マーベル作品を最大限楽しむにはどの順番で観るべき?
2018年3月1日より、スーパーヒーロー映画『ブラックパンサー』が公開されます。(C)Marvel Studios 2017
この『ブラックパンサー』、“同一世界のヒーローの活躍を描く”作品群の1つであることをご存知でしょうか。ここでは、その作品群をおさらいしつつ、それらを観たことがない、また『ブラックパンサー』の前に何を観ればよいのかわからない、という方に向けて、おすすめの観る順番などを紹介します!
<INDEX>
1:マーベル作品の時系列は? 最大限に楽しむ方法はこれだ!
2:「この作品から観てもまったく問題なし」な3作品はこれだ!
3:後回しにしても良い作品はこれだ!
4:『ブラックパンサー』のための“最短距離”の観る順番はこれだ!
5:その監督の映画を観ておくともっと楽しめる?
まとめ:マーベル作品のハードルは決して高くない!
1:マーベル作品の時系列は? 最大限に楽しむ方法はこれだ!
『ブラックパンサー』を含む、この“同一世界のヒーローの活躍を描く”作品群はマーベル・シネマティック・ユニバースと呼ばれており、もう10年も続いています。それまでもマーベル(コミックのブランド名)ヒーローの実写映画は作られてはいましたが、2008年公開の『アイアンマン』を皮切りに“続きもの”としてフランチャイズ化をすることで、人気も作品のクオリティもうなぎ登りとなっていったのです。
これまでどのような作品が作られてきたのか、そのタイトルと公開年を、“フェイズ”をいう区切りごとに一覧にすると以下になります。
【フェイズ1】
1:『アイアンマン』2008年公開
2:『インクレディブル・ハルク』2008年公開
3:『アイアンマン2』2010年公開
4:『マイティ・ソー』2011年公開
5:『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』2011年公開
6:『アベンジャーズ』2012年公開
【フェイズ2】
7:『アイアンマン3』2013年公開
8:『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』2013年公開
9:『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』2014年公開
10:『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』2014年公開
11:『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』2015年公開
12:『アントマン』2015年公開
【フェイズ3】
13:『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』2016年公開
14:『ドクター・ストレンジ』2016年公開
15:『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー: リミックス』:2017年公開
16:『スパイダーマン:ホームカミング』:2017年公開
17:『マイティ・ソー バトルロイヤル』:2017年公開
18:『ブラックパンサー』:2018年3月1日公開予定
19:『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』:2018年4月27日公開予定
20:『アントマン・アンド・ザ・ワスプ(原題)』:アメリカでは2018年7月6日公開予定
(以降も続く)
先に結論を言ってしまいましょう。マーベル・シネマティック・ユニバースを最大限に楽しむには、シリーズ第1作目『アイアンマン』を最初に観て、以降もこの公開年順に順番で観るのがおすすめです。
(C) 2008 MVLFFLLC. TM & (C) 2008 Marvel Entertainment. All Rights Reserved.
マーベル・シネマティック・ユニバースは、『スター・ウォーズ』シリーズのように“後から前の話を描く”ということもなく、公開年順と作中の時系列順はほぼ一致しています。それぞれの作品で、“あの時はこうだったな”と関連性が示されていたり、作品を追うごとにヒーローキャラクターが成長していったりもするので、やはり“順番に観てこそ”の面白みも存分にあるのです。
※『スター・ウォーズ』については以下の記事も参考にしてください。
『スター・ウォーズ』シリーズはどの順番で観るべき?
しかし……「多いよ!」「今からこんなにたくさん観られない!」と思った方もいるのではないでしょうか。何しろ、これまで公開された作品だけでも17作品、全てを網羅するには連続して観たとしても35時間以上も必要なのですから、躊躇してしまうのは当然です。
しかし、ご安心を。このマーベル・シネマティック・ユニバースには、いくつか「この作品から観てもまったく問題なし!」な作品もあるのです。そちらも紹介しましょう。
2:「この作品から観てもまったく問題なし」な3作品はこれだ!
マーベル・シネマティック・ユニバースの中で、「この作品から観てもまったく問題なし!」であり、かつ作品としての評価も高い作品を、『アイアンマン』以外で3つに絞ると以下になります。(1)『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』
銀河のはみ出し者がヒーローチームを結成し、銀河を股にかけ大冒険! 音楽がノリノリで楽しい。メンバーの一員である“しゃべるアライグマ”がかわいい!
(C)2014 Marvel. All Rights Reserved.
(2)アントマン
体長約1.5センチのヒーローが大活躍! “小さくなった体から見た世界”の描写が楽しい。他のヒーローたちは超大金持ちだったり神様だったりするけど、彼はさえない中年フリーターなので感情移入しやすい。
(C)Marvel 2015
(3)ドクター・ストレンジ
高慢な性格の医者がヒーローとして目覚める。 ドラマ『SHERLOCK/シャーロック』などで女子人気も高いベネディクト・カンバーバッチ主演。天地がひっくり返ったような映像表現が圧巻!
(C)2016 Marvel. All Rights Reserved.
