アドバイス1 「赤字を出さない」家計管理から始めてみる
家計、拝見しました。確かに厳しい状態です。すぐに家計改善をしたいところですが、ネックとなっているのが2台分の自動車コストです。とくに自動車ローンの支払いが重く、支払いは毎月5万1500円で、ボーナス月は4万円の加算。これだけでご夫婦の手取り月収の約24%に相当します。しかも、完済が2020年と2022年ですから、この状態が数年続きます。したがって、この間はとにかく家計管理を徹底していくしかありません。まず目指すべきは、毎月の収入の範囲内に支出を抑えること。つまり赤字を出さないということです(学資保険は貯蓄と同じですが、ここでは保険料コスト=支出として考慮)。具体的には、ボーナスによる生活費の補てんも加えると、実質、月平均で2万5000円~3万円の削減が必要です。ただし、実際に削ることができるものは、通信費、家族の小遣い、雑費あたりでしょうか。小遣いには昼食代も含まれているので大変だとは思いますが、細かくコストを抑えていくしかありません。
ただし、それだけでは目指す家計の見直しは難しいかもしれません。となれば、ボーナスの使いみちも見直しが必要です。「祝儀代10万円」はお仕事柄、必要な年もでてくるのでしょうし、帰省費やレジャー費は削りたくありません。あとは、ご実家への返済を少なくとも自動車ローンが終わるまで、待ってもらう。心苦しいでしょうが、背に腹はかえられません。今は何よりも貯蓄が優先します。
アドバイス2 家計簿の復活と現金による家計管理
家計の見直しに合わせて、実践して欲しいことがあります。まずは、家計簿の復活。以前、付けるのを止めてしまったとのことですが、再開しましょう。家計簿を付けることで、使途不明金がなくなります。それによって、すべての支出を「必要な支出」と「なくてもいい(我慢できる)支出」に仕分けすることができるはず。つまりは支出に優先順位を付けるわけですが、家計の見直しに「コツ」があるとすれば、まさにこれはそのひとつです。
さらに、クレジットカードの利用をしばらく止めてみる。少なくとも、ボーナスで生活費を補てんせず、毎月の収支で赤字が出なくなるまでは、現金での管理がいいと思います。
確かに便利ですし、かつ貯めたポイントで得をすることもあるでしょう。しかし、一方でどの程度使っているかが見えにくく、また後払いのため家計管理がしにくいというデメリットがあります。クレジットでの支払いが当たり前の時代、それがない生活は想像しにくいかもしれませんが、家計管理にとってマイナスならば、それは不要ということです。
あとは、家計の見直しと同時に、しずくさんの収入アップも模索してほしいところ。もちろん、正社員が望ましいですが、パートでもあと2万円ほど手取りがアップすれば、それが貯蓄に回ります。お子さん2人の子育てもあり、簡単ではないかもしれません。しかし、トライする価値はあります。
アドバイス3 もっとも避けるべきは新たな「借り入れ」
クルマのローンが終われば、家計はある程度余裕が生まれます。それまでは、赤字は出さないこと。そして、できれば月1万円でも、あるいはボーナスから5万円でも10万円でも、貯蓄に回していくことが必要です。もっとも怖いのは、家計の赤字が続いたり、あるいは予期せぬ支出が発生し、カードローンやキャッシングに頼ってしまうこと。これだけは避けなくてはなりません。現状、さらに借り入れが増えると、もはや動きが取れなくなります。
10年後にはご実家に戻るとのこと。結果、家賃がなくなれば、貯蓄ペースも上がります。年間100万円の貯蓄も、数字上、不可能ではありません。しかもご夫婦ともまだ年齢は31歳。貯蓄を増やす時間はまだまだあります。
したがって、それまでは、家計管理はきっちりと行う。その間、節約ばかりでは生活も息が詰まります。ときに家族で楽しむために支出もして、メリハリをつけながら、継続して管理できるよう務めてください。
最後に保険について。ご主人の保障内容が不明ですが、死亡保障は現時点で2000万円は欲しいところです。現在加入されている生命保険の死亡保障を確認し、不足しているようなら、その分、割安の定期保険で確保する必要があります。ちなみに、保険期間20年、死亡保障1000万円なら、ご主人の年齢で保険料は2000円弱。支出が増えますが、それは必要経費と割り切ってください。
教えてくれたのは……
深野 康彦さん
取材・文/清水京武
【関連記事をチェック!】
34歳子ども3人。貯金ゼロで住宅ローン他3件の借金が
37歳貯金0。夫がうつ病で無職。月23万あればOKだが
45歳主婦、リボ払い分100万円の借金返済が厳しい
教育費がかかる45歳、貯金20万円。衝動買いを止めたい