男の子育て/ワークライフバランス・男の育児休暇

実録!東大卒パパが育休を取って主夫になった理由(3ページ目)

東大卒パパが主夫になった理由を解説します。筆者が育児休暇を取った後に会社を辞めて兼業主夫になった背景には、どの様な経緯があったのでしょうか?

堀込 泰三

執筆者:堀込 泰三

男の子育てガイド


復職はスムーズに果たしたけれど、寂しさが身に染みる

数年ぶりの一人暮らしは寂しさがつのった

数年ぶりの一人暮らしは寂しさがつのった

復職はスムーズでした。業務内容は少し変わりましたが、すぐに慣れました。

でも、数年ぶりの一人暮らしは、思っていたよりもずっとずっと寂しいものでした。育休中は自分の自由時間が皆無で、それこそトイレに行く時間もコーヒーを飲む時間もなく、自由を切望していたものです。それなのに、すべてが自由時間になってみると、今度はあの束縛が恋しくてたまらないのです。この気持ちは、両方の立場を経験した人にしかわからないでしょう。

息子は2歳になりたて。まだ言葉はあまり話せませんでした。唯一のコミュニケーション手段といえばスキンシップぐらい。スカイプ越しでは、そのスキンシップができない……。息子に触れられない毎日は、あまりにもつらい日々でした。バーチャルでは、あの胸きゅんは得られないのです。


やっぱり家族は一緒がいちばん!

一方の妻はといえば、親戚もいない異国の地で、保育園に預けてフルタイムで働くという生活。しかも、初めての育児で、いきなり魔の2歳児を相手にしなければなりません。肉体的につらかったに違いありません。

2人とも弱音を吐かずに頑張っていましたが、やがて限界が訪れます。別居開始から4ヶ月が過ぎたころ、ほぼ同時に同じ結論に至ったのです。

「こんな生活、もうやめよう」
「やっぱり、家族は一緒がいちばんだよね」

こうして2009年8月、私は6年半在籍した会社を辞めました。


感動の再会のはずが……

感動の再会?

感動の再会!のはずが、妄想とはだいぶ違う展開に

すぐ、家族の待つアメリカへ飛びました。

退職という一大決心をしての再渡米。もう戻る場所はありません。熱くこみ上げるものを感じながら、サンフランシスコ国際空港に降り立ちました。

カートを押しながらゲートを出ると、妻と息子の姿を発見!

手を広げる私の胸元に、2歳の息子が飛び込んできます。熱い抱擁。絵に描いたような感動の再会に、思わず涙がこぼれます。

「そうかそうか。寂しい思いをさせてごめんな。もう離れないよ」

……という妄想は、見事に外れました。

妻と息子は待っていたものの、胸に飛び込んではきませんでした。こちらから歩み寄ると、息子は指をくわえながら不思議そうな顔で見上げています。

このひと、だれだっけ?

すぐに思い出したのか、抱っこはさせてくれたけど、以前のようにくっついてはくれませんでした。

あの2年間の育休の日々は何だったのだろう。あれだけ、濃密な時間を過したじゃないか。抱っこひもで2人、あちこち歩き回ったじゃないか……。

息子を無理やり抱きしめながら、(妄想とは違う展開ではあるものの)用意していたセリフを言いました。

「寂しい思いをさせてごめんな。もう離れないよ」

こうして私は、無期限の主夫になったのです。

かけ足になってしまいましたが、以上が、私が主夫になった経緯です。

育休取得時の会社との交渉や育休生活、アメリカでの子育てやフリーとしての独立など……まだまだ書き足りないことが一杯あります。それらについては、また別の機会に!


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