高校受験

1日10分!勉強習慣は「やる気」と「やり方」でつくる

「うちの子、やる気が出ないみたい」……。このように勉強は「やる気が大切」「やる気にさせなければ」と思っている方が多いと思います。確かに、子どもが自分で進んで勉強するようになるためには、「やる気が大切」です。一方で「やり方が大切」という意見もあります。実は、どちらも必要なのです。やる気が出る、正しい勉強のやり方をお伝えします。

伊藤 敏雄

執筆者:伊藤 敏雄

学習・受験ガイド

「勉強をやらせる」という発想を捨てる

子どもが自分が進んで勉強する子になる勉強体質のつくりかた

子どもが自分が進んで勉強する子になる勉強体質のつくりかた

「勉強をさせれば学習習慣は自然と身につく」と思っていませんか?

実は、そうではありません。

子どもに学習習慣を身につけさせたいのであれば、まずは「勉強をやらせる」という意識を捨てましょう。

子どもが自分で進んで勉強するようになるためには、親も子も、勉強に対する心構え(=マインドセット)を変える必要があります。

それは、勉強は「やらされるもの」ではなく、「努力や工夫をして身につけるもの」という意識です。

そのために大切なことは、勉強に対する「やる気」と「やり方」です。

「やる気」が先か?行動が先か?

「うちの子、もう少しやる気があれば‥‥」
このように勉強は「やる気が大切」と思っている方が多いと思います。

確かにやる気は大切ですが、やる気に関して意外と知られていないことがあります。それは「やる気が先で、行動(勉強)は後」ではなく、実は逆で「やる気は後で、行動が先」ということです。

では、やる気は重要でないのかというと、そう単純な話ではありません。どんなに効果的な勉強法(学習メソッド)でも、本人が目的意識もなく、ただなんとなくやっているだけでは、効果は期待できません。

まず、勉強にとって一番大切なことは、「やればできる」という自信を持って取り組むことです。「やればできる」は、文字通り「何かに挑戦してみて、実際にできた」という成功体験の積み重ねがもととなります。

そのためには、実際にやってみて、できるようになる効果的な勉強法(学習メソッド)が必要となります(詳しくは、ガイド記事「問題集は読め!0からわかる中学・高校のテスト勉強」を参考)。

例えば、子どもが漢字の小テストのための勉強をしなければいけないとします。その時、あなたは子どもにどのようなアドバイスをしますか。

よくあるのが、
・漢字ドリルをやりなさい
・書き取りをしなさい
と何かを”やらせて”しまうケースです。

確かに、漢字の小テストのために「何か」をしなければいけないでしょう。しかし、その「何か」を、子どもに丸投げしてしまってはうまくいきません。

「やればできる」という自信をつける

そんな時は、一緒になって「漢字ドリルを読んでみる」ようにしましょう。漢字の「読み」を答える問題なら、「建国の父→けんこくのちち」「海辺で遊ぶ→うみべであそぶ」と、子どもと一緒に答えを言ってみるのです。

書きを答える問題は、空書き(そらがき)と言って、「建→いち、にい、さん、‥‥」「海→いち、にい、さん、‥‥」と指で書いてみます。

漢字の勉強は、このように「答えが言える」「指で書ける」ようになれば、「できた(覚えた)」ということになります。

1日10分でかまいません。このように「何かを覚えた(できた)」という経験の積み重ねこそが大切なのです。

正しく、効果的な勉強の「やり方」が重要

勉強で重要なのは、「やってできた」という達成感が味わえることです。「答えを言ってみる」「指で書いてみる」ことによって、実際に漢字の読み書きができるようになった、という成功体験が重要なのです。

実際、このように勉強することで、漢字の小テストの点数は格段に上がります。また、「漢字の勉強は、こうやって答えを言ってみたり、指で書いてみたりすることで、できるようになる」という見通しが立つことも重要です。

「正しい勉強のやり方をすれば、自分も勉強ができるようになる」という体験は、勉強に対する意識を変えることになります。それは、「勉強はつまらなくて意味がないものだ」という意識から、「勉強はちゃんとやればその分、成果につながるものだ」という意識への変化です。

成功体験の積み重ねが「やる気」へとつながる

こうした体験の積み重ねが、「やればできる」という自信や勉強に対する心構え(=マインドセット)にもつながります。

勉強に対して効果的なやり方が大切だということがわかると、勉強そのものに対する姿勢も変わってきます。それが、勉強に対するやる気となって現れるのです。「やる気は後で、行動が先だ」というゆえんはここにあります。

このように、「やってみる→できる→またやろう」というサイクルができると、子どもは自分で進んで勉強するようになります。ですから、勉強はやる気だけでなく、やり方も重要なのです。いや、むしろ、やり方の方が重要かもしれません。

できることからはじめ、楽しみながら続けることで、伸びる!

しかし、そのやり方を子どもが身につけるまでの道のりが意外と険しいのが問題です。ですから、最初のステップである「やってみる」という部分を、まずは答えを言ってみたり、指で書いてみたりといった、誰でもできる簡単なことから始めることがポイントです。

できることから「はじめる」、楽しみながら「続ける」、ふり返ることで「伸びる」という3つのステップで勉強していくとで、自分で勉強ができる子へと変わります。

このように、子どもが勉強体質へと変わる方法を、ガイドの新刊『勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた(主婦の友社)』にまとめました。詳しく知りたいという方は、ご一読あれ。

■ガイドの新刊
勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた(主婦の友社)

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問題集は読め!0からわかる中学・高校のテスト勉強

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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