近くにあると嫌だと感じる施設などが存在するときは、「嫌悪施設」として重要事項説明の際に買主へ説明することになっています。墓地、火葬場、ゴミ焼却施設などがその代表格として挙げられることも多いのですが、嫌だと感じるものには当然ながら個人差があります。

不動産業者を指導する行政側は「買主が嫌だと感じる可能性のあるものはすべて説明せよ」という立場なのですが、たとえば大きな商業施設などがすぐ近くにある場合に、便利でよいと感じる買主もいれば、騒々しくて近すぎるのは嫌だと感じる買主もいるわけです。

学校や幼稚園が近くにある場合も同様で、まったく気にならないという人も、うるさくて嫌だという人もいるでしょう。病院なども近ければありがたいという人、救急車が頻繁に来るから嫌だという人、さまざまです。

また、その施設などが半径何メートル以内にあったら嫌なのか、通勤や通学の通り道になければよいのか、家の窓から見えなければよいのか、といった判断基準も異なります。施設自体には問題がなくても、そこに集まる人や車が嫌だという場合もあるでしょう。

さらにいえば、買主が嫌がるかもしれないと分かっていても、それが差別意識や偏見にもとづくものなら、重要事項説明で取り上げること自体が憚られるような対象も考えられます。

これら嫌悪施設の調査や説明をすべて不動産業者に任せても、自ずと限界があります。どれほど優れた営業担当者であっても、あなたの意識とシンクロすることは不可能ですから、当然あなたの考えにぴったりと合わせて判断することはできません。

実際に嫌悪施設をどう説明するのかは、宅地建物取引士や営業担当者の個人的見解に左右される場合も多いでしょう。

このようなものが近くにあると “ゼッタイにイヤ” と感じるものがある場合、あるいは他の人と感じ方や考え方が少し違うという自覚のある人は、購入する物件を決める前に必ず自分の目と耳と鼻を使って調べてみるべきです。

そのためには、住宅探しを始める前にしっかりと「自分自身の性格分析」をしておくことも必要でしょう。

過去の経験を振り返ってみたり、街にはどのような施設や建物があるのかを想像してみたりすることも欠かせません。


>> 平野雅之の不動産ミニコラム INDEX

(この記事は2006年10月公開の「不動産百考 vol.4」をもとに再構成したものです)


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