「お金」は時に「愛情」よりも夫婦仲に影響します

お金の管理による夫婦喧嘩は深刻な問題

お金は時に愛情よりも夫婦関係に影響します

夫婦喧嘩の理由といえば、他愛ないものから深刻なものまでいろいろありますが、なかなか解決しづらいのが「お金」にまつわる喧嘩。

「金の切れ目が縁の切れ目」

なんていう言葉もありますように、ともすると「愛情」以上に夫婦仲に大きな影響を及ぼし、時には100年の恋も一気に冷ましてしまう力を持つのが「お金」です。

管理の方法、貯め方、使い方など、「これが正解」というものはなかなかなく、夫婦ごとに「一番いい形」は異なります。しかしながら、一般的に喧嘩が起こりやすいシーンやその原因などは、共通要素もあります。

そこで今回は、お金が原因で起こる夫婦喧嘩について考えてみましょう。

とはいえ、私はファイナンシャルプランナーさんのような「お金の専門家」ではありませんので、「お金をどうするか」ではなく、お金が原因で「夫婦仲をこじらせないためにはどうしたらいいのか」を考えます。

お金にまつわるシーン――「稼ぐ」「管理する」「使う」「貯める」といった分野別に、ケンカの原因と避けるための対応策を見てみましょう。以前All Aboutでも「1億円当たったら夫に(妻に)言うか」というコラムを書きました。「お金」は愛か欲かの天秤にもなりますね。

<目次:お金の問題による夫婦喧嘩>  

お金の問題による夫婦喧嘩1:お金の「儲け方」

■専業? それとも共働き?
お金を稼ぐこと関する喧嘩で一番多いのは、妻が専業主婦の場合。

「稼いでいるのは俺なんだから、偉いのは俺」
「お前は何もしていないだろ」
「俺が食わせてやっているんだ」

というだんな様の態度や発言から夫婦喧嘩に……というのが、定番パターンです。

もちろん、今や専業主婦よりも共働きの家庭のほうが多くなりましたが、それでも妻の収入を夫の扶養の範囲内に抑えている場合や、2人とも仕事を持っていてもだんな様の稼ぎが家計の主な収入源となっている場合には、同じようなやり取りが発生することも多いようです。

■年収は男性の価値を決める?
稼ぐことに関する他の喧嘩の例としては、男性のプライドが傷つけられた場合のもめ事。男性にとって、妻から「稼ぎが少ない」といわれたり周囲と比較されることは自分の価値や存在自体が否定されたように感じ、喧嘩になりがちです。

ただし、この感覚はだんな様の世代によってずいぶん違うかもしれません。

今の40代以上は、自分の両親が「専業主婦型」だった場合が多く、「父親が家族を養う」姿を見て育ち、自分もそうなるように教育を受けてきた世代です。従って、「たくさん稼ぐ夫=優れた夫」という意識が、頭のどこかにあります。バブル期の言葉「3高」もまさに稼ぐ夫を表していました。

逆に今の20代男子は両親もバブル後の世代で共働きが多く、「夫婦二人で稼いで当たり前」「妻にも働いてほしい」と思っている方が多い傾向。従って若いだんな様ほど、年収を自分自身の価値と結びつけにくい可能性はあります

このような「お金を稼ぐことにかかわる喧嘩」を避けるには、相手に対する感謝の気持ちを持つことが大切です。会社で働くのも家事をするのも、どちらも生活を支える大事な仕事であって、どちらが偉いとかどちらが大変とかいうものではありません。相手に対する感謝の気持ちがあれば、収入の多寡で人の価値を判断したり、自分の年収への変なこだわりはなくなるでしょう。

また、これからは、一つの会社・一つの収入源だけに一生しがみつく時代ではありません。妻も仕事を持つことで収入を確保したり、あるいは、だんな様も副業を取り入れて複数の仕事を並行して行なうなど、新しい働き方も増えていくでしょう。

さらに、金額で仕事を判断するのではなく、社会にどのように貢献しているのかといった視点を重視するなど、「仕事」や「稼ぎ方」に対する発想の転換も、ケンカを避けるポイントです。

 

お金の問題による夫婦喧嘩2:お金の「管理の仕方」

■共同型? それぞれ?
家計の管理も、やり方によっては夫婦喧嘩を生み出します。

喧嘩になる場合の多くは、夫婦で役割分担をして、どちらかが家計を握り、もう一人はお小遣いをもらってやりくりしているような場合。管理者側からの締め付けが厳しいと、「欲しい物が買えない」「不公平である」といった不満から喧嘩になりがちです。

