正月三が日……縁起をかついで、やってはいけないこと
日本人の暮らしに息づくタブーは数多いですが、諸説を検証してみましょう!
そもそも三が日とはいつのことか、松の内との違いはなにか?などの基礎知識を解説しつつ、 代表的な「三が日のタブー」をご紹介します。
<目次>
そもそも正月の「三が日」とは?
「実用日本表現辞典」で「三が日」の意味を調べると、次のように記されています。つまり、三が日とは、1月1日、2日、3日の3日間のことをいいます。慌ただしい大晦日から一夜明けるとお正月に。不思議なくらい新鮮な気持ちになります。正月の元日から三日まで。新年を祝賀する期間で、事実上の祝日となっている
1日(元日)は家族そろってお屠蘇やお雑煮、おせち料理でお祝いをします。最近は少しずつ変わってきてはいますが、三が日の間に、初詣や書初め、お年玉を贈るなど、お正月ならではの特別な行事が執り行われます。
「正月」「三が日」「松の内」の意味の違い
松の内の間は門松を飾っておきます
また「松の内」とは、年神様がいる期間。住む地域によって変わりますが、一般的に1月7日まで(地方によっては10日、15日の場合も)、お正月飾りである松飾り(門松)を飾っておきます。
諸説ありますが、今回は代表的な6つをご紹介したいと思います。
正月三が日のタブー1:掃除をしてはいけない
水仕事全般がタブー
同じ意味で、キッチン、バス、トイレの掃除、そして洗濯も神様を水で洗い流すことになるので、縁起が悪いのです。水仕事全般がタブーにあたります。
掃除のような根拠はありませんが、「元日にお布団を干してはいけない」、昔ながらの風習も残っています。年の初めには歳神様がこられるので、忙しく家事などせず、ゆっくり休んでお出迎えしなさい……ということなのでしょう。
正月三が日のタブー2:刃物を使ってはいけない
この理由にも、いくつか説があります。「三が日に刃物など使わなければ、この1年を無事に健康で過ごせる(もし切ったりして怪我をしては大変!)」、「包丁で切ることは、縁を切ることにつながってしまう」、「三が日の間は包丁も使わないで休ませてあげる」など……。
三が日は、お雑煮、おせち料理と前もって作り置きしたものをいただき、台所仕事をせずにゆっくり休むようにとも考えられますね。
住む地域によっては、自分の身体の一部である爪を切ってしまっては、家族との縁も切れてしまう……というジンクスもあるそうです。
正月三が日のタブー3:火を使う煮焚きをしてはいけない
火の神としてまつられる「荒神様」を怒らせないように煮焚きはNG
かまどなど、火を使うところには、火の神としてまつられる「荒神様(家の中心にあって家人を守護する)」がおられます。正月早々に火を使うと、その「荒神様」は怒ってしまいます。
せめて三が日ぐらいは、火を使わずに、「荒神様」を休ませてあげるための風習だといわれています。
正月三が日のタブー4:四足(よつあし)歩行の動物の肉を食べてはいけない
四足とは、漢字の通り、4本の足を持って歩く動物。「豚」「牛」「馬」が代表的ですね。仏教の教えからきている(殺生禁止)、天武天皇が僧侶の肉食禁止令を出した、など、理由はいろいろ考えられます。一昔前のおせち料理では、当然肉を入れるのは避けられていました。地域によっては、「豚」「牛」を食べない風習が残っているようですが、現在は気にせずに食べている場合が多いです。神経質になりすぎるのもよくありませんが、二本足の「鶏」は例外ですから、気にされる方は鶏肉を食べてください。
正月三が日のタブー5:ケンカをしてはならない
皆が新しい年を良い年にしたいと願うのが年の初めです。実際ケンカをしたところでその年が最悪の年になるとは限りませんが、1年の運勢が決まる大事な時に争いなどして、悪い運気を植え付けたくないという考えから生まれた、縁起かつぎともいえます。正月三が日のタブー6:お金を使ってはいけない
せめて元日は、お賽銭くらいに留めておくのがよいでしょう
大事なのは、この1年浪費せず、お金の使い方を考え、先を見据えてしっかり計画するようにと自らを戒めること。2日からは早速初売りセールが始まるご時世ですが、少なくとも元日は初詣のお賽銭までに留めておくのが無難でしょう。
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