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「起業」は全額自己資金で始めたほうが良い?

これは私の個人的な持論なのですが、起業するときは全額自己資金で始めた方がよいと考えています。

午堂 登紀雄

執筆者:午堂 登紀雄

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起業は自らの力で

これは私の個人的な持論なのですが、起業するときは全額自己資金で始めた方がよいと考えています。特に「出資するよ」という誘いには要注意です。というのも、やはりどうしても出資者の影響を受けることになり、自由度が下がるからです。

私も以前、出資を受け入れたことがあります。最初の頃は、いろいろ取引先を紹介してくれるなど、本当に応援してくれていました。しかし、リーマンショックの影響で業績が悪化してから風向きが変わります。不動産仲介業から足を洗った後も、「早く何かもっと儲かる事業を始めろ」みたいな催促をしてくるし、会社が赤字でも配当金を要求してくる。赤字や欠損を抱えての配当は違法配当だし、そもそも会社にお金がないのに、ない袖は振れない……。

もちろん、会社を傾けさせたのは私自身であり、配当できない責任も私にある。だから私は自分のお金をつぎ込んででも存続に力を入れてきたわけですが、やはり限界はある。それに、苦しい時に支えてくれるどころか、自分のお金だけは取り戻したい、自分の利益は確保したいというのは人間の本性でしょう。それは非難できない。だから私は今後も、ビジネスは誰の資金援助も受けずにやるつもりです。

これはベンチャーキャピタルなどのエクイティファンドも同じで、多くの場合はファンドの人間が役員として入ってきます。そうでない場合でも定期的なレポートは必要で、やはりああしろこうしろと口を出してくる。まあ、口を出すというのはうがった見方で、善意でアイデアや戦略を授けてくれるわけで、もちろんそれは売上・利益を拡大させ、会社の価値を上げるためではあります。

また、大手や競合に巻き返されないよう、急速にシェアを取っていかなければならない場面もある。そんなとき、お金や人材を含めた外部資本を注入し、一気に拡大するほうが事業戦略としては正しいでしょう。が、やはり自分の思い通りにできないこともある。私の場合、最も優先したいのは、「自分が楽しいかどうか」なので、やはり好き放題できるほうがいい。

また、借金をする際も要注意で、特に栄枯盛衰の激しい飲食店など、もし失敗した時に借金が残り、再起が難しくなることも避けなければなりません。私の周りでも、勉強会やパーティーなどで知り合った飲食店経営者で今は消えてしまった人も少なくありません。

私自身、かつてお台場でエステサロンを経営していたときは、全額自己資金でオープンしました。借金がなかったからこそ、それが失敗して撤退したときも、負の遺産を残すことなく、すぐに別事業で復活できました。

私の友人も、最初は15坪ほどの小さな店舗を賃貸し、次は居抜き店舗(前の事業者の内装造作や設備などをそのまま引き継ぐこと)を借り、そこでノウハウを積んでから、公庫で借金して銀座に店を構えるまでになりました。もちろん、「この事業、この場所は絶対当たる!」という確信があれば問題ないと思います。

とはいえ、やはりどうなるかわからない部分もあるので、最初は規模が小さくても、なるべく自己資金を入れて、できる限り借金を抑えて始めるほうが良いと思っています。

前述のとおり、競合他社が参入してくる前にシェアを取るため、ファンドの資金を得て一気に拡大する必要がある場面もあるでしょう。特にITビジネスなどにはそういう側面があります。自分の力だけではできないことが、個人投資家や金融機関のおかげでできるということもあると思います。

私の知人も、個人投資家の応援を受けて保育施設の開業にこぎつけ、夢の実現に一歩近づいたと言います。それは人それぞれの考え方次第。私の考えが正しいわけでもなく、万人に当てはまるわけでもありません。
自分はどういう生き方、事業の進め方をしたいのか、会社をどうしていきたいのか、自分が最も満足できる方法を取ればよい。

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