フロアランプとは?
お気に入りのソファーとラグと美しいフロアランプがあれば、居心地のいい場所に/写真提供:イデー
フロアランプとは、コンセント式で、自立していて、配置が自由な照明のことを言います。特別な工事がいらないので、小さな床面積をしめる家具のような感覚で生活空間に気軽に取り入れることができます。
薄暗がりの中で照らされたシックなインテリアや、ブランケットのかかった日だまりのソファなど、映画のようなワンシーンにフロアランプはよく似合います。
デザイン次第で、狭小な空間にも置けるフロアランプ/写真提供:IKEA
たとえ今住んでいる部屋が狭かったり、予算も潤沢ではなかったりしても、サイズや予算に見合ったフロアランプを加えることで、インテリアが劇的に変化するはずです。今回はフロアランプの特徴や、インテリアを格上げする一工夫、おすすめのアイテムを予算別にご紹介します。
フロアランプを置くと期待できる効果
視線の先が照らされていると人間は明るいと感じる/写真提供:Dyson Japan
人は「見ている物に光が当たっていると明るく感じる」視覚特性を持っています。天井照明は主に床を照らしますが、顔をさげない限りあまり視界に入らないので、照度が高くても暗く感じます。しかし、視界の大部分を占める壁面や天井を照らす間接照明は照度が低くても明るく感じます。
フロアランプも壁面や天井などの視線の先を照らすことで明るさを生み、適度な影を作るので、空間に広がりや奥行きが生まれ部屋を広く見せる効果があります。また、照明がついている時は光の彫刻のように、消えているときは素材の彫刻のように空間を演出する効果もあります。
フロアランプを特徴づけるのはシェードの素材
構造にもよりますが、シェードそのものが浮きあがり、光が上下にアーチ上にひろがります。壁からの距離を変えると光の表情も変わるでしょう。/写真提供:IKEA
シェードの素材が光源の透けるもの(和紙やガラスや布など)の場合は、点灯するとシェードの形状が光の彫刻のように空間に浮きあがります。シェードが透けない素材(金属等)の場合は、シェードの向きによって光る方向を限定することができます。それぞれの特徴を理解すれば、光の様々な表情を楽しむことができるでしょう。
お部屋に必要な明るさの目安
オプションパーツをセットして、名作デスクライトをフロアランプに/写真提供:リンインクープ
目的やシーンによって異なりますが、1畳あたりの目安として、白熱電球における約40W形相当の明るさが必要と言われています。お部屋の広さが8畳なら40W×8=320W、10畳なら40W×10=400Wとこの目安さえ覚えておけば、お部屋のライト選びも簡単です。
電球形LEDランプへの交換時は、3つのポイントに注意
電球形LEDランプは、様々な製品が発売されています。 フロアランプにおいて気をつけるポイントは「口金サイズ」「明るさ・光の色温度」「光の広がり方」の3つです。■口金サイズ
口金サイズは一般的な「E26」や少し小さめの「E17」などと表記されており、電球を回して取り付ける箇所の26mm、17mmという寸法を表わしています。もちろんですが、フロアランプの対応するサイズと異なる電球は取り付けができません。
■明るさ・光の色温度
LEDの明るさについて表すときは、lm(ルーメン)という単位が用いられます。60W形は810lm(ルーメン)が目安となります。また、光の色温度についてはk(ケルビン)という単位を用います。一般的には、色温度の高い青白い光は、明るくさわやかで活動的な空間に適し、色温度の低い黄色がかった光は落ち着いていてくつろげる空間に適しています。フロアランプに向いている電球色は2700k(ケルビン)が目安となります。
■光の広がり方
LED電球は光の広がり方によって感じる明るさが変わります。シェードが、プラスチックやガラスなど透過性のある素材の場合は、「全方向が明るいタイプ」を選びます。「下方向が明るいタイプ」では、シェード上部に光が回らず陰ができて、暗く感じてしまうでしょう。
予算別おすすめのフロアランプ
■1万円以下のアイテム・TIVED(チベット) LED フロア /IKEA
【価格】4999円(税込) 【サイズ】180Φ H1780 【材質】ベース:鋳鉄・塗装仕上げ/チューブ・ベースプレート・アーム:スチール ニッケルメッキ ブラッシュ仕上げ/シェード:アルミニウム ニッケルメッキ ブラッシュ仕上げ ニッケルメッキ/ディフューザー:アクリル樹脂
自在にアームを動かして光の向きを調節できます。非常にスリムなデザインなので、ちょっとしたスペースにも取り付けられます。素材感とスムーズな動きは、この金額をを全く感じさせないフロアランプです。
■1万円~3万円のアイテム
布製のシェードに木製の軸のシンプルでオーソドックスなデザイン。シェードの色がブラックのものにはウォールナット材、ホワイトにはオーク材が使用されています。
■3万円~5万円のアイテム
