マンションのベランダにウッドデッキ、DIYリフォームで可能!
マンションのベランダ、活用していますか?間取りによっては部屋1つ分ほどの面積があるのに、洗濯物を干す以外に使っていないようではもったいない!上手に活かせば、室内以上に快適で楽しい空間が作れます。そこでベランダにウッドデッキを敷いて、リビングの続き間として使えるような空間づくりをしてみましょう。イマドキは自分で簡単に敷けるDIYリフォーム用のウッドデッキ材が色々と揃っています。
ガイドの事務所にも小さなベランダがついていますが、やはりほとんど使うことがありませんでした。そこでこのベランダを使って、実際にウッドデッキのDIYリフォームを実施。今回は、その手順とビフォーアフターをご紹介します。
リフォーム前のベランダ。面積は2平方メートルと狭く、洗濯物や傘を干す以外使うことは無かった。
さてこのベランダ、変形の上に面積は2平方メートルと狭く、しかも床には大きな避難口があります。こんなベランダでも素敵な空間になるのでしょうか。
小さなDIYでも、大きなリフォームでも事前準備で8割決まる
マンションの管理規約はそこに暮らす人のルールが定められている。
段取り8分という言葉があるように、自分で行う小さなDIYでも、家全部を改修するような大型リフォームでも、事前準備で成否が決まると言っても過言ではありません。今回のDIYでも事前準備のおかげで、スムーズに工事を進めることができました。
最初にやるべきことは、マンションの管理規約を確認することです。マンションにはそれぞれ規約があり、そこで暮らす人が守るべきルールが定められています。中には、ウッドデッキを敷くことを禁止していたり、材質の制限をしたりしている場合がありますので、しっかりチェックしましょう。
今回、規約を確認すると、ウッドデッキを敷くのはOK、ただし樹脂の脚が付いたタイプを使用するよう定められていたので、そのような形状をしていて、かつDIYリフォームでも工事がしやすい製品を探すことにしました。
ベランダの寸法をはかり、ウッドデッキ材の割り付けを考える
ベランダ用のウッドデッキ材の中でも、DIYリフォームで扱いやすいのが、パネルタイプの製品です。ウッドパネルとも呼ばれ、30cm~60cm程度のブロックになっていて、お互いを連結しながら置き敷きしていきます。形状は正方形の他に、長細い長方形もあり、とにかく扱いが簡単!自分で手軽に工事ができます。今回は、できるだけ手間を掛けずに済むよう、パネルタイプのウッドデッキ材を使用することにしました。
今回使用したパネルタイプのウッドデッキ材「ハンディウッド・置くだけデッキ」樹脂の脚付きで腐食を防ぎ、水はけがいい。横30cm×縦30cm×高さ4cm。
次にベランダの寸法をていねいに測り、割り付けを考えます。割り付けとは、ウッドデッキパネルの敷き方をレイアウトすることです。ベランダの形を紙に書いて、どのサイズのパネルを、どのような向きで、何枚敷くかを考えます。方眼紙を使うと、パネルの数が数えやすくなります。
このベランダは変形であること、点検口はおおわないようにすることなどから、小さいサイズのほうが楽にレイアウトできるので、30cm角を選びました。
寸法を丁寧に測り、割り付けを考える。小さめのパネルの方が端数が出にくく、レイアウトがしやすい。ただし枚数が増える。
ウッドデッキのプランをたてる際には、高さも大事なポイントです。ベランダは室内より床が下がっているため、少し高さを出すことで、室内からのつながり感が出て、リビングの続き間のような雰囲気が出ます。今回は、避難口との高さのバランスを考えて少し高めの4cmタイプを選んでいます。
ウッドデッキの注文前に、これだけは絶対にチェックしておこう
ウッドデッキパネルの入手は、ホームセンターやインターネットの通販などでできます。下記に注文の際の7つのポイントをまとめました。一般的な通販アイテムとはまた違った注意点がありますので、事前にチェックしておきましょう。【割り付けと使用枚数の確認】
ベランダの寸法を測り、割り付けを考え、必要枚数を算出します。しっかり割り付けすれば、だいたい過不足は無いのですが、破損などのリスクを考え少し多めに注文しておくと安心です。
【工事のしやすさ】
パネルタイプは基本的に置いていくだけの工事ですが、半端が出る場合は、のこぎりなどでカットする必要があります。中にはカットができないもの、カットに手間が掛かるものがありますので、DIYリフォームがしやすい工夫がされているか、事前に確認しましょう。
