輸入車/注目の輸入車試乗レポート

予算300万円以内で買う「個性派」輸入車モデル5台

「愛車」と表現されることもあるクルマ。熱心に洗車している姿を見るとまさに「愛車」なんだろうな、と感じさせられる。だが、高額なクルマは手堅い選択になりがちだ。もし許される状況にあれば、個性派といえるモデルを一度相棒にしてみてはいかがだろうか?

塚田 勝弘

執筆者:塚田 勝弘

車ガイド

300万円以内で買う「個性派」輸入モデル5台

クルマは移動手段であるのと同時に、趣味的な要素もあり、それは「クルマの白物家電化」が指摘されている今でも変わらないはず。

天気のいい日に熱心に洗車している姿を見かけると、「愛車」という言葉が浮かんでくる。自転車やオートバイを熱心に洗車、磨く方もいるだろうが、個人的には、クルマほどは多くないような気がするのだ。

そこまでクルマを大切にするのなら、流行や実用性だけでなく、時には「個性」という要素を加えて愛車選びをしてもいいのではないだろうか? もちろん、それが許される状況であればだが。

加えて、かけられる予算にも制約がある方が多いはずで、ここでは「車両価格300万円以下」で個性派モデルを5台ピックアップしてみた。

▼INDEX
・生産中止の噂も!? まさにいま手に入れたいザ・ビートル
・個性派SUVのルノー・キャプチャーに特別仕様車を設定
・実用性も趣味性も備えたルノー・カングー
・小さくても個性満点のDS 3
・コンパクトなコンバーチブルで抜群の存在感 Fiat 500


生産中止の噂も!? まさにいま手に入れたいザ・ビートル

5月5日、ドイツ本国で開催されたフォルクスワーゲンの「2017 Annual Session」という同社のブランド戦略や財務状況を説明する場で、ザ・ビートル、シロッコの生産中止を示唆する発言があったことから、一部で生産中止の噂が流れている。
VWザ・ビートル

フォルクスワーゲンのザ・ビートルは、234万9000円~345万9000円。3グレードが車両価格300万円以下で揃う

ここで取り上げるフォルクスワーゲン・ザ・ビートルは、現在のゴルフなどが採用している「MQB」と呼ばれる最新のモジュラープラットフォームよりも古い世代だが、走りには古さを感じさせず、フォルクスワーゲンに期待されるボディ剛性感の高さ、高速道路でも安心感のある直進安定性などが享受できる。

2016年にマイナーチェンジを受けたばかりなので、ザ・ビートル最大の魅力である内・外装デザインやカラーリングなどの色気もファンにはたまらないポイントであるはず。好きな色を選べばまさに愛車になってくれる存在といえるだろう。

注意点は、外観の特徴でもある膨らんだ前後フェンダーで、狭い道などで幅寄せする際などは擦らないようにしたいところ。

また、2ドアなので後席への乗降性は良好とは言えないし、左右1枚ドアのためドアが大きく(長く)、開閉時に隣のクルマや壁などにぶつけないように注意する必要もある。逆に、それだけクリアできれば、小さな子どもがいるファミリーでも対応する居住性は確保されている。


個性派SUVのルノー・キャプチャーに特別仕様車を設定

ルノー・キャプチャー

2017年5月11日に販売を開始したルノー・キャプチャーの特別仕様車。レザーシート仕様の「プレミアム」は266万円。ファブリックシート仕様の「エクスプレッション」は254万円

SUVブームのいま、個性派という意味で外せないのがルノー・キャプチャー。ライバルと比べてデザインやボディカラーで選ばれる傾向があるというキャプチャーは、4人まで十分に実用になる利便性をベースに、スタイリングやカラーリングでルノーらしさが演出されている。

なかでもいま狙いたいのが、レザーシートや専用アプリでナビなど多様な機能が使える専用ラジオを装備した2台の特別仕様車で、装備を充実化させながらベース車よりも安い価格設定となっているのがポイント。


実用性も趣味性も備えたルノー・カングー

ルノー・カングー

2017年6月8日から70台限定で発売されるルノー・カングー「アン プロヴァンス」は、カングーの魅力であるカラーが特徴。夏のプロヴァンスの太陽をイメージしたオレンジに加えて、内装には瑞々しいグリーンのシートカバーが用意されている。価格は264万円

ルノーといえば忘れちゃいけないのがカングーだろう。2代目は「デカングー」と呼ばれるように初代からボディサイズが大きく拡大されたのは賛否が分かれるところではあるが、抜群の居住性や積載性はもちろん、走りの面(走行安定性)でも進化しているのは間違いない。

とにかく「懐の深い」クルマだ。熟年男性が1人で乗っても、ファミリーが乗っても、若いカップルやディンクスが乗っても「絵」になる。乗り心地もゆったりしていて、座り心地のいいシートや広い荷室が乗員や荷物を迎えてくれる。

そして何より、ボディカラーや仕様を選ぶ楽しさにも満ちあふれている。年に何度か特別仕様車や限定車が設定されるので、気になる方は常にチェックしておきたい。


小さくても個性満点のDS 3

DS3

シトロエンから独立した「DS Automobiles」のDS 3。カタログモデルは259万円~299万円で、限定車なども設定されている

300万円以下で買える個性派モデルはほかにもある。中でもシトロエンから独立した「DS Automobiles」ブランドの存在感は際立っている。高級ラインである「DS」自体、マニア向け感が濃厚に漂うが、DS 3というエントリーモデルであれば300万円以下で手が届く。

コンパクトモデルなので後席は荷物置き場もしくは非常用という割り切りが必要だが、狭い都市部で小粋なモデルを探しているのならMINIやFIAT 500などよりもさらに個性では上という印象を抱く人が多いはず。

1.2L、1.6Lの両ガソリンターボエンジンともにキビキビした走りが可能で、「1.6Lターボ+MT」というさらにマニア向けのグレードまで用意されている。


コンパクトなコンバーチブルで抜群の存在感 Fiat 500

FIAT500C

2016年1月にマイナーチェンジを受けたFiat 500。コンバーチブルである500Cも同時に変更され、内・外装をリフレッシュ、装備を充実させた。500Cは252万7200円~279万7200円。2017年2月には限定車の「フィアット500Cスーパーポップ・チャオ」も237万6000円で設定


最後にやはり外せないのはMINIといいたいが、個性派であるものの、あまりにもポピュラーするほど有名だし、街中を走る台数も多い。コンバーチブルにすると300万円を超えてしまう。

そこで、冒頭で紹介したザ・ビートル、MINIと同じ、復刻モノ系といえるFiat 500の中から500Cを取り上げたい。

同じ300万円以下でいえば、実用車として実力派のパンダもあるが、個性で群を抜くのは500C。一応4人乗りだが、後席は手荷物を置くスペースに割り切り、普段は、屋根は開けなくても(閉めたまま)でも個性を主張できる外観であるし、ソフトトップは全開か全閉だけでなく、半分だけ開けるなど気分に応じて開閉具合を調整できるのも魅力だろう。

今回は輸入車ばかりになってしまったが、日本車でも300万円以下で個性的なモデルはオープンカーやスポーツカーを中心に何台も存在する。リセールなどは気にせずに我が道で選ぶのが最も納得できる個性派モデルの買い方といえるのではないだろうか。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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