京都の遅咲きの桜の名所めぐり

多くの人が憧れる桜の季節の京都での花見。今回紹介するのは、数ある京都の桜の名所の中でも、他の場所で花が散る頃に、"遅咲き"の桜が楽しめるスポット3ヶ所をめぐる散歩道。
2016年4月10日に撮影した原谷苑の様子。紅しだれ桜が今を盛りと咲き誇る

2016年4月10日に撮影した原谷苑の様子。紅しだれ桜が今を盛りと咲き誇る


京都有数の桜の名所である平野神社の桜を見物した後、"嵐電"こと京福電車に揺られ、「御室(おむろ)桜」の咲き誇る仁和寺へ。最後は、一山すべてに桜が植えられた桜の苑「原谷苑」を訪れます。

ちなみに、今年(2017年)は例年に比べ桜の開花が遅めの模様。お出かけの際は、下記サイトなどで開花状況を確認されることをおすすめします。

京都桜開花情報2017

なお、記事中の写真で特に撮影日の日付を記載していないものは、すべて2016年4月10日に撮影したものです。

平野神社/例年は3月中旬~4月下旬

最初に向かうのは、祇園の円山公園と並ぶ京都の花見の名所、平野神社。市バスなら京都駅から約40分ほどの「衣笠校前」バス停で下車し、徒歩3分ほどの場所にあります。

電車の場合、山陰本線で「太秦(うずまさ)」駅に移動し、徒歩で3分ほど離れた「撮影所前」駅から"嵐電"の愛称で親しまれている京福電鉄の北野線に乗り換え、終点の「北野白梅町」駅へ。駅から西大路通りを10分ほど歩くと、平野神社境内が見えてきます。

3月下旬~4月上旬にかけての華やかな平野神社境内(2016年3月31日撮影)

3月下旬~4月上旬にかけての華やかな平野神社境内(2016年3月31日撮影)


平野神社には、現在、約400本、60種類の桜が植えられ、3月中旬から4月下旬頃にかけて、1ヶ月半もの間、様々な桜の花が楽しめます。桜は生命力を高める象徴として平安時代から植樹されてきたそうです。

平安時代には貴族たちが、そして、江戸時代になると庶民にも夜桜が開放され、「平野の夜桜」は都を代表する桜の名所となりました。

ちなみに、平野神社には、「魁(さきがけ)」と名付けられた早咲きのしだれ桜があり、この桜が咲くと京都の花見が始まるとも言われます。

「魁」と名付けられた、このしだれ桜が咲くと京都の花見が始まるとも言われる(2016年3月31日撮影)

「魁」と名付けられた、このしだれ桜が咲くと京都の花見が始まるとも言われる(2016年3月31日撮影)


そして、桜シーズンの京都で一度は見ておきたいのが、毎年、4月10日に平野神社で催される「桜花祭」。

「桜花祭」は、寛和元(985)年、花山天皇により行われた臨時の勅祭が起源という、非常に古い歴史のある祭りで、桜の咲く下を鳳輦(ほうれん 神輿)、花山車(はなだし)とともに、織り姫や騎馬武者など様々な時代衣装を身にまとった人々が街中を練り歩きます。

それでは、祭りの様子を見ていきましょう。

午前中は、御祭神の御霊(みたま)を鳳輦に遷す神事などが行われます。
御祭神の御霊(みたま)を鳳輦に遷す神事などが行われた後、神職が花山天皇陵を参拝する

御祭神の御霊(みたま)を鳳輦に遷す神事などが行われた後、神職が花山天皇陵を参拝する

午後は、13:00頃、平野神社を行列がスタート。
列の先頭付近を行く、赤鬼と青鬼

列の先頭付近を行く、赤鬼と青鬼

織り姫たち

織り姫たち

鳳輦(神輿)

鳳輦(神輿)

騎馬武者

騎馬武者


その後、行列は街へ出て、2時間ほどかけて氏子地域を巡行します。
祭りの行列は、氏子地域を巡行

祭りの行列は、氏子地域を巡行


毎年秋、10月22日に京都で行われる「時代祭」にも、ちょっと似ていますね。

<DATA>
■平野神社
住所:京都市北区平野宮本町1
アクセス:京都駅から市バス「衣笠校前」バス停で下車、徒歩3分。京福北野線「北野白梅町」駅から徒歩10分
地図:平野神社ホームページ

