住宅の世界には、物事の本質とは関係なく、何となく使われている言葉が多いように思います。例えば、「坪単価」なんて言葉がありますが、これが総額という実態を表しているかというと、実はそうではありません。今回はそんな言葉の一つとして、「デザイナーズ住宅」を取り上げます。なんかすごーく安易に使われているように感じられて仕方ありません。

デザイナーってどんな人?

ハウスメーカーによる代表的なデザイナーズ住宅「xevoEDDI」(大和ハウス)。建築家・鈴木エドワード氏と共同で開発し、デザイン性と居住性の両立、さらにエコへの配慮も盛り込んでいる

ハウスメーカーによる代表的なデザイナーズ住宅「xevoEDDI」(大和ハウス)。建築家・鈴木エドワード氏と共同で開発し、デザイン性と居住性の両立、さらにエコへの配慮も盛り込んでいる

「デザイナーズ住宅ってどんな住宅?」って疑問に思いませんか。じゃあ、デザイナーってどんな人たちなんでしょうか。デザイナーって本当に広義な言葉。車のデザイナーだったり、洋服のデザイナーだったり、色んな職種にデザイナーと呼ばれる人たちがいます。

では、住宅の場合どうでしょう。多分、建築家や設計士と呼ばれる人たちのことを指すのだと思います。きっと、その中でも特にデザインセンスや提案力が優れている人たちのことをいうのでしょう。

「でしょう」というのは、特別に定義があるからというわけではないからです。デザイナーズ住宅というのも同様で、一般的には有名かつ実績の多い建築家が手がけた建物、そんなイメージで使われているように思います。

一人歩きするデザイナー住宅のイメージ

パナホームの「ソルビオス・アーキモード」の内部空間。建築家・木下庸子氏との共同開発((クリックすると拡大します))

パナホームの「ソルビオス・アーキモード」の内部空間。建築家・木下庸子氏との共同開発((クリックすると拡大します))

また、特に都市型住宅に使われることが多いように感じられます。「デザイナーズ住宅」とは、狭小建物で、その狭小というハンデを克服するための、様々な工夫が盛り込まれているものを指すように私は理解しています。

デザイナーというからにはデザインセンスがあるような建物と思われますが、最近はハウスメーカーでさえ、「デザイナーズ住宅」なんて言葉を用いるくらい。つまり、最近は「高名な建築家が…」なんて縛りはなくなっているように感じられます。

まだ、ハウスメーカーの場合は良心的な方。ちゃんと高名な建築家を商品企画の段階で起用しているから。デザイナーズ住宅と銘打っていながら、「普通の建売住宅じゃない」なんてものもあるくらいです。

デザイナーズ住宅というのは、実はその程度のもの。特に定義されたものではなく、言葉のイメージが一人歩きしている感があります。では、「良いデザイン」とは一体、どんなものなのでしょうか。次のページで考えてみたいと思います。