セレナe-POWERを、トヨタのノア3兄弟、ホンダのステップワゴンと比較!
日本市場で売れ筋車種になっているミドルクラスミニバンのセレナに『e-POWER』という燃費の良いハイブリッドモデルが追加され、大いに話題を集めている。売れ行きも好調らしい。ノア3兄弟やステップワゴンといったライバル車のハイブリッドと比べ、どんな特徴を持っているのだろうか? 以下、わかりやすく比較してみたい。動力性能の違いを比較。1番元気の良い走りをするのはどのミニバン?
まず絶対的な出力。セレナのスペックをみると、84馬力のエンジンとバッテリーからの52馬力を加え最高136馬力という出力を出す。ノア3兄弟も99馬力のエンジンとバッテリーから37馬力でセレナe-POWERと同じ136馬力。ステップワゴンはライバルより圧倒的にパワフルな145馬力エンジン+バッテリー70馬力で215馬力を発生。乗り比べたら、やはり圧倒的にステップワゴンがパワフルで元気が良い。高速道路に代表される長い登り坂を定員乗車で走るとバッテリー容量が減っていき、やがてエンジンだけのパワーで走ることになる。その時はセレナ84馬力、ノア3兄弟99馬力、ステップワゴン145馬力になるため、これまた明確な差が出る。
もう一つの大きな違いが、エンジン停止中の巡航状態からアクセルを強く踏んだ時の追い越し加速。アクセルを踏んだ直後はバッテリーからのパワーに頼ることになるため、これまたバッテリー出力の高い順の加速性能となってしまう。いろんな場面での加速性能を総合すれば、ステップワゴン>セレナ>ノア3兄弟の順だと思えば間違いない。
燃費性能の比較も気になる所。条件次第でカタログ通りにならないことも
気になる燃費だけれど、カタログに出ているJC08モードだとセレナが26.2km/L。ステップワゴン25km/L。ノア3兄弟23.8km/Lという数字。実燃費はJC08の70%程度だと言われているため換算してみると、18.3km/Lの17.5km/Lに16.7km/L。街中を走っている時の燃費差はこのくらいだと思えばいいと思う。いずれにしろ十分良い。ただ、セレナのみ高速走行中のエンジン直結モードが無いため、高速道路を100km/hで巡航したような時の燃費の落ち込みはライバルより大きい。なので、高速道路まで含めた燃費を考えたら、さらに差は縮まる傾向。長い目で見るとステップワゴンが少し優勢かもしれない。ユーザーの使用条件や乗り方によって変わってくると思う。
自動ブレーキ性能も注目。セレナは強かった!
ここにきてクルマ選びの大きなファクターになっている自動ブレーキ性能は、ダントツで良いのがセレナ。停止している車両にノーブレーキで接近しても自動停止可能な速度こそ3車種とも50km/hで横並びながら、歩行者に対するブレーキ性能を比べると大きな差になってしまっている。そもそもノア3兄弟は歩行者に対する自動ブレーキ機能は無し。ステップワゴンの場合、遮蔽物の無い良好な条件なら歩行者を感知してブレーキを掛けてくれるが、車両の陰から出てくる「遮蔽物あり」という現実に近い状況だと「対応出来ない(止まれない)」ということで、公的な試験を忌避した。セレナのみ45km/hという世界的な基準でもトップの性能を持つ。いざという時に心強い。
ハード的な違いは以上。発表された直後のためかセレナの話題性が驚くほど高いものの、読んでいただければわかる通りハイブリッドシステムを比べたら勝ったり負けたり。自動ブレーキ性能のみハッキリ勝ち! ということだけ認識して貰えたら、あとはデザインやインテリアの好み、値引き、ディーラーの対応などで決めればいいと思う。
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