古来より“あの世の入口”といわれる六道の辻には、冥界がらみの伝説や寺が多く残っています。中でも、地獄で閻魔大王に仕えていた平安の歌人・小野篁の伝説は、特に有名。その舞台『六道珍皇寺』を訪ねてみました。

<index>
1.あの世とこの世の分かれ目『六道の辻』…1p.
2.昼間は朝廷に仕え、夜は閻魔大王のお手伝い?!…2p.

1.あの世とこの世の分かれ目『六道の辻』

●風葬の地・鳥辺野の入口にあたる『六道の辻』
六道の辻
▲六道の辻の石碑
六道の辻とは?――東大路松原をやや西へ行ったあたり。その昔、ここより東にある鳥辺野(現在の『清水寺』などがある丘陵地帯)は、風葬が行われた場所だったそうです。

なので、その入口にあたる六道の辻は、古来より“あの世とこの世の分かれ目”“冥界の入口”と、いわれてきました。

そのためこの地には、あの世がらみの伝説やお寺が、数多く残っています。

●墓の中で産んだ赤ちゃんを育てるため、飴を買いにきた女幽霊
例えば、こんな伝説はいかがでしょうか?――
むかしむかし。六道の辻にある飴屋さんに、夜な夜な飴を買いにくる、顔色の悪い女がいた。不審に思った飴屋さんは、ある夜、跡をつけてみた。すると女は、鳥辺野の墓地のあたりでスッと消えてしまった。翌日、掘り起こしてみると、そこは出産直前で亡くなった女性の墓で、ナンと、産まれたばかりの赤ちゃんと、飴がでてきたという。どうやら墓の中で産んだ赤ちゃんを育てるために、幽霊となって飴を買いにきていたらしい……。

またこの界隈には、人が亡くなり、腐敗し、白骨化し、やがて土にかえる様子をリアルに図解した『壇林皇后九想図』を所有する『西福寺』(この絵は、お盆の数日のみ公開で、普段は非公開のようです)。空也上人が口から阿弥陀を出している像や、平清盛の像などを所有する『六波羅蜜寺』。……など、冥界を近くに感じるお寺も点在しています。中でも有名なのは、平安の歌人・小野篁の伝説の舞台『六道珍皇寺』でしょう。詳しくは、次ページで。


【2ページ目】は「昼間は朝廷に仕え、夜は閻魔大王のお手伝い?!」について