株式戦略マル秘レポート/戸松信博の「海外投資、注目銘柄はここ!」

VIX指数【恐怖指数】を投資に活かすには?

2018年は株式市場のボラティリティーが高まっています。恐怖指数と言われるVIX指数【恐怖指数】も2015年のチャイナショック以来の水準まで高騰しました。今回はこの利用法についてみてみます。

戸松 信博

執筆者:戸松 信博

外国株・中国株ガイド

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VIX指数【恐怖指数】とは何か?

恐怖指数としても知られるVIX指数。今回はVIX指数を利用した投資戦略について考えてみたいと思います

恐怖指数としても知られるVIX指数。今回はVIX指数を利用した投資戦略について考えてみたいと思います

VIX指数【恐怖指数】は市場関係者の心理を表す恐怖指数ともいわれているものです。VIX指数の正式名称はThe Chicago Board Options Exchange SPX Volatilityといいます。日本語ではシカゴ商品取引所SPXボラティリティーインデックスとなります。

SPXとはS&P500種のこと。S&P500種とは米国の全主要業種を代表する 500銘柄で構成される、米国の代表的な株価指数です。いわば米国株の代表的な値動きを表す指数の1つです。そして、ボラティリティーとは株式などの価格の変動率や変動性を指します。つまり、VIX指数とは米国株の変動率が大きいか小さいかを先読みして取引される指数(インデックス)です。

将来、値動きが大きくなるであろうと予想されるときに大きく上昇しますので、みんなが急激に不安になったり、逆に急激に強気になって大きく株価が変動すると予想される時に大きく上昇するものです。したがってVIX指数が急激に上昇するときは、急激に相場が上下のどちらかに振れる可能性が高いと見なされるときであり、だからこそ、市場関係者の心理を表す指数ともいわれているわけです。特に2008年のリーマンショック後の暴落では、過去の値動きからは信じられない90まで指数が上昇しましたので、有名になりました。リーマンショック前までは、どんなに上昇しても50に到達しなかったのに、です。

そしてこの指数がここ数年は下値を切り下げ続け、急騰することもなくなったのであまり注目されていませんでしたが、2018年2月には2015年のチャイナショック以来の水準まで急騰し、再び話題を集めています。

VIX指数【恐怖指数】を投資に活かすには?

VIX指数は普段は底を這うような動きになって、時折急騰するという特徴があります。特にここ1~2年は、好経済と低インフレ、緩和的な金融政策によって、いわゆるゴルディロックス相場となっており、ボラティリティーが小さい方に賭ける人が多く、VIX指数も底値を切り下げる状況でした。

しかし、通常のVIX指数は底を這う状況が続くことが多いので、何かショックがあっても時間をおけば、再び底を這う展開に戻ることが予想されます。

投資戦略としてはVIX指数が底を這うことを予想して(ショックが発生しないことを予想して)、VIX指数が安定したときに緩やかに下がっていくETNが米国に上場されていますので、これを空売りしておくというのが1つの戦略です。ショックがあった場合は株価が上がりますが、ショックがなければ株価は緩やかに下がり続けていく傾向があります。

たとえば下記のようなETNです。
iPathS&P500VIX短期先物ETN(証券コード VXX)
iPathS&P500VIX中期先物ETN(証券コード VXZ)

米国上場の株式を空売りというのはなんとも難しいように見えますが、たとえばCFD世界最大手のIG証券などではこれらの銘柄も取り扱っており(おそらくCFDの取引銘柄数でIG証券を超える証券会社はないと思います)、レバレッジをかけた売買が可能です。なお、IG証券の株価指数CFDの場合、日経平均やニューヨークダウの取引が24時間可能で有り、売りからも入れるので、下落相場でも利益獲得を狙えます。

以上、VIX指数【恐怖指数】を投資に活かすには、様々な金融商品への取引が可能であることと、売りから入れることが1つのキーワードとなってくると思います。

参考:米国株通信

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