仁和寺/例年は4月中旬

次に目指す、世界遺産・仁和寺へは、京福電鉄北野線に乗って移動します。

2007年に「御室」駅から「御室仁和寺」駅に駅名変更されたが、今も旧字体で旧駅名が掲げられている

2007年に「御室」駅から「御室仁和寺」駅に駅名変更されたが、今も旧字体で旧駅名が掲げられている


昔の駅を再現したような「御室仁和寺」駅の改札を出て、150mほど歩けば、目の前に仁和寺の重厚な二王門(仁王門)が現れます。

拝観受付を済ませ真っ直ぐに進み、中門をくぐると正面に見えるのが国宝の金堂。もとは京都御所の紫宸殿(ししんでん)だった建物です。

正面に見えるのが国宝の金堂、左手に咲くのが御室桜

正面に見えるのが国宝の金堂、左手に咲くのが御室桜


仁和寺は平安時代の仁和4(888)年に、宇多天皇によって完成され、隆盛を極めましたが、元永2(1119)年の火災でほとんどの堂宇を焼失し、その後、応仁の乱で一山全てを焼かれてしまいます。

江戸時代になり、徳川三代将軍・家光の寄進を得て復興しましたが、その際、朝廷から御所の改造に伴い、紫宸殿をはじめ清涼殿などの多くの建造物を下賜されました。

仁和寺は「御室御所」とも呼ばれ、今も風雅な雰囲気をたたえますが、それは、代々、皇室出身者が住職を務められた門跡寺院であることはもちろん、御所の建物が移築されていることなどにもよるのです。

さて、今回は「桜」がテーマなので、桜の話をしましょう。

御室桜と五重塔

御室桜と五重塔


4月10日前後に仁和寺を訪れると、中門を入ってすぐ左に、一般的な桜よりも背の低い白い八重の桜が密集して咲いているのが目に入ります。これが、国の名勝にも指定されている「御室桜」です。

御室桜は、一般的な桜より背が低く、近くで花が見られる

御室桜は、一般的な桜より背が低く、近くで花が見られる


江戸時代には、すでに桜の名所として知られていたそうで、樹高が低く、低い位置に花が咲くことから、

わたしゃお多福 御室の桜 鼻(花)が低ても 人が好く

と俗謡に歌われました。樹が大きく育たないのは土壌の性質によるようですが、仁和寺のホームページの記載によれば、「詳しくは現在も調査中」とのことです。

<DATA>
■仁和寺
住所:京都市右京区御室大内33
アクセス・地図:仁和寺ホームページ

原谷苑/例年は3月下旬~4月下旬

さて、最後の目的地「原谷苑」へは、仁和寺から徒歩で30分ほど。

原谷苑の紅しだれ桜

原谷苑の紅しだれ桜


「原谷苑」のある原谷という場所は、ちょっと不思議な場所で、周囲よりもやや標高が高く、金閣寺方面と仁和寺方面、光悦寺のある鷹峯(たかがみね)方面から細道が通じているだけの、一種の袋小路のような場所。

仁和寺方面からは、舗装はされているものの"つづら折れ"のようなカーブもある細い道を登って行きます。

原谷苑の紅しだれ桜

原谷苑の紅しだれ桜


原谷苑(村岩農園)は、個人所有の約4,000坪の桜の苑。一山すべてに桜が植えられ、この世のものとは思えないような素晴らしい景色が楽しめます。

元々は荒れ地だったのを、昭和32(1957)年から桜や紅葉などを植樹し、最初は身内だけで花見をしていたのが次第に評判になり、桜の時期に一般公開するようになったのだそうです。

ユキヤナギ(2016年3月31日撮影)

ユキヤナギ(2016年3月31日撮影)


現在、紅しだれ桜を中心に、3月下旬~4月下旬にかけて20数種およそ400本の桜が咲くとともに、しだれ梅、ミツマタ、ユキヤナギ、アセビ、ジンチョウゲなど様々な春の草花を楽しむことができます。

<DATA>
■原谷苑
住所: 京都市北区大北山原谷乾町36
アクセス:原谷苑へは、徒歩、シャトルバス、タクシーを利用。徒歩の場合、仁和寺から30~40分
地図:原谷苑ホームページ
シャトルバスは、2017年は4月6日(木)から運行予定

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