一方、2人が一緒に管理する「共同管理型」の場合は、前述のような不公平感から来る不満は出ませんが、出費ごとにいちいち相手の了解を取らなければいけないという運用の煩雑さから、ケンカが発生する場合があります。

また逆に、相談なしで一人が勝手に進めてしまった場合にも、大きく揉めることになります。夫婦仲相談所でよく聞く事例は「旦那がお酒飲んだ帰りにタクシーで帰宅した。いい思いした上にタクシー帰りなどけしからん。家計費からは出さないぞ」です。

誰が、どのようにお金を管理するのかは、そのカップルごとに正解は異なるでしょう。しかし、どんな形にするとしても、長期的な視野を持って管理をし、どちらか一方に責任を押し付けるのではなく、夫婦両方が当事者意識を持つことが、お金の「管理に関するケンカ」を避けるポイントです。

たとえ自分が管理する役目ではないとしても情報共有はしっかりおこない、家計の現実を二人で把握しておくことで、ケンカになる要素を減らすことができます。

 

お金の問題による夫婦喧嘩3:お金の「使い方」

■出費の容認や金銭感覚
「お金の使い方」は、発生回数で見ると、最も多い喧嘩の原因かもしれません。物の値段に対する価値観のバランスは一人ひとり違いますから、一杯1200円のコーヒーを「美味しければOK」と思う人もいれば、150円のコーヒーに対して「コンビニコーヒーなら100円で飲めるんだから、高すぎる」と感じる人もいます。
お金の使い方に関するケンカは価値観の違い?

お金の使い方に関するケンカは価値観の違い?


これはどちらかが正しくてどちらかが間違っているというわけではなく、それぞれが今まで育んできた「価値観」や「金銭感覚」の結果にすぎません。理屈ではなく「感覚」のため、なかなか相手に伝わらず、たとえ伝わっても共感を得られにくく、喧嘩になってしまうのです。

このような喧嘩を防ぐには、敢えて相手の価値観を変えようとしないことが大切です。ついつい自分の価値観で判断し、相手をそれに従わせようとしがちですが、もともとカップルはお互いに他人。価値観が違っていて当然です。

「自分にとって理解できない部分もあって当たり前」

と、共感できない出費もある程度容認する懐の広さが必要でしょう。とはいえ、お互いが「自分の価値観」に従ってどんどん使っていったら、お金はいくらあっても足りません。お互いの価値観を尊重しつつ、時期やライフスタイルに応じて、出費を見直してみることは大切です。

もはや「大量生産・大量消費」の時代ではないのですがから、まずは「みんなが持ってるから」「流行ってるから」といった「無意味な横並び意識をやめる」だけでも効果があります。

さらには、物を手放し、本当に必要最小限な物だけを持つ、という意識改革も、お金の使い方を新しい方向に持っていくのに有効です。

 

お金の問題による夫婦喧嘩4:お金の「貯め方」

■節約や貯蓄・運用
お金を使う時に、同じくらいのタイミングでケンカになるのが、「支払い」の裏返しの「貯蓄」「節約」。特に「節約」は、将来の「ご褒美」を共有してスタートしないと、自分のやりたいことが全部否定されるような感覚を持ちやすく、不満からケンカになります。

一方で「貯蓄」や「運用」の方法で揉める意識の高いカップルもいます。将来への不満から、よりよく貯める、よりよく運用することを検討する上で、どの商品・金融機関がいいのか、リスクをどうとるのか、などで意見が衝突するパターンです。

「お金の貯め方」にかかわる喧嘩を避ける一つの方法は、お金のプロに、アドバイスをもらうことです。銀行の担当者やファイナンシャルプランナー、税理士など専門家に相談に乗ってもらえる機会があれば、積極的に利用してみましょう。一般的に男性は、妻の意見は聞かなくても専門家の意見には従いますので、パートナーの説得には効果のあるやり方です。

また、節約や貯蓄・運用は将来の計画や目標を共有することでモチベーションが上がります。

「何のためにお金を節約しているのか」
「今の我慢が将来の何につながるのか」

を具体的に描いて、パートナーに伝えましょう。「子育て」ならぬ「お金育て」を、夫婦で気持ちを合わせて進めていくことが、ケンカを予防し、将来の資産的な安心につながります。


お金だけに幸せを求めるわけにはいきませんが、お金なしに幸せを求めるのも困難です。

自分たち夫婦にとって本当に大事なものは何か、豊かさとは何か、物以外に大切なものは何か――などを一緒に考える機会を増やしていくことで、お金が原因のケンカは減っていきますよ。

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