自分の子育てに自信ない……つまずきにも意味がある!
落ち込むのも、真剣だからこそ!
しかし、「これでいいのかな」と自分の接し方を振り返りながら進んでいくママは、我が子が今、何を必要としているかに気づけるアンテナを持っています。
子育ての過程で、立ち止まったり、悩んだりするのは、悪いことばかりではありません。そのメリットを子育て心理学的に解説していきます。
真剣だからこそ悩みは出てくるもの
子育ては楽しいことばかりではありません。自己嫌悪に陥ったり、どうしたらいいのか迷ったりすることも多いものです。とくに、子供が小さいうちは、昨日の悩みを今日悩んでいられないほど、毎日のように新たな悩みが浮上します。成長のスピードが速いので、それに伴って悩みの質もめまぐるしく変化していきます。私のところに育児相談にいらっしゃるママたちも、迷いや悩みがあって来られるのですが、共通しているのは、どなたも、「現状を何とか改善したい!」という強い思いを持っているということです。
心理学では、「ストレスは大事な人、大事な事に対して発生する」と言われています。つまり、ママが悩むのは、子供にしっかりと視線を向けている証。子育てに真剣に取り組んでいるからこそ、悩みは出てくるのです。
本当に相談に来てほしい人は相談に来ない!?
どんな親が相談に来るのか?
本来であれば、このようなエスカレートしてしまっているケースこそ、専門家の知識が活きる場なのですが、実際には自分から相談に出向いたりはしないのが現状です。
たとえば、虐待。近隣住民や保育園、学校、医師などからの通報などで発覚するケースが多いのが示しているように、虐待をしている親自身は、自分の行為を問題視しておらず、「しつけの1つ」として虐待を捉えていることもよくあります。
また、毒親のケースも、自分のやり方を信じて疑わない場合が多いので、だれかに相談したり、正しい子育て知識を得ようとしたりはしない傾向があります。方向性が間違っている自信や確信のまま、振り返らずに進んだら、当然ながら、状況はエスカレートする一方です。
虐待親、毒親、タイプは違っても、自分のやり方に対しての振り返りが少ないという点で、共通しているのです。振り返らなければ、気づかぬまま、周りからの介入がない限り、進んでいってしまいます。
なんとなく、「悩みがない=できるママ」という印象があるかもしれませんが、実際にはそうとは限らないということです。相談を受ける立場にいると、悩んでいるママは、問題意識が高かったり、勉強熱心だったり、と真摯な姿勢で育児と向き合っていることが分かります。
自信がないくらいが寄り添える
自分の育児のことを振り返る行為は、ときにどっと気持ちを落ち込ませたりもしますが、そこには、「解決したい」「改善したい」という思いがあります。振り返ること自体は後ろ向きに感じますが、でもその中身は、前進したい気持ちなのです。私は、親はちょっと自信がないくらいの方が、子供に寄り添えると感じています。「これでいいのかな」という振り返ることで、我が子の思いや変化を上手に感じ取れたりするからです。
だから、悩んだり、自信をなくしている自分に、がっかりしないでほしいと思います。気づいたからこその悩み、そこから前に進めばいいのですから。
つまずきに意味を持たせよう!
子育てのつまずきは、ちっとも悪いことではありません。でもせっかくつまずいたのだから、そのまま立ち上がってはもったいないので、ぜひ何かをつかんで立ち上がってください。「私はタダではつまずかないぞ!」の思いがあれば、立ち上がったとき、ママとしてまた強くなれます。今は昔に比べると、たくさんの育児情報があります。中には、信憑性の薄い情報や不安をあおるような内容もありますが、育児を実りあるものにしてくれる「正しい知識」もちゃんと存在します。
泣き叫ぶ我が子も、
- なぜイヤイヤ期があるのか
- なぜ癇癪を起すのか
「孤育て」「ワンオペ育児」という言葉が象徴しているように、1人で奮闘しているママが多い時代だからこそ、自信をなくしたときの補強材として、質のいい子育て知識を活用してほしいと思います。はじめから完璧なママなんていません。悩むたびに知識を補強しながら、子育てを磨いていけば、全てのつまずきも意味あるものへと変身し、育児が実りあるものになります。
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