桃は犬に食べさせても大丈夫!
犬に桃は与えても大丈夫?
桃は犬に食べさせても大丈夫な果物のひとつです。犬は基本的に甘味を好む動物なので、糖質の多い桃を食べて喜ぶことも多いでしょう。
桃を丁寧に洗えば皮ごと食べることもできますが、産毛の感触や皮の硬さを犬が好まないこともあります。桃の皮は消化しやすいものではないので、できれば皮をむいてからあげましょう。
桃の種はとても硬く、とがった部分もあるので、消化管を傷つけたり腸に詰まる可能性があります。また、桃の種の内部にはごく微量ですがアミグダリンという毒素も含まれていますので、種を歯で砕いて飲み込んでしまうことも好ましくありません。
犬に桃を丸ごと与えることはしないで、皮と種は取り除いてからあげるようにしましょう。
<目次>
桃はどんなふうに体にいいの?健康のために期待できること3つ
皮と種は取り除いてから与えましょう
1:おなかスッキリ!
桃に含まれている水溶性食物繊維のペクチンは、水分不足による硬い便を排泄しやすくする働きがあります。
2:水分補給のサポートに
桃の約88%は水分です。水だけではなかなか思うように飲んでくれない犬には、水分補給のひとつとして与えてみるのはいかがでしょうか。
ただし、食物繊維や糖分も多いので、あくまで水分補給のサポートとして使うことをおすすめします。小さく切って水に浮かべて与えてみる、という使い方もいいでしょう。
3:冷房で冷え切った体を温める
東洋医学の視点では、桃は体を温める作用があると言われています。
気温は高い夏でも、日々の冷房で体が意外と冷えていることもあります。そんな時は食材の力を借りて、体を穏やかに温めてみてはいかがでしょうか。
桃を食べない方がいい犬は?薬や病気との食べあわせは?
桃を避けた方がいい犬は?
どのような食材でも、良い面と良くない面を持ち合わせています。桃を避けた方がいい犬はいるのか、桃と相性の悪い薬はあるのか、飼い主としては気になるところ。犬の食生活・健康管理の講座も開催している獣医師の丸田香緒里先生(Animal Life Partner 代表)にお伺いしました。
「桃を特に避けた方がいい体質の犬はいません。
糖分が多くクエン酸も含む為、適切な量を守れば夏の運動後の疲労回復などにおすすめしたい食材の一つです。
強いて避けた方がいい犬を挙げると、なんでも勢いよく食べてしまう犬、誤食の多い犬は、桃を種ごと食べてしまう危険があります。桃の種を誤食してしまった場合、種が胃にある状態でしたら内視鏡で取ることもできますが、腸に詰まってしまうと開腹手術をすることになります。どちらも麻酔が必要になるので、十分に注意しましょう。
桃はカリウムを含んでいますが、その量はあまり多くありません。カリウムが多い食材は腎臓病や心臓病の犬、一部の利尿剤を飲んでいる犬は注意が必要になりますが、桃に含まれるカリウムの量は薬や体質などで避ける必要がないレベルと言えます。
アレルギー検査で「ハンノキ」に陽性反応が出た犬は交差反応(※)が出る可能性があるので、与える際には注意してください。」
(※交差反応:アレルギー反応が出る対象物と分子構造が似ているまたは同じという理由で、別の食材や植物などにもアレルギー反応が出てしまうこと)
犬の間食として取り入れる場合、1日に与えていい量の目安
水分も多く食べやすい桃ですが、食べ過ぎると糖質の取りすぎによる肥満、食物繊維の取りすぎによる軟便を引き起こすこともあります。
上記の表を参考にして、与えすぎないように注意してください。食物アレルギーはどのような食材でも反応する可能性があります。初めての食材を与える時は必ず少量ずつ与え、体調に変化がないか様子を見てくださいね。
桃の缶詰、桃ジュース、桃ゼリー、桃のコンポートは犬に与えて大丈夫?
人間用に加工されたものは、避けるようにしましょう
桃は加工した商品も多く出回っています。加工方法によっては犬の体によくない場合もあります。
- 桃の缶詰
- 桃ジュース
- 桃ゼリー
- 桃のコンポート
犬に桃を食べさせてもいいかのまとめ
- 桃は犬に与えても大丈夫
- 夏の疲労回復、水分補給のサポートにおすすめ
- 桃の種は必ず取り除いて与える
- ハンノキにアレルギーがある犬は要注意
【執筆協力】
丸田香緒里 獣医師
2006年日本大学を卒業後、横浜市内の動物病院に6年間勤務。
飼い主様にもっと近い存在になりたいと思い「人も動物も幸せな生活が送れるためのサポート」をモットーに、2012年Animal Life Partner設立。
病院での診療や往診のほか、セミナー講師やカウンセリング、企業との製品開発など、活動は多岐に渡る。
ホームページ:http://animallifepartner.com/
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