ミュージカル/注目のミュージカルレビュー・開幕レポート

『ビリー・エリオット』特集!見どころ&インタビュー(2ページ目)

世界各国で80以上の演劇賞を受賞し、1000万人以上を動員している大ヒットミュージカル『ビリー・エリオット』。バレエダンサーになるという夢を抱き、逆境を乗り越えて行く少年と周囲の人々の感動のドラマが、遂に日本に上陸します。その見どころを出演者たちへのインタビューとともに一挙公開!*観劇レポートを最終頁に掲載しました*

松島 まり乃

執筆者:松島 まり乃

ミュージカルガイド


開幕間近!ビリー役5人へのインタビュー
「“夢をあきらめない”気持ちになれるこの
舞台を観て、元気を持ち帰って欲しいです!」

ビリー役の5人。左から加藤航世、木村咲哉、前田晴翔、未来和樹、山城力 (C)Marino Matsushima

ビリー役の5人。左から加藤航世、木村咲哉、前田晴翔、未来和樹、山城力 (C)Marino Matsushima

――皆さんはなぜ、オーディションを受けようと思ったのですか?

加藤航世(13歳、東京都出身)「僕はバレエのコンクールにたくさん出ていたのがきっかけで、オーディションのお話をいただきました」

木村咲哉(10歳、東京都出身)「一緒にバレエを習っているお兄ちゃんがオーディションを受けることになって、僕も受けようか迷ったけど、ダンスの先生とお母さんが勧めてくれて、やってみようと思いました」

前田晴翔(12歳、東京都出身)「僕はアメリカに住んでいて、NYのアポロシアターのアマチュア・ナイトでヒップホップを踊って、年間グランドチャンピオンになりました。それがきっかけで、今回のオーディションの話を聞いて、バレエは女の人がやるものだと思っていてやったことがなかったけど、どういう感じなんだろうと興味があって、受けました」

未来和樹(14歳、熊本県出身)「知りあいからオーディションのちらしをもらって舞台版のDVDを観たら、ビリーが“バレエを踊ってるときは違う自分になれる“体の中に電気が走ってる気分になる”みたいなことを言っていて、僕も踊ったり歌ったりするときそういう気持ちになるので共感できると思い、受けて見ようと思いました」

山城力(11歳、東京都出身)「僕はシンガポールで暮らしていたとき、舞台のDVDを観て感動したのですが、奇跡的にその2か月後ぐらいに日本でオーディションがあると聞いて、家族を説得して、一人で帰国してオーディションを受けました」

――この1年3か月ほどビリーのレッスンを受けてきて、一番自分が成長できたと思う部分は? また逆に、まだ難しいと思う部分は?
『ビリー・エリオット』17年2月の製作発表で披露された「Electricity」4人バージョン(C)Marino Matsushima

『ビリー・エリオット』17年2月の製作発表で披露された「Electricity」4人バージョン(C)Marino Matsushima

加藤「成長したなと思うのは、歌と演技です。まだだなあと思うのは器械体操かな。まだ技が完璧ではないです」

木村「成長したと思うのも、まだだなあと思うのも、バレエです。回るところが最初はできなかったのがだんだんできるようになってきたのですが、傾斜舞台になかなか慣れない。傾斜に慣れてないってことはまだバレエができてないということだと思うので、基礎力を上げていきたいです」

前田「僕も成長できたと思うのはバレエです。全くやったことがなくて、オーディションの時もバレエシューズのかわりにスニーカーで踊ったくらいでしたけど、1年間やって、バレエというものが少し分かってきました。やった人でないとわからないかもしれないけど、ターンしてポーズが決まると、すごく気持ちがいいです。いまだに難しいのは、歌と日本語。アメリカ育ちなので、一年前は本当にちゃんと喋れてなかったと思います。歌ももっと自信が持てるようにしたいです」
『ビリー・エリオット』17年2月の製作発表で披露された「Electricity」4人バージョン(C)Marino Matsushima

『ビリー・エリオット』17年2月の製作発表で披露された「Electricity」4人バージョン(C)Marino Matsushima

未来「例えば(加藤)航世君はバレエが得意だったりと、みんなそれぞれ特徴がある中で、僕は飛び出たものがないから人一倍やらないとと思って、一年間、特にバレエを頑張りました。なのでバレエはずいぶん成長したと思うけど、器械体操はまだ難しいです。あと、演技が初めの頃、形だけになってるよと言われて。それってどういうことだろうなと思ってて、最近やっと、相手の言葉を一つ一つ聞いてビリーの気持ちを考えて、そこからビリーの言葉が出てくるというのができるようになってきました」

山城「全体的に少しずつ克服できてきたと思います。なにより、あきらめない気持ちが身に着きました。みんなすごく真剣にやっているなかで、僕も絶対ビリーになるんだ、という気持ちが高まってきています」

――それぞれ個性の異なるビリーだと思うのですが、お互い、どう観ているでしょうか。まず、加藤君のビリーはどんなビリー?
『ビリー・エリオット』稽古より。写真提供:ホリプロ

『ビリー・エリオット』稽古より。写真提供:ホリプロ

(みな口々に)「バレエがすごくうまい!」「突っ込みが得意で、面白い」

――では木村君のビリーは?

(口々に)「(5人の中では一番小柄で)かわいい!」「頭がいい!」「運動神経がいい!」

――前田君のビリーは?

(口々に)「一つ一つのことに感情が入ってる」「ヒップホップを踊るところが、すごくかっこいい」

――未来君のビリーは?

(口々に)「演技と歌が凄くうまい」「(1幕ラストの)アングリー・ダンスにすごく感情がこもってて、感動した」「それまで叫んだりする演技が恥ずかしかったけど、和樹を観て僕もやろうと思った」

――山城君のビリーは?

(口々に)「はじける感じ!」「やる気の塊みたいなビリー!」

――この作品を皆さんに観て欲しい理由を、簡潔に言うとしたら?
『Billy Elliot』英国版の舞台より、「Electricity」PHOTOS OF LONDON PRODUCTION BY ALASTAIR MUIR

『Billy Elliot』英国版の舞台より。PHOTOS OF LONDON PRODUCTION BY ALASTAIR MUIR

山城「この作品は仲間との信頼とか、家族との絆、夢をあきらめない強さとか、いっぱいメッセージがあるので、観て欲しいです。あと、僕が出るから(観てくださいね)!(笑)」

未来「普通の小さい町の男の子の話ではあるけれど、周りの環境を打ち破ってでも自分のやりたいことをしたいという気持ちが詰まっていて、元気になれる作品だと思います」

前田「最近、通し稽古が始まって、演技というものがよくわかってきました。1年で僕たちがどれだけ成長したか、全部観て欲しいです」

木村「この作品はビリーの成長を描いていて、ビリーは亡くなったお母さんのことがなかなか忘れられないのだけど、最後に覚悟を決めて、親離れをする。そういうところが印象的です」

加藤「最初はビリーがバレエをすることに猛反対だったお父さんが、ビリーの真剣な夢を知って、体を張って応援する。周りの大人たちの姿も、とても感動的だと思います。それと、僕は自分がまだ伸びしろがあると思って今も頑張っているので、その成果を観て欲しいです!」

*次頁でウィルキンソン先生役の島田歌穂さんインタビューをお送りします!
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