屋根の形状は敷地の条件や間取りに関わる
新しい住まいを考える際には、外観デザインにこだわりを持つ方も多いでしょう。外観イメージを左右するポイントのひとつが屋根。雨や雪、直射日光など、厳しい自然環境から住まいを守るとともに、その形状は外観デザインに大きく影響するものです。屋根形状には、切妻や寄棟など、いくつかの種類がありますが、デザイン性だけでなく、間取りはもちろん、敷地の形状や条件などによって決まってくるもの。屋根の高さや勾配(傾きの角度)は、建築基準法の隣地斜線制限や北側斜線制限なども関わってくるので、プランニングには、専門的な知識が必要です。希望の形状があるのであれば、早めに設計担当者に伝えておくことが大切でしょう。
主な屋根形状の種類と特徴
■切妻(きりづま)すっきりとした屋根形状でモダンな外観に。[玄関引戸 エルムーブ16型] LIXIL
用い方にもよりますが、デザインが単調に感じたり、屋根面の向きによっては、太陽光発電システムの発電効率が悪くなるケースもあります。
■寄棟(よせむね)
どっしりとした風格のあるデザインが魅力。[玄関引戸 エルムーブ14型] LIXIL
棟部分が複雑なので、初期費用、メンテナンス費用がかかる場合も。屋根裏のスペースが小さくなること、屋根面の大きさにもよりますが太陽光発電システムのパネルが設置しにくいこと、などがデメリットでしょう。
■方形(ほうぎょう)
軒先を設けたデザインで広がりのある外観に。 [外装材 カーレ(シェルホワイト)+フレス(ライトベージュ)] YKK AP
■片流れ(かたながれ)
シャープな雰囲気の都会的な外観デザイン。[外装材 ヨコ張りスタッコ(シェルホワイト)+カーレ(ダークベージュ)] YKK AP
ひとつの面で雨を受けるため、雨どいのプランや外壁など雨の対策には配慮が必要。特に軒先のないプランなど、雨仕舞(材料の選択、施工などにより雨漏りを防ぐ方法)は充分に検討することが大切です。
■陸屋根(ろくやね)
風格と重厚さを生み出すスクエアなデザイン。[玄関ドア グランデル2] LIXIL
屋根の形状や勾配は、雨漏りなどへのリスク、工事費用にも関わる
屋根素材や施工などによっても異なりますが、基本的には、複雑な屋根形状よりは、シンプルな形状が雨漏りのリスクは低いもの。検討する際には、屋根の形だけではなく軒先の長さなども含めて雨漏りへの対策、リフォーム時の施工関しても配慮することが大切でしょう。また、屋根の形状や勾配によって、用いる屋根材の数量や施工性などが異なるため、工事費用も大きく変わります。一般的にシンプルな形状の切妻屋根よりも、四方向へ傾斜する寄棟屋根の方が費用は高くなるもの。軒の出が深く、急勾配で、屋根の重なりが多いとそれだけ費用はかかります。住まいに対する優先順位を明確にした上で、全体の費用を考慮することがポイントです。
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