投資の目的はお金以外にある?
投資の目的は、お金を増やすことに決まっていますね。お金を増やして、老後の不安を無くしたい、マイホームを手に入れたい、子供の学費に備えたいと、動機はさまざまですが、お金を増やすためにやっています。しかし投資には、お金を増やすこと以外にもメリットがいくつかあるのです。私は、それらを大別して「投資が鍛える5つの力」と題しました。投資というトレーニングは、私たちの内面の5つの能力を開発し、高めてくれるのです。それは、健康に若々しく年を重ねることに寄与してくれるのです。
想像力をたくましくする
投資は、現状を分析し、未来への仮説を立て、それを検証する作業です。ですから、想像力がとても大事。単に想像するだけでなく、その想像が的中したか妄想に終わるかまでを、この目で確認できるのですから、格好のトレーニングとなります。想像を繰り返すことで、想像力は広がり、実現性も高まることでしょう。投資家の脳の中は、70歳を過ぎても、無限に開発されていきます。記憶力を増強する
現状を分析して仮説を立てる際、必要となるのが記憶力です。歴史を知っていたり、過去の体験を覚えていたりするから、未来への仮説が立てられるのです。投資には絶対的に記憶力が必要です。もし現在、記憶力が弱いと心配する人がいても心配ありません。お金を増やすという強力な動機に突き動かされた行動は、自発的に記憶力を高める工程に進んでいきます。たとえ、それが手痛い損失の記憶だったとしても、飛び上りたくなるほど歓喜の記憶だったとしても、どちらも投資家の能力を高めてくれます。
忍耐力を高める
投資をすることで、お金が直線的に増えることはありません。必ず、押し目や戻り、下落があります。そこを乗り越えないと、お金は大きく増えないのです。ですから、投資には難局や、停滞、暴落を耐える忍耐力が必要です。いったん耐えてお金が増えることを学ぶと、人はさらに忍耐ができるようになります。体験によって、忍耐力を高めていくという意味でも、投資は最高のトレーニングなのです。比較力を磨き上げる
方針を定めて、いざ投資をする段になって大切な力が、比較力です。広告宣伝や営利的なキャッチにまどわされず、本質的に良い金融商品を選ぶには、公平な比較を怜悧に行わないといけません。豊富なデータを収集する力、それを合理的に比較するための基準づくり、比較対象を絞り込む力など、比較力には複数の能力が必要とされます。一回でうまく比較できなくても、一回ごとに比較した結果を検証することで、比較力は、磨かれて改善していきます。その知恵は、ビジネスでもショッピングでも威力を発揮してくれます。
感情抑制力を身につける
最後になりますが、能力の最大の敵は自分の感情です。好き、嫌い、勝ちたい、怖い、凍りつくなど、すべての心の動きは、投資にとって障害です。能力があっても、感情を制御できない人は投資で勝てません。自分の感情にもてあそばれない、感情の暴走を抑えることができる、どんなときも平常心で冷静な判断ができる。そんな風に自分を成長させてくれる力が、感情抑制力なのです。ここまでいかがでしたか? ご納得いただけたでしょうか? 投資をすることが、お金を増やしながらも、能力を磨き、脳を活性化して、若さを保つトレーニングだとしたら、これこそ現代日本人にとって必須ですね。日本人の最大の不安は、下流老人になること、そして老後の悲劇は認知症になることですから、投資はその両方を解決してくれる「百薬の長」だと思います。明るい未来を支えるために、みんなで投資をしましょう!
ただし、自己陶酔的な投資や、ギャンブルのような投機は、歯車を逆回転させる魔力(お金が人生の質をおとしめる危険)を秘めていますから、ご注意ください。ご心配な方は、専門家やメンターなどの同伴者を持つことをお勧めします。
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