男の子育て/ワークライフバランス・男の育児休暇

実録!東大卒パパが育休を取って主夫になった理由(2ページ目)

東大卒パパが主夫になった理由を解説します。筆者が育児休暇を取った後に会社を辞めて兼業主夫になった背景には、どの様な経緯があったのでしょうか?

堀込 泰三

執筆者:堀込 泰三

男の子育てガイド


2年間の育休生活はスタートしたものの……育児ノイローゼ寸前!?

4カ月健診の写真

4カ月健診へ。右手のシップは育児の勲章、腱鞘炎

当初、私はシュフ業を完全になめていました。
「空いた時間に読書でもしたりー、昼ドラ見たりー」などと、本気でルンルンしていたのです。ところが、実際に始まってみるとビックリ仰天!

息子と遊び、おむつを換え、ミルクをあげ、泣けばあやし、散歩に出かけ、お風呂に入れて、料理をしてとするうちに……一日があっという間に過ぎていくのです。

寝る前に思い返してみても、今日一日何をしていたのかよくわかりません。「かと言って、ボーっとしていたわけではないんだよ」。そう言い訳をしようにも、昼間は息子と二人っきり。そんな言い訳を聞いてくれる人もいません。

帰宅した妻に、その日にあった出来事を怒涛のように伝える毎日が続きました。でも、妻から返ってくるのは「こうしたほうがいいんじゃない?」というアドバイスばかり。

そうじゃないんだよ。ほしいのは、「大変だったね」というひと言なんだよ……。

そんなわけで、最初の1ヶ月は大変すぎてほとんど記憶がありません。今思えば、育児ノイローゼ寸前だったと思います。


生後3ヶ月の息子の笑顔に胸きゅん

生後3ヶ月の笑顔

生後3カ月、泣いてばかりだった息子が、初めて笑った

そんな生活に、転機が訪れます。息子が3カ月になったころのこと。

笑った!

そう、あの泣いてばかりだった息子が、ニコっと笑ったのです。さんざん苦しかった末に見せられた笑顔。もう、胸きゅん以外の何ものでもありませんでした。この笑顔が、我が家に明るい光を運んできました。

「ツラいことがあっても、この子のためにがんばろう!」そう思えるようになったのです。

その後の育休生活も悲喜こもごもありましたが、おおむね順調に過ぎていきました。

妻の転勤で1年間の渡米!しかし……問題勃発

アメリカのスーパーにて

アメリカのスーパーにて

息子が1歳になったころ、妻の米国転勤が決まります。任期は1年。つまり、私の育休終了と妻の任期満了が一致するので、タイミング的にはばっちりです。迷わず、家族3人で渡米することに決めました。任期が終わったら帰国して、息子を保育園に預けて、私も妻も元の職場に戻ればいいと判断したのです。

米国での主夫生活はとても充実していました。しかし数カ月後にまた問題が発生します。なんと妻の研究成果が認められ、任期が2年間延びてしまったのです。


辞める?それとも別居?究極の選択

涙の別れ

空港で涙の別れ

再び夫婦で話し合いの場を持ちました。選択肢は2つ。どちらかが仕事を辞めて家族一緒に暮らすのか、それとも家族離ればなれの生活を送るのか。

私は前者を主張しました。日々の胸きゅんですっかり育児にのめり込んでいた私です。そのまま退職し、米国に残れば万事解決じゃないかと。

ところが、妻は反対しました。そもそも「2人とも仕事を辞めないためにとった育休じゃなかったのか?」。それに、男性でこれだけ長期の育児休暇をとった事例は珍しいのだから、そのまま会社を辞めてしまうと、次に育休を取りたい男性が取りにくくなるのでは?と。

それは困ると思いました。当時私は、こんなに素晴らしい育休体験をもっと多くの男性にしてもらいたいと思っていたのです。

結局、「やれるところまでやってみよう」と、私が単身で日本に戻り、復職することになりました。

2年間ずっと一緒だった息子との別れがどれほど悲しかったことか? 8年たった今でも、忘れることはありません。

次ページ>> 「復職はスムーズに果たしたけれど……退職に至った理由」

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