【メンテナンス性】
ウッドデッキはマメなお手入れが必要です。普通の木ではあっという間に腐ってしまってボロボロになってしまうことも。ハードウッドと呼ばれる硬質な木や、樹脂を混ぜた人工木ならお手入れが楽で、長く美しく保てます。今回選んだのは、樹脂と木を混ぜた人工木です。ただし人工木の場合、いかにもプラスチックな製品もありますので、できれば実物サンプルでチェックしましょう。
【デザイン性】
市松に敷いたり、フローリングの様にまっすぐ敷いたり。敷き方でデザインが楽しめます。色は室内のフローリングのイメージと合わせると、続き間のような空間が楽しめます。今回は面積が小さなベランダのため、市松模様にしてリズム感を出しました。
【掃除のしやすさ】
ベランダのウッドデッキの下には、砂や枯葉、髪の毛やワタボコリが溜まります。溜まり過ぎると水はけが悪くなり、階下への水漏れの原因になりますので、定期的な掃除が必要です。敷きっぱなしにならないよう、着脱しやすいタイプを選びましょう。掃除の頻度は環境によっても異なりますが、初めは一ヶ月おき程度に確認しておくと安心です。
【大規模修繕の時は家の中に入れる】
マンションでは15年に1度程度、大規模修繕と呼ばれる外回りのリフォームを行います。その際はベランダの床の防水のやりかえがあるため、ベランダに置かれているウッドデッキなどはいったん室内へ入れる必要があります。分割して保管できる形状のものを選びましょう。
【荷物の受け取り方の確認】
大きさと重量がある住宅建材は、大型トラックで配送されます。まずは家の前まで配送車が入れるかを確認しましょう。また引き渡しは、車上渡し、軒先下ろしなどが一般的です。軒先下ろしとは、トラックが付けられる場所までです。そこからは自分で運ぶ必要がありますので、注意して下さい。
今回ガイドが選んだウッドデッキパネルはこちらです。
ベランダのDIYリフォーム開始!ウッドデッキを敷き詰める
DIY用ウッドデッキパネルが到着したら、さっそくリフォーム開始です。と言っても、工事はとても簡単。まずはベランダの掃除をして、その後、割り付けで考えた通りに連結しながら置いていくだけです。割り付け通りにウッドデッキパネルをベランダに置いていくだけ。
変形のベランダのため、隅にスキマができるので、形に合わせてノコギリでカット、スキマを埋めるように置いていきます。人工木は基本的に柔らかいため、切るのは簡単です。楽な力でスムーズに切ることができました。
割り付けに合わせてペンで切る線を書く。
線に沿ってのこぎりでカット。排水口や避難口にかからないように注意して敷いていく。
変形部分に合わせてカット。柔らかいので簡単に切れる。
敷き始めから終わりまで、今回のDIYリフォームに掛かった時間は約1時間です。事前準備さえしっかりしておけば、作業自体はとても簡単です。ただし工具でケガをしないよう安全には十分注意を払って下さい。
ベランダのウッドデッキが完成!子供の乗り越えには注意を
ベランダのウッドデッキが完成しました。雰囲気を出すために、後からフェンスの内側に目隠し材を取り付け、小さな椅子とテーブルを置きました。避難口には人工芝を置いて雰囲気を出しました。小さな椅子とテーブルを置いて読書スペースに。避難口の上には人工芝を置いて雰囲気を出した。
小さくても落ち着いた雰囲気で、まるでプチカフェテリアのよう!お茶を飲んだり、本を読んだり、夜にはお酒も楽しめそうです。殺風景だったベランダが、ほっとする癒しのスペースとして生まれかわりました。
置いてあるアイアンとガラスのテーブルはIKEAで、折り畳み椅子はAmazonで購入しました。最近はアウトドア用の家具がたくさん出ていますので、選ぶのも楽しい物です。その際は、紫外線と水に強く、台風の時は室内に収納できるよう折りたためるものを選んでおくと便利です。ただし小さなお子さんがいる家では、家具を足場にしてフェンスを乗り越える危険がありますので、十分に注意をして下さい。
ピクチャーウインドウという言葉があるように、窓から見える景色は絵画、インテリアです。ベランダにウッドデッキのDIYリフォームをしたことで、空間として活かせるようになっただけでなく、室内から見える風景も素敵になりました。皆さんも事前準備をしっかり行って、ぜひ試してみて下さいね。
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