「よ~く洗いなさい」では子供に伝わらない

子供は真剣に洗っているつもりでも……

子供は真剣に洗っているつもりでも……

「子供が言うことを聞いてくれない」「一から十まで言われないと分からない」これは、2歳の子のママでも、5歳の子のママでも、そして中学生の子のママでも悩む、子育て中ずっと続く難題です。

しかし、ママが発している指示を聞くと、そこには、「あいまい語」が列をなしていていることがよくあります。ママが使いがちな「あいまい語」とは? 子供に伝わる指示の出し方とは?

上手な指示出しをマスターし、余計なイライラや親子げんかを防いでいきましょう。


強く叱っているのに、何回も注意しているのに、なぜ伝わらない?

私はふだん、10歳くらいまでのお子さんを持つママからのお悩みを聞くことが多いのですが、多くの方が、「子供が言うことを聞かない!」と悩んでいます。

そして、時々うかがう10代の子のママの悩みも同じ。「うちの子、ちっとも言うことを聞かないんです!」と仰います。子育ての悩みは、子供の年齢に応じ変わっていくものですが、「言うことを聞かない」は、子育て中、ずっとつきまとう共通の悩みのようです。

ママにしたら、「なぜこんなに繰り返し怒られているのに、分からないのか」とイライラするばかり。何回もしつこく言っても、大声で怒鳴っても、強い言葉で言っても、変化なし。

「きちんとしなさい!」
「しっかりやりなさい!」
「人の話をよく聞きなさい!」

と口を酸っぱくして、繰り返しているのに、なぜ……?


親子間のギャップを生む「あいまい語」とは?

でも、このおなじみのフレーズ、もう一度よく見てみてください。「きちんと」「しっかり」と言っても、どれくらいが「きちんと」で、どれだけやれば「しっかり」なのでしょう?

「きちんと歯を磨きなさいよ」
「しっかりスミズミまでやるのよ」
「よくやらないと虫歯になるからね」

ママがこれだけ言ったら、子供はママの期待通りに、歯を磨き上げることができるのでしょうか?

人それぞれ、解釈の仕方は違います。しかも、ママが口を酸っぱくして言うことというのは、決まって、子供たちにとっては「めんどうなこと」。歯磨き、着替え、片づけ、宿題などは、できればやらずに済ませたいというのが、子供の本音かもしれません。

ママが何も言わなくても積極的な姿勢を見せる、テレビやゲーム、おやつなどとは、存在が違うのですね。そんなタスクにたいし、「きちんとやりなさい」とだけ言われたら、子供たちは、ママの期待度よりもずっとずっと低いレベルでも、「まぁ、これくらいでいいや」と自分にOKサインを出したくなってしまいます。

ここで、親子間のトラブルになりがちな「あいまい語」の例をいくつか挙げてみましょう。

「帰ってきたら、きれいに手を洗いなさい」
「ほら、お客さんが来るから、部屋をちゃんと片づけて」
遠くには行っちゃだめよ」
夕食までには帰ってきなさいよ」
時計を見なさい!」

いずれも、太文字が、「あいまい語」です。こんなフレーズ、言っていることありませんか?


母子間の理解のギャップを最小限に

ママは、繰り返し同じ指示を出しているうちに、使っている言葉があいまいになってしまうことがあります。自分の中では、「きちんと」「しっかり」が定義できているばかりに、伝わるだろうと感じてしまうのです。

ママの期待と子供の解釈にギャップがあると、「ちっとも言うことを聞いていないじゃないの!」という展開になりやすいので、「どこまで達成したらOKなのか」「どこを超えたらNGなのか」が子供に伝わるように、分かりやすく提示していきましょう。

「帰ってきたら、きれいに手を洗いなさい」ではなく、
「せっけんがヌルヌルしなくなるまで流して」や「手をゴシゴシしながら10数えるよ」と何を達成すべきかを伝えます。

「ほら、お客さんが来るから、部屋をちゃんと片づけて」ではなく、
「ほら、お客さんが来るから、この本をあの本棚に、レゴは全部バケツに入れて」と具体的にやるべきことを加えます。

「遠くには行っちゃだめよ」ではなく、
「〇〇公園の中だけで遊びなさい」「ここから、〇〇さんの家の前までで遊びなさい」と具体的な距離感を伝えます。

「夕食までには帰ってきなさいよ」では、子供はお腹がすくまで夢中になって遊んでしまいます。なので、「17時までには家に戻りなさい」「学校の5時のチャイムが鳴ったら帰宅だよ」と子供に具体的な帰宅時間を伝えます。

「時計を見なさい!」も時計が読めるようになると、つい言いたくなる言葉ですが、読めても、時計を見て行動できるわけではありません。なので、「今、7時20分だよ。〇〇しなさい」と具体的な行動も一緒に伝えるようにします。

ママは大人で、子供は子供なので、互いの理解度のギャップをゼロにするのは難しいかもしれません。でも、分かりやすい表現を使えば、限りなくゼロに近づけることは可能です。子供が既に知っている「色」「物の名前」「数字」などに落とし込むと、子供に伝わりやすい表現になります。


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※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。