派手さが増したアルファード、マイルドになったヴェルファイア
マイナーチェンジしたアルファード/ヴェルファイアに試乗したので紹介したい。今回大きく変わったのはフロントのデザイン。普通のマイナーチェンジだと「お化粧直し」程度の変更ながら、アルファードもヴェルファイアも最小限の変更ながらけっこう雰囲気を変えている。一段と派手さを増しているのがアルファード。逆にヴェルファイアは若干マイルドになったこともあり、写真の如く「ドヤ顔」度はいい勝負となったように思う。これまで派手なヴェルファイアの方がアルファードより販売台数多かったけれど、マイナー後は良い勝負になるかもしれない。
旧モデルでは弱点だった乗り心地は大幅改善!
乗り心地も圧倒的に良くなった。現行モデル、デビュー直後から「乗り心地が硬い」と不満出たため、途中でダンパーを変更。すると柔らかくなってしまい、これまた評判イマイチ。開発チームの方にも乗り心地に対する文句が届いていたという。今回のマイナーチェンジの大きなテーマだったそうな。そこでボディ剛性を上げるため接着構造を採用。さらにダンパーに使われているバルブを変更して初期の動きを改善している。結果どうか? 私は乗り心地に敏感で、ダメなクルマだと買ってすぐ変更するほど。もちろん今までのアルファードは論外のアウツ。けれどマイナー後のモデルならOK。
新旧モデルを街中で乗り比べると、道路が良くなったように感じるほど。それでいて高速巡航時の安定性やコーナリング時の操縦安定性なども十分に確保されている。パワフルな3.5リッターV6エンジン搭載車で元気よく走っても全く問題無し。良い足に仕上がったと思う。
そうそう。3.5リッター車はアイドリングストップ機能が加わっている。信号待ちでエンジンがかかっているなんて時代遅れ。大幅に対応が遅れていたトヨタながら(レクサスを含めV6エンジン搭載車はアイドリングストップ付き皆無)、やっと対応してきた。実用燃費も10%程度向上するという。
自動ブレーキと車線キープ機能が全グレードに標準装備
今回最大の「進化点」である自動ブレーキは当然ながら試す機会無し。参考までに書いておくと、どうやら世界最高水準だと考えてよさそう。停止している車両にブレーキ無しで接近したケース、普通の路面条件なら55km/hくらいまで自動停止する実力を持っているという。また「車両の陰から歩行者が出てくる」という試験モードも、マツダや日産は45km/hまで停止可能で、現在世界TOP。されどアルファード/ヴェルファイアから採用されたトヨタの新世代自動ブレーキは50km/hで止まれる性能を目標にしたという。JNCAPの公的な試験が楽しみ。
自動ブレーキ用の高性能センサーは運転補助にも活かされている。バージョンアップしたレーダーで先行車などを検知。解像度の高いカメラで車線を認識し、車線キープ機能を持たせた。日産と同じく車速10km/hまでは連続してハンドル制御を行い、それ以上の速度だと車線キープアシスト機能を持つ。
車速100km/hでセットすると、アクセルとブレーキは自動(先行車がいたら自動減速)。ハンドルを軽く触れているだけで車線の中央をキープしてくれる。ロングドライブも全く苦にならない。自動ブレーキと車線キープ機能は全てのグレードに標準装備される。欲しいと考えているなら迷う必要無し!