「みんな一緒」と思わない方がいいこと、逆に思った方がいいこと
貯蓄がニガテな人から、「みんな一緒だから」という言葉をよく聞きます。実は「みんな一緒」と思うと、貯蓄に失敗するケースがあることをご存じでしょうか。 今回は、上手に貯蓄をしたい人に向けて、「みんな一緒」と思わない方がいいこと、そして逆に「みんな一緒」と思った方がいいことについてお伝えします。まず、「みんな一緒」と思わない方がいいこととは、どんなこと?「みんな一緒」と思わない方がいいこととは?
- 「みんな貯蓄をしていないみたいだし」は危険!
ガイド西山はお金が貯まる人にも多く取材していますが、「この貯蓄額、お友達はご存じですか?」と聞くと、「いえ、全く知りません」という方が大多数。お金をしっかり貯めていても「いや、お金なんて全然ないよ」と、周りの話題に合わせているのです。
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査【単身世帯調査】」(2020年)によると、同じ「30代一人暮らし」&「年収300~500万円未満」(※)という人でも、貯蓄が0円の人(22.5%)もいれば、貯蓄が1000万円以上ある人(8.4%)もいて、実にさまざまです。
※30代一人暮らし&年収500~750万円未満の場合は、貯蓄0円の人は15.6%、貯蓄1000万円以上は28.9%です。一部ガイド西山がデータから再計算しています。
周りの貯蓄額を聞いても、あまりアテにはならないと思っておきましょう。人生は人それぞれ。必要になるお金も人それぞれ。周りに流されずに、自分の人生に必要なお金に目を向けたいですね。
- 「みんな、子どもを(塾や習い事に)通わせているし」も危険!
「みんな通わせているから」といって同じように我が子を通わせていると、身の丈をはるかに超えた出費になるケースもあるからです。
我が子の状況や家庭での考え方に沿って決めることが第一。周囲の話は参考程度にしておきましょう。
- 「お給料はみんな同じくらいだし」も危険!
ですが、「みんな同じ」と思って、安心している人がいたら要注意。なぜなら「うちは退職金(または手厚い年金)が出ない会社だから」と、老後に備えて準備を始めている人もいれば、「退職金(または手厚い年金)が出なくても、みんな気にしていないし」と、貯蓄0円の人もいるからです。両者は数十年後、大きな差が出るはずです。
同じくらいのお給料でも、住まいにお金がかかる人もいれば(一人暮らしではマスト)、そうでない人もいます(実家に住めたり、実家を譲りうけることができたり、住宅ローンを実は完済していたり)。
出費もそれぞれ異なりますので、職場の人の感覚に合わせるのではなく、自分自身が必要なお金について考え、準備していきたいですね。
逆に「みんな一緒」だと思った方がいいこととは?
一方、お金を貯めるうえで「みんな一緒」と思った方がいいこともあります。- 「将来もらえる年金が減りそう」はみんな一緒だから
将来のお金の準備として、「定年退職後も月々何かしらで収入が得られるよう、趣味や特技を磨いておこう」、「個人型確定拠出年金(iDeCo)で今のうちから積立を始め、節税をしながら老後資金を準備しておこう」といったことも大きな対策になります。
でも、iDeCoを始めることにハードルを感じる場合は、まずは小さな金額で投資の準備を始めておくのもおすすめです。今は月々100円で投資信託の積み立てができるネット証券もありますので、100円ずつで始めてみて、投資の仕組みを知っておくのもよいでしょう。
- 「税金や社会保険料が上がる」のはみんな一緒だから
税金や社会保険料などの負担が増えることがわかっていれば、少しでもムダな出費を見つけて削り、月々の余力を持たせておきたいもの。さらに、収入を増やす方法(スキルアップのほか、ちょっとした副収入を得る、積立投信などで投資を始める等)にトライするのも大切です。
以上、「みんな一緒」と思わない方がいいこと、逆に「みんな一緒」と思った上で対策を立てた方がいいことについてお伝えしました。自分でできることがあれば、気持ちを切り替えて早めに対策を! ぜひ、できることから始めてみてください。
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