開幕間近!ビリー役5人へのインタビュー
「“夢をあきらめない”気持ちになれるこの
舞台を観て、元気を持ち帰って欲しいです!」
ビリー役の5人。左から加藤航世、木村咲哉、前田晴翔、未来和樹、山城力 (C)Marino Matsushima
加藤航世(13歳、東京都出身)「僕はバレエのコンクールにたくさん出ていたのがきっかけで、オーディションのお話をいただきました」
木村咲哉(10歳、東京都出身)「一緒にバレエを習っているお兄ちゃんがオーディションを受けることになって、僕も受けようか迷ったけど、ダンスの先生とお母さんが勧めてくれて、やってみようと思いました」
前田晴翔(12歳、東京都出身)「僕はアメリカに住んでいて、NYのアポロシアターのアマチュア・ナイトでヒップホップを踊って、年間グランドチャンピオンになりました。それがきっかけで、今回のオーディションの話を聞いて、バレエは女の人がやるものだと思っていてやったことがなかったけど、どういう感じなんだろうと興味があって、受けました」
未来和樹(14歳、熊本県出身)「知りあいからオーディションのちらしをもらって舞台版のDVDを観たら、ビリーが“バレエを踊ってるときは違う自分になれる“体の中に電気が走ってる気分になる”みたいなことを言っていて、僕も踊ったり歌ったりするときそういう気持ちになるので共感できると思い、受けて見ようと思いました」
山城力(11歳、東京都出身)「僕はシンガポールで暮らしていたとき、舞台のDVDを観て感動したのですが、奇跡的にその2か月後ぐらいに日本でオーディションがあると聞いて、家族を説得して、一人で帰国してオーディションを受けました」
――この1年3か月ほどビリーのレッスンを受けてきて、一番自分が成長できたと思う部分は? また逆に、まだ難しいと思う部分は?
『ビリー・エリオット』17年2月の製作発表で披露された「Electricity」4人バージョン(C)Marino Matsushima
木村「成長したと思うのも、まだだなあと思うのも、バレエです。回るところが最初はできなかったのがだんだんできるようになってきたのですが、傾斜舞台になかなか慣れない。傾斜に慣れてないってことはまだバレエができてないということだと思うので、基礎力を上げていきたいです」
前田「僕も成長できたと思うのはバレエです。全くやったことがなくて、オーディションの時もバレエシューズのかわりにスニーカーで踊ったくらいでしたけど、1年間やって、バレエというものが少し分かってきました。やった人でないとわからないかもしれないけど、ターンしてポーズが決まると、すごく気持ちがいいです。いまだに難しいのは、歌と日本語。アメリカ育ちなので、一年前は本当にちゃんと喋れてなかったと思います。歌ももっと自信が持てるようにしたいです」
『ビリー・エリオット』17年2月の製作発表で披露された「Electricity」4人バージョン(C)Marino Matsushima
山城「全体的に少しずつ克服できてきたと思います。なにより、あきらめない気持ちが身に着きました。みんなすごく真剣にやっているなかで、僕も絶対ビリーになるんだ、という気持ちが高まってきています」
――それぞれ個性の異なるビリーだと思うのですが、お互い、どう観ているでしょうか。まず、加藤君のビリーはどんなビリー?
『ビリー・エリオット』稽古より。写真提供:ホリプロ
――では木村君のビリーは?
(口々に)「(5人の中では一番小柄で)かわいい!」「頭がいい!」「運動神経がいい!」
――前田君のビリーは?
(口々に)「一つ一つのことに感情が入ってる」「ヒップホップを踊るところが、すごくかっこいい」
――未来君のビリーは?
(口々に)「演技と歌が凄くうまい」「(1幕ラストの)アングリー・ダンスにすごく感情がこもってて、感動した」「それまで叫んだりする演技が恥ずかしかったけど、和樹を観て僕もやろうと思った」
――山城君のビリーは?
(口々に)「はじける感じ!」「やる気の塊みたいなビリー!」
――この作品を皆さんに観て欲しい理由を、簡潔に言うとしたら?
『Billy Elliot』英国版の舞台より。PHOTOS OF LONDON PRODUCTION BY ALASTAIR MUIR
未来「普通の小さい町の男の子の話ではあるけれど、周りの環境を打ち破ってでも自分のやりたいことをしたいという気持ちが詰まっていて、元気になれる作品だと思います」
前田「最近、通し稽古が始まって、演技というものがよくわかってきました。1年で僕たちがどれだけ成長したか、全部観て欲しいです」
木村「この作品はビリーの成長を描いていて、ビリーは亡くなったお母さんのことがなかなか忘れられないのだけど、最後に覚悟を決めて、親離れをする。そういうところが印象的です」
加藤「最初はビリーがバレエをすることに猛反対だったお父さんが、ビリーの真剣な夢を知って、体を張って応援する。周りの大人たちの姿も、とても感動的だと思います。それと、僕は自分がまだ伸びしろがあると思って今も頑張っているので、その成果を観て欲しいです!」
*次頁でウィルキンソン先生役の島田歌穂さんインタビューをお送りします!