第2のサブプライム危機はやってくるか
皆さんごぶさたしています、ロバート・キヨサキです。お金や投資の勉強は進んでいますか?今回はとくに、ペーパーアセット(株式、債券、投資信託などの金融商品)投資に関するお話です。少し難しく聞こえるかもしれませんが、大事なことなので最後まで読んでみてください。
ご存知の方も多いと思いますが、米国の株式市場は過去最高値を更新し続けています。いわゆる強気市場(ブル・マーケット)の状態です。
「すごいなあ、いいなあ」とあなたは思いますか?
金持ち父さんはよくこう言っていました。「強気市場は永遠に続くように見える。そのせいで人々は愚かになり、現状に満足し、いい加減な投資をするようになる」
プロの株式トレーダーたちの多くは、実はこの最高値更新に恐れおののいています。市場が急上昇すると、人間は愚かになるのです。それは2007年に実際に起こったし、米国の金融情報筋の中には再び起こりそうだと報じ始めているものもあります。
2002年、私は著書『金持ち父さんの予言』(邦訳は筑摩書房より2004年に刊行)の中で、史上最大の株式市場の暴落が2016年前後に起こると予測しました。また、より小規模な暴落が2007年近辺に起こることと、テロ活動が活発になることも書きました。後者の2つの予測は現実のものとなった今となっては、史上最大の大暴落が起こらないことを祈るばかりです。
急増する自動車ローン滞納が暴落の原因に?
あまり大きく報道されていないかもしれませんが、米国では自動車ローンの滞納が急増しています。最初のサブプライム危機は住宅ローンでしたが、今度は自動車ローンです。1兆ドル規模とも言われている市場で、またしても貸し手は、借りる能力が不十分な人々に貸し続けたのです。「たかが自動車ローンじゃないか、住宅ローンとはちがう」と思う方もおられるかもしれません。しかし問題は、サブプライム危機の時と同じように、金融機関が少額のローンを束ねて金融商品に仕立て上げ、そこに年金基金などの多額の資金を投資してきたことにあるのです。
ここまで読んで、不安になった方もおられるかもしれません。前回のサブプライム危機では多くの人がパニックに陥りました。そのため市場から多額の資本が引き上げられ、不労所得を生む資産の価格も暴落しました。心の準備ができていなかったので、人々は引き出した現金を握りしめ、「やっぱり投資は危険だ」とばかりに震えていたのです。
投資の基本を守れば、どんな市場でもピンチをチャンスに変えられる
同じ頃、私と不動産投資のビジネスパートナーであるケン・マクロイは大喜びしていました。彼は「金持ち父さんのアドバイザー」の1人で、『不動産投資のABC』の著者でもあります。株式市場と同様に不動産市場も暴落していたので、私たちは多くのアパートを一棟買いし、一軒家を失った人々に住居を提供しました。株式も不動産も「安く買って高く売る」が鉄則ですが、当時は恐怖心が市場を覆いつくし、私たちのようにタイムリーに投資をできた人は少なかったのです。でもそこで投資できた人々は、今では何倍も金持ちになっています。
次のサブプライム危機が来る前に、あなたに金持ち父さんが教えてくれた投資の基本をお伝えしましょう。これらをマスターするのには時間がかかりますが、とてもシンプルな教えです。
1.自分の投資ポジションを知る。
2.自分の投資パフォーマンスを知る。
3.投資について教育を受ける。
4.リスクを下げるためにペアトレードを始める。
5.ペアトレードで投資する。
この5つの投資の基本のそれぞれについては、次回に説明します。今は言葉だけ知っておいてください。市場はつねに動いています。大事なのは、あなたが自分にとってのチャンスを見つける目を育てることです。
今あなたがお金をいくら持っているかは問題ではありません。あなた自身の将来のより良い経済状態のために、今あなたが何をするかが問題です。少しずつでいいので毎日続けることが大事です。お金について楽しく学びましょう!
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ロバート・キヨサキ氏
投資家、ビジネスマン、ベストセラー作家。著書『金持ち父さん 貧乏父さん』にて金持ちがお金について自分の子供たちに教えていること、中流以下の人たちが教えていないことを明かす。労働所得(給料)で生きるのではなく、お金がお金を稼ぎ出す不労所得の重要性を説き、お金教育の一環として『キャッシュフローゲーム』を開発した。
「金持ち父さん」日本オフィシャルサイト
http://www.richdad-jp.com/