今から身につけたい3つの習慣-1 家事習慣
今から身につけたい3つの習慣-2 運動習慣
最期に残るのはご近所づきあい
歳を重ねるごとに、交流範囲は縮小してしまいがちです。
第1期(65~74歳)
退職により仕事の人間関係を喪失
・・・仕事の縁がきれれば、その後の交流は多くの場合なくなってしまいます。
第2期(75~84歳)
伴侶(結婚していれば)・友人の死により親しい人間関係を喪失
・・・人生のなかで心身ともに一番の痛手となる、別れといえるでしょう。そしてこの関係の喪失は格段の老化を招くことになります。
第3期(85歳~)
近所づきあいの喪失
・・・人の手を借りなければ外出できないという状況になれば、ご近所の人が訪ねてきてくれる以外には人との交流はなくなってしまいます。翻っていえば、最後まで残るのはご近所付き合いともいえます。
信頼できる人間関係づくりには10、20年かかる
とは言われても・・・30、40代の自分にはピンとこない!という声が聞こえてきそうですね。でも、人とのつながりは、一朝一夕につくれるものではありません。互いが信頼しあう良い人間関係を築こうとすれば、10年、20年単位の年月がかかってしまうものです。したがって、人との交流は今から自覚し実践する必要がある、というわけです。前述の交流範囲の縮小のプロセスをふまえると、優先すべきは、仕事以外の親しい友人、そして遠い親戚より近くの隣人との交流ではないでしょうか。
趣味やボランティアを通して利害の伴わない友人をつくる
仕事以外の友人は、利害を伴わない趣味やボランティアなどを通して生まれることが多いように思われます。趣味はできれば、最終的にはひとりでも楽しめるもの(俳句、書道、絵画など)がよりよいのではないでしょうか?老化第2期に入ると、親しい趣味の友人の死を幾度も経験することになり、他の人たちと楽しむ機会が減ってきます。また自分自身も身体機能の低下により遠出ができなくなり、趣味の会への参加が難しくなってきます。そうなったときに、家の中で、ひとりで楽しめる趣味を持っていれば、生きがいや生活のハリを失うことがないからです。
近所付き合いはどうでしょうか?
大都市より地方のほうがご近所付き合いはしやすい
大都市では、近所付き合いはなかなか難しいものがあります。多くの人々がマンションに住み、オートロックや二重鍵のドアで外界との接触を極力避けながら暮らすことを良しとしているのですから。ましてや子供のいないひとり暮らしともなれば、隣人との交流は全くない、というのが普通でしょう。気楽だけれど、半面孤独なのが大都市の暮らしなのです。そうした状況のなかでも、親しいご近所さんをつくろうとするなら、管理組合活動や地域のお祭り、ボランティア活動に積極的に参加することをお勧めします。一方、地方にはまだ町内会、子供会、老人会もあり、いやがおうでもその地域に住めば、地元の活動に参加せずに暮らすことができません。町内会の誰かがなくなれば、お葬式に出向くことが当たり前という地域も多数存在しています。地域活動への参加は、住民としての義務に近いものがあり、煩わしさも感じるけれど、活動をとおして親しいご近所さんができるので、何かのときに安心というのが、地方の暮らしです。
30、40代の若いうちは、大都市のほうが仕事に恵まれていて都合がよいかもしれません。でも、ひとりの老人として暮らすなら、ご近所さんがおせっかいをやいてくれる、地方の暮らしのほうが安心、安全な面もあるといえるでしょう。60代以降も長く続く人生を展望するにつけ、ある時点からの地方移住もひとつの選択肢として視野に入れておいてもいいかもしれません。
人との交流には、それ相当の時間が必要です。30、40代は働き盛りなので、仕事中心の生活になりがちです。課題はどうやって趣味やボランティアの時間を捻出するか、ですね。働き方改革が叫ばれるなか、自分自身の働き方を見直す良い機会かもしれません。
3つの習慣は三位一体で
ここまで3回にわたり「家事」「運動」「人付き合い」の3つの習慣について、提案してきました。今から身につけたい3つの習慣-1 家事習慣
今から身につけたい3つの習慣-2 運動習慣
最後に一言。
この3つの習慣は、三位一体のものです。どれか1つが欠けると、すべてがうまくいかなくなってしまうのです。家事をやらなければ、生活自体が破たんしてしまい、運動、人付き合いどころではなくなってしまいます。運動をしなければ、家事をやる体力、人と付き合う気力が低下します。人付き合いをしなければ、生きがいや生活のハリがなくなり、家事も運動もする気になれません。
ということで、是非3点セットでお願いします。