新しい環境が得意な子どもと苦手な子どもの違いとは
笑顔あり、涙ありの新学期。子供の性格に合った接し方を心がけよう!
新しい学年にステップアップする4月、ママは色々な場面で、我が子の「個性」を目の当たりにする機会が増えます。クラスにすっとなじんでいける子、入り口でママにしがみついて泣いている子、1年の中でも、とくに個性が出やすい時期ともいえるでしょう。
同じ新学期なのに、なぜ子供によって受け止め方が違うのでしょう? もちろん、「個性が違うから」なのですが、何がどのように違うことで起こるのでしょうか? この記事では、ある心理学研究を用いながら、その違いについてお伝えしていきたいと思います。新学期が好きな子、苦手な子の違いはここから生まれる
アメリカの精神科医であるトーマス博士が行った研究で、ごく幼少期から見られる個人差について取り扱ったものがあります。それによれば、次にあげる9つの気質や性質は、「持って生まれた性格」として備わっているとされています。その9つとは、- 活動が活発か、穏やかか
- 集中できるか、注意が逸れやすいか
- 粘り強いか、すぐにあきらめるか
- 新しい環境への反応がポジティブか、ネガティブか
- 規則正しいか、不規則か
- 変化に対する順応が早いか、遅いか
- 五感が敏感か、鈍感か
- 喜怒哀楽が激しいか、穏やかか
- ベースの性分が気難しいか、朗らかか
これらが複雑に交じり合って、その子らしさができあがっています。ここでは、「活発か、穏やかか」のような二極的な書き方をしましたが、実際には、「超がつくほど活発」だったり、「どちらかといえば穏やか」という細かな違いがありますので、それが9つ組み合わされば、世界中を探しても、同じ個性の持ち主がいないのが分かります。
この9つの中で、新学期早々にとくに顕著になりやすいのが、
4.新しい環境への反応がポジティブか、ネガティブか
6.変化に対する順応が早いか、遅いか
7.五感が敏感か、鈍感か
8.喜怒哀楽が激しいか、穏やかか
9.ベースの性分が気難しいか、朗らかか
でしょう。逆に、ここで抜けた
1.活動が活発か、穏やかか
2.集中できるか、注意が逸れやすいか
3.粘り強いか、すぐにあきらめるか
5.規則正しいか、不規則か
は、学校生活が軌道に乗り始めたころに、目に触れやすい個性と言えます。
ワクワクタイプの子とドキドキタイプの子、同じ教室に入ったら……?
- 新しいものが大好きで、好奇心旺盛…こんなタイプは、ワクワクタイプの子
- なじみのあるものが好きで、変化を好まない…こんなタイプは、ドキドキタイプの子
■ワクワクタイプの子の登園初日
「わ~新しいクラスは2階なんだ! 階段だ~!!(嬉しさのあまり、駆け上がる)」
「外が見える~。ボク、ここ気に入った」
「あ、ボクの名前が書いてある、やった~!」
「いってきま~す」
■ドキドキタイプの子の登園初日
「え、今度は2階なの。前のクラスがよかった~」
「先生だ…。やっぱり、ママがいい、泣」
「いやだ~、入りたくない」
「おうちがいい、ママ抱っこ~」
このように、同じ教室でも見え方が違うことで、全く別物に映ってしまうのです。
ドキドキタイプの子の接し方。登園しぶり対処法
この時期、我が子が朝の見送り時に泣いてしまったりすると、ママは「どうしてうちだけ?」「私の育て方のせい?」と自分を責めてしまうことがあります。しかし、これまでの流れで、新しい環境に対する初期反応というのは、もともとの性格が大きく影響していることがお分かりいただけたと思います。ママは自分を責めることなく、お子さんの性格を把握した上で、接し方を工夫していきましょう。よくやってしまうのが、空回りを生む元気づけです。「〇〇ちゃんなら大丈夫」「絶対楽しいよ」などの言葉は、ドキドキタイプの子の耳にはまったく入りません。仮に入ったとしても、飲み込むことはできません。「ちっとも大丈夫じゃない」からです。子供の見え方を打ち消すような声かけは、いくら内容がポジティブでも、空回りを生むだけで好転はしません。大事なのは、その子の主観です。お子さんにはその教室がどのように見えているのかを感じ取って、理解してあげてください。
そして、家庭内で、普段以上に甘えさせてあげましょう。この時期は、ドキドキタイプの子の「安心感」がかなりぐらつき、今まで大丈夫だったことでさえ、不安に感じるようになっています。そのぐらついた「安心感」をきちんとメンテナンスし、立て直すことができれば、それが登園時、登校時の勇気になってくれます。
おすすめなのが、親子間の絆・アタッチメントを促進する効果がある遊びです。
- お互いを触れ合えるスキンシップを多く取り入れたコミュニケーションや遊び
- かくれんぼのような、「ママは隠れても必ず見つかるよ」というメッセージを送れる遊び
- 人形ごっこのような、自分の思いを表現できるような遊び
登園時にしぶられてしまうと、その場でなんとか対処しようとしてしまいますが、家にいる時間にしっかりと安心感をチャージしておくことが、見送り時の涙をなくす秘訣です。小さいうち、子供は、主にママから安心感を得ますので、遊びやコミュニケーションを通して、しっかりと甘えさせてあげ、心を満たしてあげましょう。
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