筋トレ・筋肉トレーニング/筋トレを始める前の基礎知識

あなたのお腹に今日も脂肪がたまるシンプルな理由

年を重ねていくと、お腹周りに脂肪がついた、いわゆる「おじさん体型」になりやすくなります。厚生労働省の調査によれば、30~40代の3人に1人が肥満とされています。それでは、なぜ加齢とともに脂肪がたまりやすくなっていくのでしょうか? 3つの視点から解説していきます。

森 俊憲

執筆者:森 俊憲

筋トレ・筋肉トレーニングガイド

男性のお腹が脂肪でたるんでいく理由とは?

お腹

ぽっこりお腹は1日にしてならず

人の体型の変化について、同窓会や結婚式で久しぶりに会う同級生や同期の目はとてもシビア。「アイツ、ずいぶん太ったなぁ」「うそ、全然体型が変わらないね!?」といった会話は様々なシーンで聞かれるものではないでしょうか。

実際、年を重ねていくと、お腹周りに脂肪がついたいわゆる「おじさん体型」になりやすいのは事実。厚生労働省の調査によれば、30~40代の3人に1人が肥満とされています。

それでは、なぜ加齢とともに脂肪がたまりやすくなっていくのでしょうか?
今回は3つの視点から解説していきます。


ピーク時から190kcalもダウン!加齢とともに基礎代謝量が落ちていく

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ビールジョッキ1杯分のカロリーが燃焼されずに…

私たちは、じっとしているときにも、体温を維持したり、内臓を動かしたりするためにエネルギーを必要とします。生命を維持するために最低限必要なエネルギーを「基礎代謝量」といいます。

個人差はあるものの、基礎代謝量は、1日の消費エネルギーの約60%程度を占めており、加齢とともに徐々に減少していきます。

厚生労働省提供のデータによれば、15才~17才の男性の基準代謝量は、1日あたり1570kcal。一方で50才~69才の男性は1380kcal。基準値の単純比較だけでも、その差はなんと、190kcalです。

これは、厚めの食パン1枚分、あるいはビールの中ジョッキ1杯分のカロリーに相当します。

この基礎代謝の低下が、「昔より食事の量は減らしているのに、やせない」という原因となりうるのです。


基礎代謝の低下の原因ともなる「筋肉量の減少」はなぜ起こる?

そして、基礎代謝の低下を招く原因の1つが、筋肉量の減少です。

先ほどのデータを参照すると、70キロのヒトの部位別の1日あたりのエネルギー代謝量(安静時)は、骨格筋が1日あたり370kcalであるのに対し、脂肪組織は70kcal。脂肪が消費するエネルギーは、筋肉の5分の1にも満たないのです。

筋肉量が減って脂肪が増えてしまった場合、思い立って運動を始めても、活動時のエネルギー代謝量も低下しています。

結果として、1日の総エネルギー消費量が減って、「昔よりやせにくく、ますます脂肪をためこみやすくなる」という悪循環が起こることが想定されます。


筋肉量低下を引き起こす運動不足は30~40代が深刻

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30~40代の運動不足は深刻

筋肉量の減少のスピードには個人差があるものの、その大きな原因の1つが運動不足です。

中でも30代~40代の運動不足は、深刻。

1回30分以上の運動を週2回以上実施し、1年以上継続している男性の割合は、30代では18.4%、40代では20.3%と、20代以上の全世代平均35.1%を大きく下回っています。

働き盛りであることに加え、家庭での責務も増え、運動する時間を持てない男性が多いのでしょう。

中には体を使った仕事を通じ、自然と鍛えられている方もいるのでしょうが、デスクワーク中心で運動する習慣がない場合、筋力は衰えていく一方となります。

「筋肉量」に着目すべき理由

これまで説明してきてお気づきの方もいらっしゃると思いますが、今回お伝えした3つのファクターは密接につながっています。

運動不足→筋肉量の減少→基礎代謝の低下→余剰エネルギーが脂肪として蓄えられる……という連鎖が起こり、いわゆるお腹ぽっこりの「おじさん体型」ができあがっていくのです。

高い脂肪率は、単に「メタボ腹」を引き起こすだけでなく、健康面にも深刻な影響を与えますし、老後の生活の質にも関わることです。

加齢と運動不足で失いつつある筋肉量を、維持または増加させるためのトレーニングをすることが、肥満予防の第一歩となります。多忙な日々であっても自宅で簡単にできる筋トレメニューを取り入れつつ、今日摂取したカロリーを「翌日に持ち越さない」ことを意識して頂きたいと思います。


【参考】
e-ヘルスネット(厚生労働省提供)

平成28年「国民健康・栄養調査」の結果 - 厚生労働省


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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※個人の体質、また、誤った方法による実践に起因して体調不良を引き起こす場合があります。実践の際には、必ず自身の体質及び健康状態を十分に考慮し、正しい方法で行ってください。また、全ての方への有効性を保証するものではありません。

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