夫婦のダブル不倫でも、女性は男性に怒る
自分が細心の注意を払って上手に隠しているから、相手は脇が甘いと感じるのだろうか。
多くの女性が「夫は脇が甘い。こういう男は不倫する資格ナシ!」と一刀両断している。不倫というものに関して、男女の意識が明らかに変わってきていると実感する。
妻と夫のダブル不倫……本気度が違う?
そもそも妻たちに、夫への罪悪感はほとんどない。「私が婚外恋愛しているのは、本当に好きな人に出会ってしまったから。夫とは関係ないところで始まっているので、罪悪感を抱く理由がないんです」
チアキさん(43歳)はそう言う。前職で出会った同世代の彼とは5年前に知り合ったのだが、恋愛に発展してからは3年ほど。お互いに配偶者や家族にバレないよう細心の注意を払っている。会えるのは月に1回程度だ。
「私はめったに連絡もとりませんし、連絡したら即削除。ものすごい緊張感をもってます。ところが夫は飲み過ぎて部下とホテルへ行って、ウキウキとLINEなんかして履歴もそのまま放置。しかも、スマホの暗証番号は、娘の誕生日だったんですよ。よくもそのスマホで若い女性とデレデレやりとりできるなと呆れます!」
チアキさんは、夫の謝罪が信じられず、夫の了解のもとGPSを入れた。夫がどこにいるか一目瞭然である。
「別に確認なんかしませんよ、いちいち。それほど夫に興味があるわけでもないので(笑)。ただ、家庭にはきちんと責任をもってほしい。高校生と中学生、むずかしい年頃の子どもたちがいるのでね」
一方で、自身は恋愛をやめる気はさらさらないという。
「だって私はこれ以上ないくらいの自制心のもと、必死に恋愛しているんですもん。夫のチャラい恋愛とは違うので!」
なるほど、と思わず頷いてしまったが……。
男性は恋愛と結婚を分けて考えられない?
女性は肉体関係を持つと浮気でも本気になってしまうと言われてきたが……?
もうひとり、同じ立場の女性の話も興味深い。40歳になるモモカさんだ。3歳になる一人娘と5歳年下の夫との3人暮らし。
「夫とはできちゃった結婚です。職場では私が先輩で、結婚したので夫は違う部署へ異動になりました。給料も学歴も私のほうが上だけど、夫はそういうことにコンプレックスを抱かないタイプなので、生活していくにはベストパートナーですね」
一人娘を中心に家族は回っている。家事も育児も、夫のほうが負担が大きいが、モモカさんが仕事に重心を置いているため、夫は快く引き受けてくれているという。
「それで不倫してるっていうのもちょっとは申し訳なく思っているんですが、あまりに素敵な人なので恋せずにはいられなかった。年齢は7歳年上。大人の男性ですね」
1年あまりの関係だが、「ずっとこのままつきあっていこう」とお互いに決めているそうだ。ただし、絶対に誰にも知られないように……。
「ところが先日、夫の浮気が発覚したんです。どうやら独身時代につきあっていた人らしく、彼女の離婚相談に乗っているうちに、ついそんなことになってしまった、と。『あなたが優柔不断な態度をとるから、そういうことになるんでしょう』『どうして自分には家庭があると断れなかったの』とさんざん責めてしまいました。夫は『元カノがあまりに落ち込んでいて、自棄のように酒を飲んだんだ。それで酔っ払って気持ちが悪い、ホテルへ連れていってと言われて』って。アホかって話ですよね。そういうときはタクシーに押し込んで帰せばいいでしょうと言ったら、かわいそうでひとりにできなかったって。そういう態度だと、どこまでもつけ込まれるよと脅しておきました」
モモカさんは、自分の目の前で元カノに電話をかけさせ、今後、相談には乗るけど男女の関係はもたないと宣言させた。そして電話を代わり、「もし男女の関係をもつようなことがあったら訴えますから」とだめ押しした。
「夫は情に流されるんですよね。このままにしておくと気持ちまでもっていかれるだろうから先手を打ちました。会うのをやめろというほど夫を管理する気はないところが私のいいところでしょ、と夫にも言ってやりました。まあ、ふたりはそれ以来、会ってもいないようですけど」
妻から電話でばしっと言われれば、相手の女性だって会いづらい。そこを考慮して自分の器の大きさを見せようとするのがモモカさんのやり方なのだろう。
「私は恋愛と結婚をきちんと分けて考えています。学生時代の友だちにも不倫している女性はいますが、みんなちゃんと分けてる。大事な家庭を壊すようなことはしません。でも男は分けて考えられないんですかねぇ」
女性のほうが結婚と恋愛を割り切っているのか
みんながそうだとは言わないが、女性たちは変わった。恋愛したら本気になる、だから女性は不倫などできないといわれたのはもう昔のことなのだ。結婚しても「恋愛」は女性にとって生活上の選択肢のひとつなのかもしれない。【関連記事】