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30・40代の今から身につけたい運動習慣

健康な心身は自分でつくっていくしかありません。老いても楽しく暮らせるように、30・40代の今から身につけたい3つの習慣の2つ目「運動習慣」を考えていきましょう。

大久保 恭子

執筆者:大久保 恭子

これからの家族と住まいガイド

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健康寿命は、30・40代からの生活次第

高齢になり(若くても)健康を害すれば、ひとり暮らしを続けていくのは至難です。健康な心身は自分でつくっていくしかありません。また、健康は一朝一夕手に入るものではありません。まだ若いと思っている30、40代からの生活の仕方次第で、健康長寿かどうかは決まります。

老化のバロメーターは運動能力、とりわけ歩行能力に象徴されます。健康長寿を実現するためには、「中強度の身体活動と一定の歩行量が必要」という研究結果が世界中で注目されています。

これは、中之条研究といい、群馬県中之条町の65歳以上の寝たきり・認知症ではない男女5000人の生活行動を10年以上、24時間にわたり調査分析した結果、たどりついた健康長寿の対策なのです。

「8000歩・中強度運動20分」が健康長寿の目安

では健康長寿のためにやるべき中強度の身体活動と歩行の具体的な目安はどのようなものでしょうか?下表をご覧ください。
運動習慣

東京都健康長寿医療センター研修所 青柳幸利氏のレポートより作成


中高度の身体活動は表中の速歩に該当します。速歩とは、たとえば、一緒に歩いている人とは、息があがって会話しにくいくらいのスピードで歩くことです。室内の掃除機かけや、床磨き、風呂掃除なども中強度の運動になります。

この表から「8000歩のうち20分の速歩」が70代以降の健康長寿には望ましい、ということが分かります。この運動は高齢者に限ったことではなく、40代の女性で容姿に気を使う方であれば12,000歩、うち速歩40分を毎日励行すれば肥満を防止できるというわけです。

歩行運動を習慣づけるのに便利な器具があります

ところで、この歩行運動を習慣づけるのに、便利なものがあります。「身体活動計」といい、歩数だけではなく、身体活動の強度を液晶画面に表示してくれる万歩計に似た形状のものです。健康機器メーカーから発売されていて、価格は2000円台から1万円台といったところです。

公園の近くに住むのがお勧め

また、歩行運動を気持ちよく続けて習慣化するには、住環境も大切な要素です。人間は環境に順応する動物ですから、始終車や人がひしめくところでは、運動の習慣は身に付けたくともできません。

自宅から2、3分のところに気持ちよく運動ができそうな河川敷、公園などがあるところに住むことをお勧めします。毎朝・夕、ウォーキングやランニングをする人、犬の散歩をする人々が行きかうところは、決まった時間にいつも出会う人と挨拶をかわすようになり、運動することに親しみがわいてきます。また桜、新緑、紅葉など移ろいゆく自然の美しさを感じることで、毎日の暮らしに張りやリズムが生まれてきます。

30、40代の多忙なビジネスパーソンにとって、平日に決まった時間帯に歩行運動の習慣形成をするには、早朝しかありません。帰宅後ということも考えられますが、残業や飲み会などで予定は乱れがちです。早起きは慣れるまではちょっとつらいけれど、三文の徳でもあります。朝の運動は集中力を高める、仕事の効率をあげることにつながるからです。

いくつになっても元気なひとり暮らしを実現するために、ぜひ挑戦してみてください。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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