チャンスに備え、精神的なゆとりをくれる「ゆとり貯蓄」
運命や巡り合わせ、チャンスといったものは、突然やってくるものです。「ずっと欲しくて探していたものに出会ってしまった」「少しお金はかかるけど、素敵なお誘いがあった」「長めの休みが取れることがわかって、旅行に行けそうだ」――そんなとき、どうするでしょうか。よくよく考えてみたら家計はカツカツ。チャンスを生かせるほどのお金がまったく手元になかったとしたら……。貯蓄がなかったがために、せっかくのチャンスを無駄にしてしまうことになるのは、非常にもったいないと思いませんか。
仮に貯蓄があったとしても、一人暮らしや結婚するために貯めているお金、家を買うためのお金、子どもの教育資金……そういった目的がある貯蓄なら取り崩すことは避けたいもの。いや、取り崩してまでこのチャンスを手に入れるべきかどうか……やっぱりそんなことできないよな……なんて迷っているうちにチャンスは逃げていきます。
欲しかった物は売り切れになり、「返事がなかったから、ほかの人を誘っちゃった」と誘いは白紙になり、仕事を休めるはずが「やっぱり出社して」と言われ……せっかくのチャンスは跡形もなく消えてしまうのです。
そんなことにならないよう、何にでも使えるお金=「ゆとり貯蓄」を持っておくこと。これで、人生の幅がぐっと広がります。
融通がきく「黄色」の貯蓄を増やしておく
では、「ゆとり貯蓄」をどのように貯めたらよいのでしょうか。以前の記事「貯蓄は「赤」「青」「黄色」の3つにわければ失敗なし」では、お金は信号の赤青黄色のように、3つの場所に分けておいておくことをおすすめしました。生活費を入れる「青」の口座、そして使う目的が決まっている「赤」の口座、そして、臨機応変に何にでも使える「黄色」の口座。この「黄色」の口座で、「ゆとり貯蓄」として増やしておくことで、ここぞというチャンスがやってきたときに手に入れることができるのです。
「黄色」の口座にお金がしっかり入っていれば、いざチャンスが訪れてお金が必要になったとき、目的が決まっている「赤」の残高が減るわけでも、生活費の「青」のお金を減らすわけでもありません。「黄色」の口座に入れる「ゆとり貯蓄」は、人生をより豊かにするために非常に大切なお金なのです。
「ゆとり貯蓄」は自動的に貯めていく
とはいっても、お金には限りがあります。日々生活費、そして目的に応じた貯蓄(例えば来年の帰省費用や旅行費用、一人暮らしや結婚のための費用、車を買うための費用、教育資金、住宅購入の費用等)が最優先になるでしょう。いつ必要になるかがわからない「ゆとり貯蓄」は、どうしても後回しになりがち。「そのうち、余裕ができたら……」なんて思っていると、「ゆとり貯蓄」ができるより前に、先に思いがけないチャンスがやってきてしまいます。
そこで、自動的に貯まる仕組みを作っておきましょう。例えば、自動積立定期預金を月に1000円や5000円などと設定しておき、自分が何も考えなくても勝手に貯まるようにしておくのです。また、最近は月に100円などの自動積み立てで、投資信託を買えるネット証券もあります。
「ゆとり貯蓄」の一部を投資信託※の積み立てにして、じっくり積み上げていくのもよいでしょう。100円でスタートしてみて、積立投資の感覚を掴んでから、月1000円、1万円などと増やしていくのも手です。※投資信託には値下がりリスクもあります
「ゆとり貯蓄」が増えていけば、いざというときのチャンスを生かせるだけでなく、精神的なゆとりも生まれます。何かあったときに、「このお金があるから大丈夫!」と思えれば、いろいろなことにチャレンジができるのではないでしょうか。
貯蓄は、短期間の努力ではどうにでもなりません。思い立った今から少しずつ、「ゆとり貯蓄」をはじめてみませんか?
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