新入生・新入社員が陥りやすい五月病とは
お風呂で自律神経をコントロールしよう
そうした人たちを中心に、5月になると「やる気がでない」「気が重い」「登校・出勤したくない」「イライラする」「眠れない」といった心身の不調が出始めます。正式な病名ではありませんが、これらの不調はいわゆる「五月病」と言われています。
新生活シーズンのストレスが招く五月病
新生活シーズンには楽しさや高揚感もあるかもしれませんが、一方で強いストレスも生じるものです。通勤・通学する場所も変わりますし、交流のある同級生・同僚や先生・上司も変わります。当然、勉強や仕事の内容も変わります。これまで慣れていた生活環境が大きく変わると、何でもなかった生活の行動1つ1つに対して緊張を強いられ、ストレスになってしまうのです。ごく短時間のストレスなら、やり過ごすこともできますが、これが4月から1か月以上も続くと、人によってはだんだん身体やメンタルが疲れてくることがあります。結果として様々な不調を感じるようになるのです。
五月病予防・対策のキーワードは自律神経
意識しなくても自動的に体の調子を整え、人が生きていくのに必要な役割を果たしてくれているのが、私たちの体にある自律神経です。自律神経は交感神経・副交感神経の2つの神経で成り立っています。大まかに解説すると、
- 交感神経……仕事モード、緊急事態に対応する神経
- 副交感神経……休憩モード、リラックス状態に対応する神経
4月に新しく環境が変わった人は、毎日新しいことの連続で緊張が続き、この交感神経がずっと高まっている状態が続いていると言えます。もともと緊急事態対応のための神経なので、この交感神経が長時間にわたって刺激され続いていくと心身ともに疲弊してしまいます。
つまり、五月病の予防や改善には、交感神経の過剰な興奮を抑えるようにすることが大切だと言えます。
交感神経の興奮を抑える入浴法とは? 五月病のお風呂のコツ
自律神経はその名の通り神経自体が自動的に働いているので、私たちの意志でコントロールするのは容易ではありません。自律神経をコントロールする方法として呼吸法などいろいろな方法がありますが、それなりに訓練やコツが要るものです。一方、お風呂は、自律神経をコントロールできる身近で強力なツールです。
その方法は、とてもシンプル。普段入るお風呂で、以下の3つを心がけてください。
- 湯温を38~40℃のぬる湯にする
- 肩まで浸かる全身浴をする
- 湯に浸かる時間は10~15分にする
お風呂の自律神経への働きは、湯温を変えるだけで大きく変わります。詳しくは「42℃から効果が真逆に?お風呂で自律神経を整える方法」をご覧ください。
38~40℃までのぬる湯はその温熱効果で、交感神経の働きを弱め副交感神経の働きを強くします。つまりリラックスすることができます。逆に42℃以上の熱い湯は交感神経の働きを強くします。
また、浮力によるリラックス効果を考えると半身浴より全身浴がいいでしょう。もちろん、医師から入浴を制限されている方は、その指示に従ってください。
いつもはシャワーだけで済ませてしまうという人も、この時期はぜひお風呂に入ってみてください。自宅にバスタブが無い場合、週末だけでもよいので、近くの銭湯などに入るのもいいでしょう。広い湯船はよりリラックスできるという研究結果もあります。
毎日のお風呂を上手に使って自律神経をコントロールし、緊張疲れのたまる五月病シーズンを乗り切りましょう。