コストはどれほど重要なのか

投資をするときに、コストを低く抑えることは、大切なポイントです。我が国の保険商品や投資信託においては、海外の先進国に比べて、コストが高いと言われています。

しかし、コストがどのくらい大切かということは、あくまでも相対的な問題ですから、低コストならリターンが高いと判断するのは早計です。海外においては、低コストを優先する人はパッシブ運用派、リターンを優先する人はアクティブ運用派と呼ばれ、その双方が競い合っているのが現状です。

その点、日本には低コスト信奉者であるパッシブ運用派が圧倒的に多いように見受けられます。投資を啓蒙しているブロガーを探してみても、ほとんどがパッシブ投資、インデックス投資を標榜しています。

アクティブはパッシブに勝てないという一般論

一般の個人投資家にパッシブ運用派が多いことを納得させる、ある理由があります。それは、アクティブ運用はパッシブ運用に勝てないという定説があるからです。

しかし、定説というものには、誤解を生み出す弊害もあります。これは、アクティブ運用の投資信託とパッシブ運用の投資信託の全体平均をとって比較しているからです。

個人が投資をするのなら、必要な投資信託は1本か2本です。全体のアクティブ運用の投資信託の中から、優れたものを選ぶことができれば、その人は全体平均の統計などとは無関係に、効率的な投資をすることができます。

過去11年のアクティブ投信の成績から

2016年11月23日の日経新聞朝刊に掲載されていた記事を基に、具体的な考察をしてみます。日本株に投資をするアクティブ運用の投資信託が、240本ありました(2005年以前に設定されたもの)。それらの過去11年の運用成績を、インデックス型投資信託と比べてみたのです。

勝率が5割以下のアクティブ型投資信託(2005年から2016年までの11年のうち勝てたのが5回以下)は112本、全体の47%もあります。ほぼ半数の投資信託は、コストを掛けても、コストに見合う優位性がなかったということになります。そこから、アクティブはパッシブに勝てないという極論に発展するわけです。

18%のアクティブはパッシブに勝った

しかし、もう一つの貴重な事実があります。11年間で、インデックス型に8年以上勝っていたアクティブ型の投資信託は、240本中43本ありました。一年毎の勝負と考えて、11回中8回以上の勝利をした投資信託が、43本あったということです。これは全体の18%に相当します。

全体の18%の43本という数字を、どうとらえるかによって、アクティブとパッシブの採否が決まってきます。43本も有るととらえる人と、43本しかないのかと受け取る人がいるからです。

個人的には、パフォーマンスの高い日本株投信は1本有れば十分と考えますから、私ならコストよりもリターンを優先して投資信託をえらびます。コストが高かったとしても、それを上回るリターンが得られるのなら、喜んでコストを払います。その意味で、11年のうち8年以上でインデックスを上回るという戦績は、立派な証拠といえるのではないでしょうか。

ご参考までに、リターンの高かった日本株アクティブ型投資信託の一例を挙げておきます。2016年1月末現在の、3年間リターンと信託報酬比率を掲載しました。

・J-Stockアクティブ・オープン  90.1% 1.62%
・大和住銀日本小型株ファンド    77.0% 1.6416%
・証券ジャパン日本株オープン    39.67%   1.728%

なお、当該期間のTOPIX騰落率は、32.5%でした。上記3銘柄は、小型株に投資する投信であり、TOPIXに比べて価格変動が大きいというリスクがあることを、ご承知おきください。

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