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犬にはちみつをあげても大丈夫?注意点とメリット【獣医師監修】

【獣医師監修】健康な成犬であれば、少量のはちみつは食べても大丈夫とされています。ですが、子犬や免疫力の落ちている犬はボツリヌス菌による中毒症状が出る恐れあり。はちみつ入りヨーグルトなどのお菓子やメープルシロップを与える際の注意点もチェック!

いちかわ あやこ

執筆者:いちかわ あやこ

犬ガイド

犬にはちみつを与えても大丈夫?中毒の危険性は?

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健康な成犬なら、少量のはちみつは食べてもOK。

健康な成犬であれば、はちみつを食べても大丈夫です。ただし、大量に与えることや子犬に与えることは避けましょう。犬にはちみつを与えると健康に対して期待ができることはあるのか、具体的にお伝えします。
   

犬にはちみつを与えるならボツリヌス菌の危険性を考え少量に!

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子犬はボツリヌス菌で中毒を起こす可能性も。

健康な成犬であれば、少量のはちみつを口にしても問題ないとされています。ですが、はちみつに含まれるボツリヌス菌で中毒を起こすと命の危険も考えられます。

また、ボツリヌス菌の“芽胞(がほう)”と呼ばれる休眠状態の菌は、腸内で育つ性質があります。腸の常在菌が整っている状態であればボツリヌス菌の芽胞による中毒は出ないとされています。

横浜市衛生研究所のホームページによると、ボツリヌス菌の芽胞は加熱しても生き残ってしまうため、腸内環境が未成熟である子犬や、体調不良で免疫力が落ちている犬には与えないようにしましょう。

昨今、健康への働きが注目されているマヌカハニーの犬に対する中毒の報告は現在ありません。ですが、犬がマヌカハニーを食べることで健康にどのように働きかけるか証明できる文献も現在は存在していないようです。

はちみつ同様に使われることの多いメープルシロップも犬に与えても問題ありませんが、栄養成分のほとんどが糖質なので、肥満予防のためにも与えすぎないようにしましょう。

※メープルシロップにはボツリヌス菌は含まれていません。
 

はちみつに期待できる栄養効果はエネルギー補給と便秘解消

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犬がはちみつを食べると健康にいいことは?

“はちみつにはビタミン・ミネラルが豊富に含まれている”と書かれていることもあります。産地や蜜源となる花の種類によって栄養成分に差はあるものの、食品成分表によると糖質以外の栄養素は少量または含まれていないとされています。

犬がはちみつを食べた場合の健康への働きについて、明確な研究発表は存在していないようですが、期待できる働きを2つご紹介します。

・素早いエネルギー補給に
はちみつには、ブドウ糖をはじめとする糖類が多く含まれています。ブドウ糖は脳や赤血球などに必須のエネルギー源でもあるので、健康ではあるけれど少食の成犬や、食べムラがある成犬のごはんのトッピングに少量加えてみることもいいかもしれません。

・腸を潤し、便通を整える
東洋医学の考えでは、はちみつは乾燥を和らげるとされています。腸の潤いを補うことも期待できるので、便が硬くなっている成犬のケアに取り入れてみてもいいでしょう。
 

はちみつによる犬のアレルギー、薬との食べ合わせは?

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はちみつと犬の病気やアレルギーとの関係は?

どのような食材でも、良い面と良くない面を持ち合わせています。はちみつを避けた方がいい犬はいるのか、はちみつと相性の悪い薬はあるのか、飼い主としては気になるところ。犬の食生活・健康管理の講座も開催している獣医師の丸田香緒里先生(Animal Life Partner代表)にお伺いしました。

「はちみつは糖質を補給する目的で少量だけ与えるのであればおすすめできますが、それ以外の栄養成分等の補給はあまり期待ができません。インターネット等で謳われている抗菌効果、抗がん作用や歯周病のケアなどは、ミツバチが作るプロポリスやローヤルゼリー(ロイヤルゼリー)と混同されている可能性があります。

はちみつとの相性を気にしなければいけない病気や薬は特にありません。犬が薬を飲みたがらない時にはちみつを絡めて飲ませる方法は、糖質の摂りすぎになることもあるのであまりおすすめできません。

はちみつ自体に対するアレルギーに関して、現在報告はありません。ですが、はちみつに花粉が含まれてしまう可能性もゼロではないため、蜜源になる植物や花粉に対するアレルギーを持っている犬は、アレルギー反応を起こすことも考えられます。

病気や老化によって犬の食欲が極端に低下している場合、はちみつの甘味によって食欲がそそられることもあります。大量に与えることはおすすめできませんが、ごはんの風味付け程度に少量取り入れてみてもいいでしょう。」
 

犬の体重別、1日に与えていいはちみつの量の目安 

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1日与えていいはちみつの量の目安。画像をクリックすると拡大されます。

上記の表を参考にして、与えすぎないように注意してください。食物アレルギーはどのような食材でも反応する可能性があります。初めての食材を与える時は必ず少量ずつ与え、体調に変化がないか様子を見てくださいね。
 

犬に与えても大丈夫なはちみつと避けた方がいいはちみつ

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人間用に加工されたものは、原材料をよく確認して判断しましょう。

はちみつを使ったレシピや、犬用おやつがたくさん販売されています。正しく選べば犬に与えても大丈夫なものもあれば、犬には避けておいた方がいいものがあります。

・はちみつ入りクッキー、ボーロ
ペットショップで売られている犬用のはちみつ入りのクッキーやボーロは、健康な成犬であれば与えても大丈夫です。人間向けのはちみつ入りクッキーは、犬用のおやつと比べて砂糖や脂肪が多く含まれていることが多く、太りやすくなることもあるので与えない方が安心です。

また、犬用の手作りクッキーのレシピにはちみつが書かれていることもあります。はちみつを入れないとクッキーが作れないということはないので、心配な場合は除いて作っても良いでしょう。

・はちみつ入りヨーグルト
無糖プレーンヨーグルトに少量のはちみつを入れただけであれば、健康な成犬に与えても問題ありませんが、与えすぎないように量を調整してください。

・はちみつ漬けレモン
レモンの皮に含まれるソラレンという成分によって、嘔吐、下痢、皮膚炎や気分の落ち込みといった症状を起こす可能性があります。ソラレンは加熱によって減少するという説もありますが、念のため犬には避けておいた方が安心です。

・はちみつキャンディ
キャンディは溶けるまでに時間がかかるので、食べ物を丸飲みすることが多い犬は喉に詰まらせ窒息する可能性があります。糖質が多く、肥満に繋がりやすくなることも考えられるので犬には与えないようにしましょう。
 

犬にはちみつを食べさせても大丈夫?まとめ

  • 成犬であればはちみつを食べさせても大丈夫だが、与えすぎないようにする
  • ボツリヌス菌の中毒を起こすことがあるので、子犬には与えない
  • 糖質の補給には使えるが、その他の栄養成分の補給はあまり期待できない
  • はちみつ漬けレモン、はちみつキャンディは犬に与えることは避ける


【執筆協力】
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丸田香緒里 獣医師

丸田香緒里 獣医師(Animal Life Partner 代表)
日本大学卒。動物病院勤務後、飼い主様にもっと近い存在になりたいと思い「人も動物も幸せな生活が送れるためのサポート」をモットーにAnimal Life Partner設立。ペット栄養管理士など様々な資格を取得し、病院での診療や往診の他、セミナー講師やカウンセリング、企業との製品開発など活動は多岐にわたる。
ホームページ:http://animallifepartner.com/
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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