恋愛のすれ違いの多くは「誤解」
恋愛でのすれ違いを防ぐには?
極端な例を挙げると、自分勝手な傾向のある人は、相手の立場まで考えられないので、知らない間に相手に不愉快な思いをさせてしまっていることも少なくありません。
でも、それは、相手を傷つけようとしているわけではなく、自分を心地よくする行為で、結果的に相手を傷つけてしまっていることも多いのです。
そんなとき、その人のパートナーは、「どうして彼(彼女)は、私をこんな目に遭わせるのだろう?」「もう私を好きじゃないのかもしれない」なんて思うものですが、そんな思いを抱いて彼(彼女)を責めたところで、相手からしてみると「え?何のこと?」となることも少なくありません。つまり、思いがすれ違っているのです。
相手が自分勝手なタイプでなくても、すれ違いは生じます。大切な人と喧嘩をしたとき、「どうしてこんなひどいことを言うのだろう?」「どうしてこんなひどいことをするのだろう?」なんて思うものですが、実際は、相手を傷つけようとやっていることは少ないもの。むしろ、相手の心の奥にあるのは、「自分を守らないと怖い」という恐怖心から来ていることも多いのです。
口論をして、心無い言葉に傷つけられることもあるでしょう。でも、言っている方は、相手を傷つけたいと思っているというよりは、むしろ、「このままでは自分が攻撃されて、深く傷ついてしまう」という恐れがあるから、反撃をしている可能性が高いのです。
「浮気」についても、似たようなことが言えます。パートナーが浮気をしたら、多くの人が「相手は自分を裏切った。ヒドイ!」と思うものです。でも、浮気をしている当人としては、「裏切ってやるぞ。ざまあみろ!」と思って浮気をする人は、あまりいません。
それよりは、「イイ女(男)がいるぞ!」とワクワクしてしまって、欲望に負けてしまったとき、また「このままでは“男(女)としての自分”が失われてしまうのでは」という恐れや「毎日がつまらなすぎて、ワクワクした刺激がないと自分が壊れてしまう」という恐怖心があるときに、他の異性と関係を深めてしまうこともあるのです。
もちろん、暴言も浮気も許せるかどうかは別にしても、相手が「パートナーを傷つけようとしてやっている」というよりは、「自分のバランスを保つために、自己防衛としてやっている」ことも少なくない、ということは知っていた方がいいでしょう。
だから、話し合いの際、「どうして私をこんなに傷つけるの?」という思いをぶつけたところで、相手にとっては、自分の内側から来る弱さからやってしまった行為である場合は、傷つけるつもりでやったわけではないので、話が平行線になってしまうことも多いのです。
では、パートナーに傷つけられた人は、誤解をしたまま話し合いをしないためには、どうしたらいいのでしょうか?
誤解しないで話し合うには?