・Vieri nova floor lamp(ビエリ ノバ フロアランプ)/DI CLASSE(ディクラッセ)
【価格】38880円(税込) 【サイズ】ベース:668ΦH1450/シェード:φ380 H260mm 【材質】ベース:木(白椎木:しろじいのき)、スチール/シェード:綿
イーゼルのようなデザインの脚にはほどよい経年加工が施され、ビンテージ家具や、インダストリアルなスタイルのインテリアにもよく合います。簡単に高さ調節をすることができるので、本を読む時などはソファの横に置いて手元を照らすことが出来ます。布製のシェードの少し大きめなサイズが存在感があるのもポイントです。
・Auro floor lamp(アウロ フロアランプ)/DI CLASSE(ディクラッセ)
【価格】41040 円(税込) 【サイズ】ベース:220ΦH1620/シェード:370Φ H410 【材質】ベース:ニッケルスチール・サテン仕上げ/シェード:ポリプロピレン、アクリル、スチール
シェードの重なり合うドレープが、オーロラのカーテンのように幻想的に照らされるデザイン。リビングルームやベッドルームなどのリラックス空間におすすめの優しい光です。
■5万円~8万円のアイテム
・BL-F806/ブナコ
【価格】54000円(税込) 【サイズ】φ300×H1320 ※シェード:300Φ 【材質】ベース:スチール・クロームメッキ/ベース:ブナ・黒塗装/ポール(支柱):スチール・クロームメッキ/シェード:ブナ ※電球は付属していません
日本一の蓄積量を誇る青森県のブナの木を有効利用するために開発された、独自のユニークな製法を取り入れているBUNACO(ブナコ)。ブナの原木をかつらむきの原理で約1mmの厚さにスライスし、テープ状にカットにしたものを巻き重ねてつくる有機的なカタチは、その形状自体が彫刻のようです。木工品でありながら、シャープな表情を見せるギャップが奥行き深いデザインです。
・Original 1227 + Floor Standing Pole for Original 1227(オリジナル1227 + オリジナル1227用フロアスタンディングポール)/リンインクープ
【価格】60840円(税込)~ 【サイズ】Original 1227 アームリーチ:302+343/ シェード:φ142/ Floor Standing Pole:H840 【材質】シェード・アーム:アルミ/ベース:スチール
「英国を代表する10のデザイン」としてロイヤルメールの記念切手にも選ばれたアングルポイス社のOriginal1227。1934年にジョージ・カワーダインがデザインしたものが、同社の75周年を記念して2009年に復刻されました。もとは、自動車サスペンションのメカニズムを応用して自分の工場で働く人のためにデザインしたもの。スムーズに動くサスペンションは、照らしてほしい場所でピタリと止まってくれます。機能面もさることながら、工業的な魅力とエレガントなフォルムは幅広いインテリアに合います。
■8万円~のアイテム
・ランパデール アン ルミエール/イデー
【価格】84240円(税込) 【サイズ】W450 D470 H1700 【材質】シェード:アルミニウム 本体:スチール
1950年代にパリのデザインシーンを牽引したフランスの照明作家のひとり、セルジュ・ムーユの1953年の作品。植物の葦(あし)を彷彿とさせるスレンダーでエレガントな線がインテリアにリズムをうみだします。リフレクターの角度を変えることで、さまざまな光の表情を壁や天井に映し出します。
・フェルトフロア/ トム・ディクソン
【価格】89640円(税込み) 【サイズ】 W400 H1450mm 【材質】フェルト スチール
車のトランクに使用されている生地を使用したフェルト。今まで照明に使用されてこなかった素材に着目し作られたシェードは、素材本来が持つ魅力を引出し、グレーと内側の白の色のコントラストによって、優しい空間へと演出します。コンテンポラリーな佇まいも魅力です。
■10万円台のアイテム
・CSYS (シーシス)Floor /Dyson (ダイソン)
【価格】109080円(税込) 【サイズ】W727 H1409mm 【材質】アルミニウム・銅・スチール・ポリカーボネートプラスチック
名前を見て、ピンときた方も多いのではないでしょうか?サイクロン掃除機で有名なダイソンの照明器具は、高機能でスタイリッシュです。 平行・垂直・360°回転、いずれにも自在に調節でき、思い通りの位置にピタリと光源がきまります。 埋め込み式LEDは、電球色の2700K(ケルビン)。高温になって劣化しやすいLEDですが、そこはダイソンのテクノロジーの見せ所。独自の熱を逃がす技術により、連続点灯に約14.4万時間可能とのこと。機能ばかりに目を奪われそうになりますが、ミニマムスタイルのシックなインテリアにも似合う静かな佇まいのデザインもオススメです。