脂漏性皮膚炎とは……症状は赤みのあるガサガサした湿疹
頭皮や顔の皮脂が多く分泌される部分に赤みを伴うガサガサした湿疹が出る脂漏性皮膚炎。中年男性の他、乳児にもよく見られます
かゆみはあることもないこともあります。原因としてはマラセチアという人の皮膚にいるカビの一種が悪さをしていると言われています。マラセチア自体はどの人の皮膚にも住み着いているカビで、通常は皮膚病の原因にはなりません。脂漏性皮膚炎の人の皮膚でもその数は増えていないのですが、マラセチアに対する免疫反応が異常になり炎症を起こしてしまうため、皮膚が赤く、がさがさになると考えられています。
マラセチアが原因となる皮膚の病気としては、他にも癜風(でんぷう)、マラセチア毛包炎があり、いずれもジメジメする夏に胸や背中に出やすい病気です。
これに対して脂漏性皮膚炎は乾燥によりガサガサの症状が悪化するため、冬の方が多い病気です。
脂漏性皮膚炎の症例画像
■成人の脂漏性皮膚炎 皮膚科のクリニックを訪れる脂漏性皮膚炎の患者さんの典型例は、中年男性です。30代以降に多く、女性よりも男性に多いのが特徴です。成人の場合は、上の症例写真のように、眉部、眉間、鼻の周りと皮脂の分泌が多い部分に赤みとガサガサがみられる湿疹が出ます。典型的な脂漏性皮膚炎の分布です。
脂漏性皮膚炎の治療法・皮膚科での処方薬・完治までの対処
脂漏性皮膚炎が体質的に出やすい場合に、完治させるのは残念ながら難しい場合があります。ただし、塗り薬がよく聞きますので、処方薬でいい状態を保つことができます。■ニゾラール(ケトコナゾール、抗真菌剤)
脂漏性皮膚炎のガサガサによく使われるのがニゾラールという塗り薬です。成分はケトコナゾールというカビ(真菌)を殺す抗真菌剤です。ニゾラールにはクリームとローションがあり、クリームは顔のガサガサに、ローションは頭のフケに使われます。毎日塗っても副作用は基本的にないですので、症状が改善した後でも予防に塗ることができます。
■コラージュフルフル(ミコナゾールシャンプー)
このケトコナゾールが入ったシャンプーが海外では脂漏性皮膚炎のフケ対策に発売されています。日本ではミコナゾールというケトコナゾールに似た成分が含まれているコラージュフルフルというシャンプーがドラッグストアで市販されているので、脂漏性皮膚炎のフケ対策として皮膚科のクリニックでも勧めることがあります。フケが塗り薬だけで改善しない場合にはこちらを試してみるのもよいでしょう。副作用なく毎日長期間継続できます。
■ステロイドの塗り薬
ニゾラールは長期間顔に塗っても副作用が出ないため使いやすい薬ですが、頭、顔の赤みが強い場合には炎症を十分に抑えられないことも多いです。その場合には炎症を抑える作用の強いステロイドの塗り薬を数日~1週間程度塗ると効果的です。赤みが治まったらニゾラールに戻す、という使い方がステロイドを長期間塗ることによる副作用を防ぐ上でも有効です。脂漏性皮膚炎の症状がそれほど重度ではなく、赤みが出る度に2~3日ステロイドを塗れば症状が消え、たまに再発する程度の場合には、ステロイド単独で治療することもできます。
■プロトピックス(タクロリムス軟膏)
ニゾラールとステロイドの塗り薬を使っても顔の赤みがすぐに再発する、という場合にはプロトピック(タクロリムスという成分)というアトピー性皮膚炎に作られた薬が有効なことがあります。こちらはステロイドの弱い塗り薬程度の炎症を抑える効果がありますが、長期ステロイドを使った時に出現する皮膚が薄くなる、赤みが目立つようになる、という副作用がありません。プロトピックは塗り始めの最初の一週間程度はヒリヒリした感じがするという弱点がありますが、それも長期間塗っているうちに収まるので、顔が赤くなる症状を繰り返す、再発の多い脂漏性皮膚炎には有効な治療法です。
赤ちゃん・子どもの脂漏性皮膚炎の症状・症例画像・治療法
頭皮の脂漏性皮膚炎は、3ヶ月以下の乳児にもよく起こります。頭皮全体がガサガサして、黄色いかさぶたを伴ったり、じゅくじゅくすることがあります。6ヶ月から1歳になると自然に治まる場合がほとんどなので無治療でも問題はありません。■赤ちゃんの脂漏性皮膚炎の症例画像
こちらの症例画像のように、頭のガサガサが強く出るので、ケアの方法としては赤ちゃん用のシャンプーで毎日軽く洗ってあげるのがよいでしょう。それでも治まらず症状が強い場合は、大人の治療法と同様にニゾラールのローションを使うか、弱めのステロイドのローションを塗ってあげると効果があります。