マンションのキッチンリフォームは、一戸建てとはまた違ったところに注意が必要です。収納不足になりがちなのにもかかわらず、吊り戸棚を外したいという要望があることも。そこでマンションならではのプラン、レイアウトの工夫や、大事なポイントをご紹介します。

マンションのキッチンで多い悩みは暗い、狭い、収納不足

暗く不便なキッチン

築18年のマンションのキッチン。暗く、収納不足に悩んでいる。

マンションのキッチンで多い悩みは、暗い、風通しが悪い、面積が狭い、収納が足りないなど。限られた面積と間取りだからこその問題が多く見られます。

せっかくのリフォームですから、機器交換だけにとどまらず、ちょっとしたレイアウトや間取りの工夫でもっと快適な空間にしたいもの。

そのためにまず、マンションでできることと、できないことを確認しておきましょう。

 

キッチンの移動リフォームができるマンションかを確認

リフォームができる、できないは各マンションによって異なります。キッチンの向きを変えたい場合は、水まわりの移動ができるか確認する必要がありますので、規約を確認しましょう。

次に構造を確認します。マンションでは、キッチンや浴室などの水まわりの排水管は、パイプスペースに繋ぎこまれています。パイプスペース自体は各住戸の排水が繋ぎこまれている共用部分ですから、移動はできません。

間取り図

マンションの平面図の一例。赤い部分がパイプスペース。キッチンの排水はこのパイプスペースにつなぎこむ。


キッチンが移動できる距離は、基本的には床下で排水管が勾配を取りながらパイプスペースに繋ぎこめる位置までです。ですから床下に空間がある二重床のマンションなら、キッチンの移動がしやすくなります。

床下に空間が無い場合は、今のレイアウトのままでリフォームプランを考えるか、電気で圧力を掛けて排水を送る圧送ポンプを取り付ける必要があります。

また床下だけでなく上部にも注意が必要で、換気扇の排気ダクトは天井から下がっている梁をまたぐことができませんので、コンロの位置も制約を受けます。

このようにマンションのキッチンリフォームでは、排水と排気のルートによって、できるプランと、できないプランがあります。新しいマンションの中には、パイプスペースが戸外に設置されている間取りや、梁が無い間取りもあり、よりリフォームの自由度が増しています。

まずは、構造がどうなっているか、希望のプラン、レイアウトが叶うかどうか、専門業者に見てもらいながら検討を進めましょう。

マンションのキッチンで意外と多い吊り戸棚を外すリフォーム

マンションでよく見掛けるキッチンプランは、頭上にロングの吊り戸棚がついた対面スタイルです。配膳用のサービスカウンターとの間からダイニングを覗き見るようなプランなので、どうしても暗く閉鎖的になり、また吊り戸棚が活用しにくいため収納不足に陥りがちです。

このような間取りで意外と多い要望が、キッチンを明るくひろびろとさせるために吊り戸棚を外したいというもの。しかしそこで陥るジレンマが、吊り戸棚があるとうっとうしいけれど、無ければ無いで収納が不足してしまうことです。

そこで吊り戸棚を外しつつ、収納を充実させるリフォームの工夫をすることで、明るくひろびろとした、使い勝手のいいキッチンに変身させることができます。

キッチン

間仕切り壁や吊り戸棚を取り外して、奥行き90cmのオープンスタイルのキッチンにリフォームすれば、大掛かりな配管移動無く快適な空間に。収納も充実している(パナソニック


考えるポイントは2つ、1つめは空間を見逃さずに収納に活用することです。キッチンの本体に関して言えば、古いキッチンはデッドスペースが多いので、最新のシステムキッチンに入れ替えるだけでも、収納力は大幅にアップします。他にも対面カウンターの下、背面や壁の厚みの活用、床から天井までの機能的なシステム収納などを使って、収納効率を上げましょう。

壁付けキッチン

壁付けオープンスタイルが見直されている。対面式に比べて面積に余裕ができ、広々とさせることができる。男前なカフェ風キッチン(パナソニック)


2つ目は対面スタイルに固執しないことです。狭いところで無理に対面スタイルにすると、キッチンも食堂も狭くなり、またキッチンが閉鎖的になります。少しレイアウトを変えて、壁付けスタイルやアイランドスタイルにすることで、面積を効率的に使えたり、広く明るくしたりすることができます。

次のページではスムーズな手順、対面式にする場合の注意点です。