相手を信じた上で話し合う
それは、「相手は、自分を傷つけようとしてやったわけではない(=結果的に、傷つけることをやってしまった)」ことを前提に話を進めることです。
そうすると、「どうしてあなたは私を傷つけるの?」と相手を責め、話が平行線になるような事態を避け、「あなたの行動によって、私は傷ついた。今後も関係を続けるなら、そういう行為はやめてほしい」というような、建設的な言い方ができるようになるのです。
ただ、そう言えるようになるためには、もっと根本的に重要なことがあります。
それは、自分が「相手を信頼しているか」ということです。「彼(彼女)は、自分を傷つけようとする人ではない」と信じられるかどうかで、自分が相手にぶつける言葉も変わってくるのです。
実は、そう思えるようになるためにも、自分自身も自分の内側にある「恐怖心」と戦わなくてはいけません。心のどこかで「人に傷つけられるのは怖い」という思いが強い人ほど、被害妄想的な発想をしてしまうからです。
相手の行動に対する解釈が「自分を傷つけるためにやったのだ」という解釈に結びつく人は、傷つけられることを怖がっているし、「傷つけられたら、自分は立ち上がれないかもしれない」と不安になっていることも多いものです。
基本、被害妄想は自己防衛から来ています。悪いことが起こって、立ち上がれなくなるほどのショックを受けないために、前もって悪いことを想定しているからです。
つまり、「相手は自分を傷つけようと思っているわけではない」「どんなことがあっても、私は自分を癒し、自分で立ち上がれる」と思える人は、被害妄想を抱かないでいられるのです。
それで言うと、よく恋人同士に起こりがちな “売り言葉に買い言葉”の喧嘩は、「相手に傷つけらたら立ち上がれない」と怖がっている側と、「このままでは自分が攻撃されてしまう」という恐怖心を抱いている側が、自己防衛のために、愛のない言動に出てしまっていることが多いもの。そんな不毛な喧嘩をしないためにも、まずは「相手を信じる」ことが大事なのです。
もちろん「信じる」といっても、色々な「信じる」があります。そもそも浮気癖がある人に対して、「浮気をしない」と信じるのは、結構、厳しいことかもしれません。
つまり、そこにも大切な人とすれ違ってしまう要因があるのです。
恋愛ですれ違いを防ぐためには「ありのままの相手」を受け止めること
相手の本当の姿を知り、受け止める
でも、実際のところは、多くの人が「相手はこういう人なんだ」と思い込み、そうではないと怒るものです。でも、もしかしたら、自分が都合よく解釈していたところもあるのかもしれませんよ?
「ありのままの相手をきちんと見て、そして受け止めること」が、本当の愛です。それは、相手の弱いところも含んだ欠点も、です。
もちろんありのままの相手を知ることで、受け入れられないこともあるでしょう。その場合は、別れても仕方がありません。
でも、そのときには、単に「相手が悪い」だけではなく、自分も「相手をきちんと見られていなかった」こと、「相手を愛しきれなかった」ことにも気付いた方がいいでしょう。
そうでないと、また「自分で勝手に、相手を理想の人間だと思い込み、違ったら受け止められずに別れる」ということを繰り返してしまうからです。
付き合い始めてから、3カ月、1年、2年と月日を重ねるにつれて、初めて会った時と相手の印象が変わってくることも多いものです。
それは、月日と共に変わってきたこともありますが、だんだん“自分の本当の姿”を出すようになってきているところもあるからでしょう。信頼関係が増すにつれ、理想的な人間を演じていたところから、自分の弱さも含め、本性を見せられるようになるものですしね。
「相手の本当の姿を知ったときに、自分はそれでも受け止められるか?」というのは、これからも関係を続ける上で、とても重要なことです。
それができないと、今後も「相手に理想を当てはめて見ている自分」と「本当の姿を見せるようになった相手」との間で、すれ違うからです。できることなら、本当の相手を見るようにして、受け止められるようになりたいものですよね。
結局は、「愛があるか」が重要!
ここまで大切な人とすれ違う原因について紹介してきましたが、結局、大切な人とすれ違わないためには、「相手を信頼する」こと、そして、「“ありのままの相手”を見て、受け止める」ことが重要だということです。実は、それこそが、「愛」なのです。相手を信じないで自己防衛をしている時点では、相手のことを愛していません。また、本当の相手を見ないで、自分の思った通りの行動をしないと怒る行為にも、愛はありません。
子供がどんな状態になろうと、親はただただ受け止め、成長を願えるように、結局、パートナーに対しても、そこまで大きな愛情を抱くことができたとき、お互いに信じ合い、時に誤解し合うことがあっても、関係を修復できるものなのでしょう。
もちろん、人を愛せるようになるためには、「自分の心の弱さに負けない強さ」も大切です。それは相手もそうです。心に弱さがない人なんて、皆無です。だからこそ、人はすれ違うのです!
お互いに不完全な者同士であることを理解して、より相手を信じられるように、そして愛せるように成長していきたいものですね。
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