比べて褒めることは止めましょう。

例えば「○○ちゃんは、まだ掛け算の九九も言えないそうよ。なのに、あなたはもう割り算もできて、本当にスゴイわ!」と褒めていると、友達が自分よりできることがあると、妬ましく感じたり、友達より劣ってしまうと、自分を卑下したり、劣等感を抱くことがあるでしょう。

比べる時は、過去の本人と比べて褒めましょう。
 

ポイント3:基準を持って褒める

その時の感情や雰囲気で褒めたり、褒めなかったりするのはよくありません。

例えば、昨日は弟と一緒に遊ぶことに対し「遊んであげてくれてありがとう。優しいお兄ちゃんね」と褒められたのに、今日は全く何も言われない。そのようなことが続くと、子どもは褒められるかそうでないか、親の顔色ばかり窺い行動するようになるでしょう。

そして良い悪いの判断も親の顔色で決めるようになり、責任も人に委ねることが増えるでしょう。親は子どもに対して、基準を持って褒めましょう。
 

ポイント4:努力した過程を褒める

褒める時は、つい結果だけを褒めてしまいがちです。確かに今、目に見えている結果の方が分かりやすいですし、褒めやすいですね。ですが、それに至った努力や頑張った過程に目を向け褒めましょう。

例えばテストが満点だった時、
「満点、スゴイね」と、その点数を褒めるのではなく
「よく頑張ったわね、毎日コツコツ勉強をしていた努力が実ったのね」とその過程を褒めてげましょう。そうすることによって、
「また満点でないと褒めてもらえない」という結果にこだわるプレッシャーも軽くなり、心の抑圧も減るでしょう。
 

ポイント5:「褒めて育てる」は「叱らない」こととは違う

「褒めて育てる」ことは「叱らない」ということではありません。叱るべき場面では叱り、注意すべきことは、きちんと注意するべきです。ただその時、褒める言葉を一緒にかけることで、その注意がより、効果的になることがあります。

例えば、子どもがイタズラをして物を壊してしまった時、
「自分が壊したことを勇気を持って、正直に話してくれたわね。それは立派よ」と最初にひと言、子どもを認めるような褒め言葉をかけることで、子どもは次に来る親の注意を素直に聴き入れることができ、より耳を傾けようとするでしょう。

そして注意されること、叱られることに、耐性も培われていきます。
 

心を込めて褒め、健やかな成長を促しましょう

褒めることで、問題が生じる場合もありますが、それは褒め方が違っているからなのです。適切な褒め方のポイントを押さえれば、子どもの自信に繋がり、意欲を引き出し、伸ばすことができるでしょう。

そして褒める時に大切なことは、必ず「心を込めて褒める」ことです。片手間に褒めたり、
「本当はたいしたことないけれど、とりあえず褒めておこう」という気持ちで褒めると、逆に意欲を低下させたり、親への不信感を抱かせることもあるでしょう。子どもは親の気持ちを敏感に読み取っているものです。

伸ばす褒め方で、子どもの健やかな成長を促していきましょう。

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