マーベル・シネマティック・ユニバースをどれから観ればよいのか?という疑問の答えをシンプルに述べるのであれば、『アイアンマン』からシリーズを順番に観るか、または『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』か『アントマン』か『ドクター・ストレンジ』の中から初めに観る作品を好みで選べば良いということです。
それぞれ違ったタイプの面白さがある作品ですし、基本的にエンターテインメントに振り切っている作風なので子どもから大人まで、性別も問わず、まさに老若男女が楽しめることでしょう。
3:後回しにしても良い作品はこれだ!
一方で、初めに観るにはおすすめできない作品もあります。それは、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』と『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』の2作です。『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』は、『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』と『アベンジャーズ』の鑑賞を前提とした展開がたくさんあるため、先に観てしまうと理解しにくいところが多いのです。
(C)2014 Marvel. All Rights Reserved.
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』は、キャプテン・アメリカというヒーローの内面がさらに深掘りされており、かつ今までのヒーローたちが“仲間割れ”をしてしまうという内容です。そのため、少なくとも『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』の3本を予習してから観たほうが良い内容と言えるでしょう。
(C)2016 Marvel All rights reserved.
他にも、ヒーロー単独の“続編”となっている作品も、なるべく先に「1」に当たる作品から観たほうがいいでしょう。具体的には『アイアンマン2』と『アイアンマン3』と『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』と『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』と『マイティ・ソー バトルロイヤル』を先に観るのはあまりおすすめしません。
さらに、「ヒーロー総出演!」な内容の『アベンジャーズ』『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』も、なるべく今までのヒーローの活躍を観ていたほうが楽しめます。「もうみんな彼らのことを知っているよね!」な感じで、ほぼ説明はなく物語が進んでいくのですから。
ちなみに、シリーズ2作目の『インクレディブル・ハルク』は、大人の事情でヒーロー役の俳優が交代してしまったため、今観ると「違う人になっているんだけど……」と違和感を覚えてしまうのかもしれません。他作品との関わりも薄く、作品としての評価も高くはないので、こちらも後回しでいいでしょう。
4:『ブラックパンサー』のための“最短距離”の観る順番はこれだ!
では、2018年3月1日公開『ブラックパンサー』を楽しむためには、どうすればいいいのでしょうか。結論から言えば、(前述した『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』と『アントマン』と『ドクター・ストレンジ』と同様に)『ブラックパンサー』はヒーローが単独で活躍する作品であるため、おそらくは無理に今までの作品群を観ていなくても十分に楽しめるでしょう。(筆者はまだ『ブラックパンサー』を観ていないので、断定はできませんが)
しかし、ブラックパンサーというヒーローが、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』ですでに登場していることは無視できません。
実は『スパイダーマン:ホームカミング』においても、スパイダーマンというヒーローが『シビル・ウォー』ですでに登場していたため、そちらを“観たことを前提とした”展開があったのです。
(C)Marvel Studios 2017. (C)2017 CTMG. All Rights Reserved.
以上のことを踏まえ、『ブラックパンサー』を最大限に楽しむための“最短距離”の観る順番は以下になります。
1:『アイアンマン』
2:『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』
3:『アベンジャーズ』
4:『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』
5:『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』
6:『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』
そして『ブラックパンサー』!
それでも道のりは遠いようにも思えますが、いずれにせよ『アイアンマン』を最初に觀ておけば間違いはないでしょう。
5:その監督の映画を観ておくともっと楽しめる?
このマーベル・シネマティック・ユニバースの作品群は、近年でさらに評価を上げて来ています。それは、実力派の監督を呼び、かつその監督の作風を存分に作品に生かしている、ということにもあるようです。例えば、2017年の『マイティ・ソー バトルロイヤル』は、『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』というコメディ映画でも発揮された監督のセンスが全開で、シリーズ随一のクスクス、ゲラゲラ笑って楽しめる快作に仕上がっていました。
(C)Marvel Studios 2017 All rights reserved.
(C)2013 OG Project, LLC. All Rights Reserved.
(C)2015 METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC. AND WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.
若干31歳とは思えないほどの卓越した映像センス、論理的に整理されたドラマの構築力は折り紙つき。そして、その監督作品に溢れる優しい視線……もう「『ブラックパンサー』が傑作になることは間違いない!」と断言できるほど、実力派の監督なのです。
ぜひ、『ブラックパンサー』の前に『フルートベール駅で』と『クリード チャンプを継ぐ男』も観ておくこともおすすめします。どちらも「誰が観ても心にズシンと残る」ほどの名作なのですから。監督の“作家性”を知ってこそ、映画がもっと面白くなる、ということも往々にしてありますよ。
まとめ:マーベル作品のハードルは決して高くない!
『アイアンマン』から始まったマーベル・シネマティック・ユニバースのヒーローたちは『アベンジャーズ』で合流&共闘を果たし、その後も物語の風呂敷をどんどんと広げていきました。そのおかげで、作品ごとに“つながり”を感じることができるばかりか、ヒーローキャラクターにさらに厚みが増していくという、シリーズを追いかければ追いかけるほど楽しくなる、愛着が増すというエンターテインメントになっているのです。
しかしながら、エンタメ性が抜群ということもあり、そのハードルが高いということは決してありません。さらに、前述したように「この作品から観てもまったく問題なし!」な作品もあるのですから、“気軽に観る”という選択もしやすくなっています。
ぜひぜひ、『アイアンマン』からシリーズを順番に観るか、または『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』か『アントマン』か『ドクター・ストレンジ』からマーベル作品の魅力に触れてみてください!